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様々な想いが交差する!3rdシリーズ『真実』編!!
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そして俺は・・・。

また一人になった。

亜矢子が去った後、周りには人がいるけど知ってる人は誰もいない。
それが何故か、とても寂しく思えた。

今日、亜矢子に会って話せたおかげで自分の歩いて来た道を再確認出来た。
そのおかげで・・・、これから歩くべき道を歩く勇気を貰えたような感じだ。

亜矢子にフラれて、山口さんにフラれて・・・
今まで良い事が無いどころか悪い事しか無かったけど
それならこれからを良いモノにするには頑張るしか無いんだ。

亜矢子は彼氏が出来た。山口さんもガッティと付き合って今頃イベントだろう。

周りは色々と動き変わっているのに・・・
俺は取り残されたような、そんな気分だった。

別に追い付こうと考えてる訳じゃない。
俺は俺のペースで、いつか幸せを掴めればそれで良い。

贅沢は言わない。
ただお互いに心から想い合えるような人と付き合えれば他には何もいらない。

そしてその相手が・・・、憂樹であって欲しい。

考えてみれば、憂樹は人間的に魅力溢れる人なんだから
今までこんな感情を持たなかったのが不思議なくらいだ。

そりゃあ付き合ってと言う前から断ったり
「もう誰とも付き合わない」なんて言われたせいもあるけど。

それとやっぱり・・・、怖かったのかな。
断られたらもう戻れないと、心の何処かで分かってたのかも知れない。

でももう、そんな事は関係無い。

この気持ちに気付いてしまった以上、俺はやるしか無い。
いつも通り当たって砕けろで行くしか無い。

今度砕ければ・・・、もう立ち直れないかも知れないけど
そんな事は考えずやれる事をやって行くしか無い。

憂樹との信頼を上げ、心を開く事が出来れば・・・。

その為にはもっと強くならないと・・・。



憂樹の帰って来る音が聞こえた。

あと一分もしない内に、玄関から憂樹が帰って来るだろう。

その瞬間から俺の七度目の恋が始まる。

もう戻れない・・・、最後の戦いが始まるんだ・・・。

今度こそ勝ちたい・・・。負けたくない!!



「おかえり、憂樹」
「ただいま、まさと」



つづく



↓宜しければ押してやって下さい

     

