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様々な想いが交差する!3rdシリーズ『真実』編!!
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「まさと。佐藤亜矢子さん、覚えてるよね」
「・・・うん」

もちろんだ。忘れる訳が無い。

フラれたし、もう違う人(憂樹)を好きになってるし考ええないようにはしてるが
だからと言ってそう簡単には忘れられない。

「亜矢子さんと和解した時・・・亜矢子さんからメールが来たじゃない」
「ああ・・・、まあね」

言われて思い出した。
さすがにそんな細かい事は忘れていた。

「実はあれ、私が絡んでるんだよ」
「・・・え?」
「正確に言うと、ここにいる私達。
 その時、彰はいなかったけどね」
「・・・え?え???」

正直、憂樹が何を言っているのか全く分からなかった。

憂樹が絡んでる・・・?

「ゴメン、あのさ。
 言ってる意味が全然分からないんだけど・・・絡んでるって何が?」
「亜矢子さんが謝りたいってメールしたでしょ。
 あれは私がそうさせたんだって言ってるの」
「・・・え!!??」

・・・ますます分からなくなった。

「・・・・・・」
「・・・ゴメン、いきなりこんな事を言っても分からないよね。
 ちゃんと順を追って説明するよ」
「・・・うん」
「まさとが、亜矢子さんや周りから無視されて、落ち込んでた時があったよね」
「・・・あったね」
「その時、私はmixiを使って亜矢子さんのページを探し出して
 亜矢子さんと接触したんだよ」
「え!?どうやって亜矢子のページを見付けたの!?」
「東秀大学のコミュニティを探して、そのメンバーを調べたら簡単に見付かったんだよ。
 mixiは参加してる人が物凄く多いから、ほぼゼロから人を探さなきゃいけない時によく使うの。
 若い人なら、かなりの確率で見付かるよ。もちろん見付からない時はあるけど、その時は別の方法を使うし」
「へえ・・・。
 まあ、憂樹が亜矢子に接触出来た理由は分かったよ。
 で、そこからどうしたの?」
「亜矢子さんを呼び出して・・・軽く脅したの」
「脅した!?」
「『あなたが意地悪をしているせいで、工藤さんが落ち込んでますよ。
 このままでは彼は自殺するかも知れません。
 そうなれば、あなたのせいになりますよね』
 ・・・なんて言ってやったんだよ」
「何で・・・、そんな事を・・・」
「やり方が許せなかったからだよ。
 別に、もう会わないようにするのは勝手だよ。
 でもそのせいで、まさとが凄く悲しんでた。そんなのは許されるやり方なの?
 結局は、亜矢子さんの勝手な自己満足でしかないじゃない。
 そりゃ、私には関係無い話だよ。そんなのは分かってた。
 でも目の前で、その勝手な自己満足のせいで傷ついてる人がいた。
 他人ならともかく、あなたは身内なんだよ。
 私は・・・そういう状況で見て見ぬ振りが出来る人間じゃないの。
 いろんな裏のやり方を知ってる分、尚更ね」
「・・・・・・」
「そういう意味では、私も勝手な自己満足でしか無いのかも知れない。
 でもね、こういうのは勝った者が勝ちなの。勝手同士がぶつかるなら、相手を黙らせる。つまり論破した方が勝ち。
 馨が言ってる事と同じような話なんだけどね」

・・・・・・。

言ってる事は分かった。
憂樹がどんな理由で、何をやったかも分かった。

しかし、その一つ一つがあまりにも非現実的と言うか・・・。
つまりは現実感をほとんど感じなかった。

それは俺が、あまりにも『普通』な世界でしか生きて来なかったからだろう。
ちょっと普通を外れればこんなのはよくある話なのかも知れない。
ここが俺の甘さであり、世間知らずな部分なんだろうな。

「・・・あのさ」
「はい」
「どうして亜矢子を脅そうって思ったの?
 普通に呼び掛ければ応じるとは考えなかったの?」
「その理由は二つ。
 一つは、さっき言ったけど、やり方が許せなかったから」
「だから厳しくやったって事?」
「・・・うん」
「・・・・・・」
「もう一つは、確実に呼び出せるように。
 日記を読んでみたら良い人みたいだったから、周りに流されて、とか
 合わさざるを得なかった、なんて理由だってのが分かったから
 そういう人なら、脅せば確実に応じるだろうなって思ったんだよ」
「・・・そうなんだ」

憂樹が・・・
そんな事をしてたなんて・・・。

「え、で・・・。
 私『達』が、って言ってたのは何?」
「亜矢子さんを見付けるって言っても簡単ではないからね。純や真琴にも手伝って貰ったんだよ」
「へえ・・・」
「引いた?」
「え?」
「私がこんな事をやってたなんてショックでしょ?しかも片想いしてた亜矢子さんにそんな事してたなんて。
 ドン引きして、嫌いになった?」
「いや・・・。そんな事は無いよ」
「・・・!」
「だって、憂樹は俺の為にやってくれたんだろ?
 そりゃまあ、ちょっとショックではあるけど
 そんな、嫌いになるだなんて事は無いよ。
 それに、結果的にはそのおかげで亜矢子とちゃんとした形でサヨナラ出来たんだし」
「・・・優しいんだね。
 それじゃあ、もっと凄い話をしてあげるよ」
「凄い話・・・ですか」

