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様々な想いが交差する!3rdシリーズ『真実』編!!
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「・・・・・・」
「・・・・・・」

俺も憂樹も、黙って何も言えなくなってしまった。

憂樹は返答に困ってるんだろうか。
正直、空気が重苦しいので何か言って欲しい・・・。


そう言えば藤井さんに告白された時にそんな事を言われたが
なるほど、あの時の藤井さんはこんな気分だったのか・・・。



「・・・ねえ」
「え、あ、何!?」

ようやく憂樹が口を開いてくれた。

「随分前に、まさとに言っておいた筈だよね。
 『私の事は好きにならない方が良いよ』って」
「・・・・・・」

やっぱりそこを言われたか・・・・。
まあ、当然だよな。

「・・・言ったね」
「それなのに、何で私なんかを好きになったの?」
「それは・・・、まあ色々あって・・・」
「色々?強くなる為に教えられてる内に惹かれたって事?」
「ちょっと違う」
「え・・・」

憂樹は予想が外れた事が意外過ぎたのか、かなり驚いた顔をした。
多分、これで間違いないと確信してたんだろう。

「じゃあ・・・何で?」
「前に、俺がフラれた事があったよね」
「ああ、『treasure』をやってた頃ね」
「あの時に・・、・憂樹に慰めて貰ったり優しくして貰って・・・
 それで一気に惹かれたって言うのが大きいかな」
「・・・!!」
「もちろん、今までに色々教えて貰って惹かれてたって言うのもあるんだけどね・・・」

今度は「そうか!」なんて言いたそうな顔をした。
鋭い憂樹の事だ。今ので、憂樹の頭の中で全ての辻褄が合ったんだろう。

「・・・何でよ」
「え?」
「何で私なんか好きになったのよ!?
 好きになるなって言ったじゃない!!どうして言う事が聞けないの!?
 どうして聞かなかったのよ!!!」
「・・・・・・」

驚くほど、憂樹は感情を剥き出しにした。

怒られた時に怒りを露わにした事はあったが、こんな形では初めてだった。

しかも俺が一度説明した事をまた繰り返し聞いている。
論理的に話をする憂樹にしては極めて珍しい。いつもと様子が全く違う。
『意外』を通り越して、驚きを感じる。

そしてその剥き出しにした感情をぶつけられて、俺も焦りを感じて来た。
どうするべきなのか分からないからだ・・・。

「・・・・・・」
「・・・・・・」

またお互いに黙り込んでしまい
俺はどうしたら良いのか、ますます分からなくなってしまった。



「・・・ごめん」
「え」

憂樹は落ち着いたのか、今度は謝り始めた。

「好きになってくれたのに怒るなんて、最低だね私。
 まさとは悪くなんか無いのに・・・」
「いや・・・。確かに俺も『好きにならない方が良い』って言われておいて

それを無視して好きになっちゃったし告白までしたんだから・・・
 怒られて当然だよ。俺こそごめん」
「それでさ」
「はい」
「好きになった理由は分かったけど、何で告白しようって思ったの?」
「・・・!それは・・・」

痛い所を突かれた。

「何で私がこんな事を聞くか分かるよね」
「どうして諦めなかったのか・・・、って事だろ。
 前もってダメだって言われてるのに何で諦めずに告白したのかと」
「・・・正解」

もっともな言い分だ。

憂樹にしてみれば、こういう状況にならないように『好きになるな』と言っておいた筈なのに
俺はそれを無視してるようなモノなんだから。

しょうがない・・・。
正直に言うしかない。

「憂樹と・・・・、離れたくないからだよ」
「・・・!!!」

今度はさっき以上に驚いた顔になった。

「確かに・・・。好きになるなって言われてるし
 後ろめたいモノとか不安もあったよ。
 でもどうしても・・・諦め切れなかった。
 だって好きになっちゃったんから・・・しょうがないだろ・・・!!
 それならせめて、当たって砕けちゃうか
 もしかしたら、って言う奇跡を信じてみようと思ったからなんだよ。
 どうしたら良いのか分からなくて・・・相談に乗って貰ったし」
「・・・・・・。
 そう・・・、なんだ」

憂樹な顔が、悩んでいるようなモノになった。
どうしたら良いのか、どうするべきなのか迷ってるのか。

それとも・・・。

「分かったよ」
「えっ?」
「何も説明しなかった私も悪いんだよね。
 好きにさせちゃった点にも責任があるし・・・
 来るべき時が来たんだろうね」
「・・・?」

何かを決断したような表情と口調だけど
それが何なのかは分からない。

「告白の返答は・・・、悪いんだけど明日にさせて貰えないかな」
「え・・・、それは構わないけど」
「まさとの為に、全部説明するよ。
 その準備みたいな意味で・・・ね」
「・・・?」

憂樹が何を言っているのか分からなかった。
説明ってどういう事なんだろう・・・。



そして。

俺と憂樹はこの場で一旦分かれて別々に帰る事になったのだが
何故か、憂樹は帰って来なかった。

さっき言っていた
『準備』に関係があるのかな・・・。



そして、次の日。

「まさと」
「憂樹・・・!」

大学の帰り道で憂樹が俺を待っていた。
幸いにも今日は、バイトも無い日だった。

「待たせちゃってごめん。これから返事をしたいんだけど」
「返事・・・ですか」

早く答えを貰いたいとは思っていたが、少々急な話だ。

「私に着いて来て」
「えっ?どういう事?」
「ちゃんと説明するから。 どうして『好きになるな』なんて言ったのか。 それも含めて今まで秘密にしてた事を全部」
「秘密にしてた事?」

告白の返事とどんな関連性があるんだろう。



「どこに行くの?」
「私の・・・会社だよ」



つづく



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テクノラティプロフィール

次回、全てが明かされる!!!



第二百話となる次回、遂に『BE ALIVE!』全ての謎が明かされます!!!



憂樹の過去。

憂樹と秋山の確執の理由。

憂樹やジュンが言う『アイツ』。

憂樹が『ユキ』になった訳。

更にジュンの本名に至るまで・・・。



『BE ALIVE!』の真実と言う名の答えが全て解禁!

第二百話・『全ての真実』!!必見!!!



この真実を見ずして、未来は訪れない・・・。
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