~another story from yuki~vol.20・final-「終幕」

「終わったな、ユキ」
「そうね。大変だったけど良い仕事をしたわ」
「それにしても・・・。
 ユキさんが『マリア・ユイ』だったんですか・・・」
「そうよん」
「噂で聞いた事はありましたけど・・・」
「まあ昔の話よ」
「それにジュンさんが『ガブリエル』で
 アキラさんが『シンゴ』だったなんて・・・」
「ちょうど『ソードフィッシュ』を初めて見た時でな。
 すっかり気に入った俺はそこから『ガブリエル』を取ったんだ。
 今は『ジョン』だけど、その名残りさ。同じトラボルタからだからな」
「・・・『悪(ワル)のカリスマ・ガブリエル』
 なんて呼ばれてたらしいですね」
「いやぁ、若気の至りってヤツだよ」
「えげつなかったのよ~、ジュンは。違反とかじゃないけど
 とにかくいやらしくて、勝つ事に徹底しまくりで。
 まあその徹底ぶりがカッコイイって言われたんだけどね」
「何でマリア・ユイはこんなのと組んでるんだ?
 とも言われてたそうじゃないですか」
「・・・そんな事あったっけ?覚えてないなあ」
「おかげで私にも悪い評判が立つようになっちゃって・・・
 辛い時期があったのよ。ウルウル」
「おいおいおい!そりゃお前が強過ぎるからひがみで・・・」
「あら、覚えてるんじゃない」
「うっわ、汚ねー!」
「でもよく上位でい続けられましたね?」
「『treasure』はね、最初の頃は24時間運営じゃなかったの」
「18時から24時までだったな」
「え、6時間だけだったんですか!?」
「最初はテスト運営みたいな感じだったからね。
 だから一日のプレイ時間とか、条件はみんな同じだったのよ」
「で、アキラが俺達の分までレベル上げとかしてくれたんだよな」
「それって共有IDじゃないですか!」
「そうよ。でも『treasure』は
 最初はIPチェックシステムなんか使ってなかったから
 その辺りは、やりたい放題だったの。
 3台使って3キャラいっぺんに動かしてたらしいわよ」
「しかもアイツ、6時間丸々使って上げてらしいからな・・・。
 そりゃ強いパーティーにもなるよな」
「で、私の『YUI』を重点的に上げてくれたおかげで・・・
 おそろしく強くなれちゃってね。
 気付いたら伝説扱いされてたのよ。あはは」
「ま、その辺を差し引いてもこいつは強かったんだけどな。
 ただレベルが上がってれば強いのかって言えばそうでも無いし
 実績の部分は、間違い無くユキの実力による結果だよ」
「やー、照れるわね」
「で、2ちゃんとかで俺達のアンチが増えてるのに気付いてな。
 どうにかして潰そうとかって物騒な奴らが出て来てたんだよ」
「あれ、酷かったわよねー・・・。『マリア・ユイ』関連だけで
 スレが乱立した時もあったんだから」
「お前はまだマシな方だっただろ・・・。
 俺が一番の標的にされちまってたんだぞ・・・」
「そりゃ『悪のカリスマ』ですからねえ。
 カリスマ性がある人は、その反面アンチも多いもんよ。
 ジュンみたいにヒール(悪役)面でカリスマな人は特にね」
「まあそんな事もあって、2年経ってからは活動を自粛したんだ。
 ただせっかく作ったコネを消しちまうのは勿体無いから
 別のHNを作って他人として活動してたって訳さ」
「そんな事があったんですか・・・」
「アキラがガッティ関連の情報を集められたのもその辺りが理由よ。
 あの子は特に顔が広いからね」
「もう活動してないのに付き合いが減らないんだもんな」
「あれ?そう言えばアキラさんは?」
「別の用事が入ったらしいわよ。基本的にあの子は私達と別の班だしね」
「あ、そう言えば・・・、ちょっと聞きたい事があるんですけど」
「何だ?」
「ガッティと山口優希子ですけど・・・、どうなるんでしょうね?」
「どうなるってのはどう言う意味?別れるのかって事?」
「そうです」
「そうやって聞くって事は、何か疑問に感じてるって事じゃないのか?」
「まあ・・・、正直、別れないんじゃないかな、って・・・」
「理由は?」
「前の彼氏の件もありますし・・・、別れないかも、って思ったんです」
「私も同じ考えだよ」
「俺もだ」
「え、やっぱりそうですか?」
「まあガッティとルナさんは別れるだろうな」
「出口にルナさんを待たせておいたからね。修羅場になったのは間違い無いでしょ」
「凄い事しましたね・・・」
「で、山口優希子とはどうなるか、だけど・・・ 
 今マコトが言ったように、山口優希子は前の彼氏が酷い男でも
 一途に愛し続けていた。彼氏にフラれる迄はね」
「山口優希子は、相手から別れを切り出されない限り別れないタイプだろうからな」
「そうなれば、今回はどうなるかなんて簡単に推測出来るわよね」
「ガッティが『これからは、ゆきちゃん一人を愛し続けるよ』なんて謝って
 山口優希子は『ありがとう』と許してしまい、めでたしめでたしだ」
「十中八九、そうなるわね」
「ただ・・・、それは今回は、って話なだけで、今後を考えれば短命だろうけどな」
「え!?」
「そうね。3ヶ月もてば良い方じゃない?」
「そうか?俺は2ヶ月くらいだと思うけどな」
「どうしてですか?」
「あの二人は『我』が強過ぎるのよ」
「『我』が強い・・・?」
「二人とも自分のやりたい事をやってるだけだってのは
 さっきユキが言ってただろ?」
「はい」
「あいつらの日記を見ると分かるけど、結局自分の事しか語ってないのよね。
 ガッティにしても、山口優希子にしても
 ノロケ話を書いてはいるけど・・・、二人とも主体は自分だった」
「ガッティは愛の詩とか言って語ってるが、あくまでも自分が相手をどう思ってるか。
 相手の為にこんな事をしてあげようとか、そんな事ばっかりだったよな。
 ここまで想える、出来る俺ってカッコ良い、とか自分に酔ってたんじゃないか?」
「山口優希子の方は、とにかく好き好き言ってるだけ。
 こっちもガッティを好きである自分に酔ってただけなのかもね」
「『相手が喜ぶ事が自分の喜び』じゃない。『自分がやる事は相手が喜んでくれる』。
 推測でしかないが、あいつらは明らかにそんな感じの内容だった」
「そうなれば話は簡単よ。いつか相手の行為に喜びを感じなくなるわ」
「考え方や価値観の違いからすれ違いが出るのは明白だからな。
 やった方は『どうして喜んでくれないんだ』。
 やられた方は『どうして自分の求めてる事を分かってくれないんだ』。
 そんな風になってくる。そうなれば・・・、不信感が生まれる」
「不信感が生まれてしまえば、信頼度も下がり相手を愛しく思えなくなり
 気持ちが冷めて来る。そして『この人とは合わない』なんて思うの」
「自分のやりたい事ばっかやってる奴らはそうなるだろうな。
 相手が望む事、相手を気遣う事をおろそかにしちまいがちなんだから。
 そしてそれは当人達の『我』が強ければ強い程、生まれやすい」
「二人ともあんなに酷かったからね。短命なのは間違い無いわよ」
「そうなんですか・・・」
「ま、今回の目的はあいつらを別れさせる事じゃないし
 別にそこはどうでも良いんだけどね」
「そうだな。それならそれで別の策を考えなきゃいけないが・・・
 もう終わったんだ。後は勝手にしてどうにでもなっちまえってとこさ」
「あはは、そうだね」
「じゃ、そう言う訳で・・・、打ち上げでも行くか!」
「良いですね!」
「あ、ゴメン・・・。今日はちょっと・・・、この後に用事があるの」
「そうなんですか?」
「アキラもいないし、あの子が出れる日にやりましょうよ」
「そうだな。アイツは良い仕事をしたんだし呼ばなきゃ可哀想だよな」
「そんな訳で・・・、ごめんね」
「いえ、構わないですよ」
「ああ、気にするな」
「じゃあ今日はこれで解散って事で・・・」
「分かりました」
「じゃあ早速で悪いけど、私は帰るね」
「ハイ!お疲れ様です!」
「ちょっと待ってくれ、ユキ」
「どうしたの?」
「ちっと話があるんだ。こっちに来てくれ」
「別に良いけど?」