これだけでも相当に凄い話なんだけど
もっと凄い話って・・・
一体何なんだろう。

「まさと、『treasure』やってた時があったよね?」
「あったよ」
「実はね。私はそれにも絡んでるんだ」
「へ!?」
「まさと、その頃に片思いしてたじゃない。
 あと、バイトしてて女の子の友達もいたよね」

鈴木さん(鈴木華穂)と山口さん(山口優希子)の事か。

「まさとは名前を教えてくれなかったけど
 私は名前を知ってるんだよ。
 鈴木華穂と山口優希子だよね。
 そして片思いをしていたのは山口優希子の方」
「・・・!!!」

な・・・!!

どうしてその事を!!!

「何で・・・知ってるんだよ・・・。
 俺、憂樹には教えてない筈だよ・・・?」
「うん、そうだね。
 でも私が知ってるのはそれだけじゃないの」
「それだけじゃない?」
「その二人ってさ、『treasure』でパーティーのメンバーでもあったよね。
 鈴木華穂がフィンで
 山口優希子がマッキーというHNだった」
「・・・・・・」

頭が真っ白になった。

茫然自失になった。

憂樹が言ってる言葉を
まともに受け止められない・・・。

「え・・・いや、あのさ・・・」
「ん?」
「どうして・・・そんな事まで知ってるのさ。
 確かに、鈴木さんも山口さんもバイト先の人だし、『treasure』で一緒の人だった。
 でも俺は、その人達の名前も、その人達が同じ人だなんて事さえ言ってないんだよ?
 それなのにどうして、そこまで知ってるんだよ!?」
「私は、まさとのバイト先の友達と、『treasure』のメンバーが同じじゃないかって推理したんだよ。
 で、その推理を元に調べてみたら同じ人だって分かったの」
「調べたって・・・」
「私ね、まさとの携帯を盗み見した事があるんだよ」
「え!!」
「そこから、友達だった二人が鈴木華穂と山口優希子という名前だって分かった。
 後は簡単だよ。またmixiで探せば良い」
「でも、そんな名前の人なんか沢山いるんじゃないの?」
「『treasure』のコミュに入ってたし、二人はマイミク同士だったし、HNは『フィン』と『マッキー』だった。
 しかも日記を見たら、まさとと思われる人の事も書いていた。
 これだけ要素が揃ってたから断定したの。
 そして実際、その通りだったしね」
「そこまでして・・・」
「プラス」
「え」
「まさとが片想いしてた子は山口優希子の方」
「!!」
「でも山口優希子は、いきなり他の男と付き合う事になったって言ってたけど・・・
 その男はガッティ。『treasure』のプレイヤーだよね」
「!!!!!」

な・・・。

「それも・・・調べたの?」
「そうだよ。mixiのページが見付かったから
 そこを読んでたら面白いくらい色んな事が分かったよ」
「何の為にそこまでなったんだよ・・・。
 亜矢子の時みたく、また謝らせたかったの?」
「それが出来れば理想的だったんだけどね。でも無理だった。
 アイツらは自己中極まりない勝手な人間だったから、何を言っても無断だって分かったから。
 実際、まさとの所に謝りに来てないでしょ?」
「・・・うん」
「だから私は純達に協力して貰って、アイツらを
 『treasure』から退会させてやったんだよ」
「退会!?どうやってそんな事!?」
「アイツら規約違反になる事をやってたんだよ。
 だから、違反が発覚して即退会のペナルティーになるように罠を仕掛けただけ。
 ガッティはちょっと挑発すればすぐに怒って迂闊な事する奴だからね。
 どうすれば良いのか、ってのが分かれば簡単だったよ。
 実にアッサリとペナルティーになったから」
「え、じゃあ・・・
 もうみんな退会させられたの?」
「そう。もういないよ。
 まあ、また性懲りも無く入会し直したかも知れないけどね。
 さすがにそこも何かしてやろうとは思わないから、放っといてるけど」
「・・・・・。
 それもやっぱり・・・憂樹が許せなかったからなの?」
「・・・そうだよ」

何て言うか・・・
憂樹が憂樹じゃないように感じる・・・。

憂樹はこんな人だったのか。
俺の知ってる憂樹は、本当の憂樹じゃないかったのか。

そんな風に感じてしまう・・・。



「さて、じゃあ本題に入ろうか」
「・・・今までのは本題じゃないの!?」
「そう。ただ、私がこんな事をやって来たっていう点を話しただけ。
 ここからは・・・どうして私がこんな人間になったのか。
 いつだったか、まさとが馨に持ち掛けられた
 私の過去について話してあげるよ」
「憂樹の・・・過去?」



いつか、俺が強くなれたら憂樹が自分の過去について話してくれる。

そう信じてたのに・・・
こんな形で聞く事になってしまった。

一体・・・
憂樹の過去に何があったんだ・・・。



第二百二話に続く



※次回は後編!
遂に憂樹の過去が明らかになる・・・!!




     

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