「何、話って?」
「まさとさんなんだろ?早く帰る理由って」
「・・・!」
「隠したって無駄だぜ。マコトもアキラも気付いてないみたいだけど
 俺にはお見通しだ」
「・・・やっぱりジュンには隠し事は出来ないね」
「今回の一件、明らかにお前はおかしかったからな。
 まさとさんを意識し過ぎて暴走気味だった。
 昔みたいに冷徹じゃなくなった・・・と考えれば
 良い事なのかも知れないけどさ」
「そうだね・・・、ちょっと熱くなり過ぎたかな」
「予想的中、か」
「・・・じゃあジュンは、私がまさとに対して
 どんな感情を持ってると考えてるの?」
「少なからず・・・、恋心を持ってるんじゃないかな、と」
「・・・・・・」
「これも当たりか?」
「ハズレ」
「え?」
「私はね、ただ身内を傷付けられて怒ってただけ。
 しかも三人とも私の大嫌いなタイプの人間だったからね。
 だからつい感情的になっちゃった。それだけの話だよ」
「その言葉が、お前の本心だとは思えないんだけどな」
「あら、そう?
 でもね、私はもう誰とも付き合わない。
 正確に言えば、誰も好きにならないって決めてるのよ。
 だからそんな感情は最初から持たないようにしてるの」
「まだアイツの事、気にしてるのか?」
「・・・・・・。
 気にしてないって言えば嘘になるわね。
 でもね、私は自分への戒めの意味でそう決めてるだけだよ」
「なるほど?そこはお前らしいな」
「だから別に・・・、まさとは関係無いの」
「だったら何で打ち上げを延ばした?」
「・・・!!」
「終わった事を、まさとさんに報告・・・までは無理だから
 せめてすぐに会いに行きたいと思った。違うのか?」
「・・・・・・」
「お前の好きな林原めぐみさんも言ってるだろ?
 『本当の気持ちに嘘をついちゃいけない』って」
「・・・まさか、ジュンからそんなネタを聞けるとは思わなかったよ」
「俺も日々、引き出しを増やしてるもんでね。で?真相やいかに?」
「・・・疲れただけよ。
 三人いっぺんにお説教したんだから精神的にくたびれてるの。
 だから、心を許せる人と話せば気持ちも癒されるでしょ」
「それなら別に延ばす必要は無いだろ?俺達じゃ心は癒されないか?」
「仕事とプライベートでは色々違うからね」
「・・・そうか。
 それじゃあまあ、そう言う事にしとくか」
「・・・うん」
「引き止めて悪かったな。お疲れさん。ゆっくり休めよ」
「・・・お疲れ様」



・・・・・・。

まさとは言っていた。「恋愛の女神がいるとしたら、自分の事が大嫌いなんだろう」って。

もし私が、まさとを好きになっちゃえば・・・。
今回以上に辛い目に遭わせてしまう可能性が高い・・・。

私は・・・、厄病神だから・・・。

もう誰も好きになっちゃいけない。誰とも付き合っちゃいけない。

あの日からそう決めたんだ。

そう決めたのに・・・。誓った筈なのに・・・。

どうして・・・、こんなに胸が苦しいんだろう・・・。

どうして・・・、まさとの事ばっかり考えちゃうんだろう・・・!!

とりあえず最後の理性だけは守れている。
ここが崩れてしまえば、もう止める事は出来ないだろうな・・・。
今まで耐え続けて来たモノが・・・、止まらなくなっちゃいそうだ・・・。

そうなる前に気持ちを切り替えて、割り切らないと・・・。



でも今日は・・・
長い戦いが終わったばっかりなんだし良いよね・・・。

これくらいは許容範囲だよね・・・。

まさとに・・・、逢いたい・・・。



「おかえり、憂樹」
「ただいま、まさと」



『~another story from yuki~』 END
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お疲れ様です
ユキの話はオシマイですかぁ。好きだったんで残念です(ノ∀`;)
二人が恋に落ちて果たして‥‥ユキの過去の話がキーなんでしょうね。人として大きくなったまさとはユキの痛みを柔らげてあげることができるかな?楽しみにしてます。
魚くん 2007/06/28(Thu)00:15:12 編集
Re:お疲れ様です
ども、コメントありがとうございます!

ユキの話は終わりなんですよスイマセン(苦笑)。
でも好きだと言って貰えて凄く嬉しいです!!
またいつか・・・、やるかも知れないので(笑)。

次のシリーズでは・・・
御察しの通り、まさとと憂樹の恋の行方について描こうと思います
(分かるって)。
引き続き、気合いを入れて頑張りますので宜しくお願いします!!!
久遠 2007/06/28(Thu)09:59:23 編集
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