忍者ブログ
様々な想いが交差する!3rdシリーズ『真実』編!!
[111]  [110]  [109]  [108]  [107]  [106]  [105]  [104]  [103]  [102]  [101
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「雅博、何か雰囲気変わったね」
「そうかい?」
「うん、何だか・・・、大人っぽくなったって言うか」
「そりゃ嬉しいね」
「何かあったの?」
「まあ、失恋すれば成長もするさ」
「・・・ごめん」
「いや、別に皮肉じゃないよ。
 本当に、亜矢子にフラれてから強くなりたいと思って
 色々と努力したのは事実なんだから。
 変わったように見えるんなら、その成果が出てるって事だと思う」
「そうなんだ?凄いね」
「先生が良いから」
「先生?」
「人生の先生、かな。師匠って言っても良いかも」
「よっぽど凄い人なんだね」
「そうだね、確かに凄いよ。半端じゃないから」
「へー・・・」

そうだ。

全ては・・・、ここから始まったんだ。

亜矢子にフラれて・・・、自分の無力さを痛感して・・・
その直後、憂樹の凄さに感動して触発されて・・・
憂樹みたいに強くなりたいと思い、ついて行く事にして・・・
そしていろんな努力を重ね、今に至る訳だ。

亜矢子にフラれたのは残念だったけど・・・
そのおかげでこうして強くなれたのも事実なんだよな・・・。

そしてそのおかげで、憂樹と今の関係になれた事も事実なんだ。

俺にとってはこれで良かったのか。
いや、亜矢子と付き合えていればそっちの方が良かったのか。

どっちなのかは分からないけど・・・
今となってはどうでも良い事だろうな。
過去の事をあれこれと考えても意味は無い。『今』が大事なんだから。



「ところでさ、亜矢子」
「何?」
「・・・何で俺に彼氏が出来た事、報告しようと思ったの?」
「え・・・」
「別に、俺に報告しなきゃいけないって訳でも無いだろ?
 何か理由があるんじゃないかと思ったんだけど」
「迷惑だった?」
「いや、そんなのじゃないさ」
「理由は・・・、無いかな」
「無いの?」
「うん。ただ何となく『言った方が良いかな』って思っただけ。
 雅博も彼女が出来てればお互いに『良かったね』なんて
 笑い合ったり出来るかも、なんて考えたってのはあるけど」
「ふーん」
「・・・やっぱり不愉快かな?
 自分の幸せをひけらかしてるみたいで」
「全然」
「え?」
「俺はさ・・・、臭い事を言うようだけど
 好きになった人には幸せになって欲しいって思うんだよね。
 それは付き合った人もそうだし、付き合えなかった人もそうだし」
「・・・フッた相手でも?」
「もちろん」
「へえ・・・」
「別にフられたからって、相手に対してどうこうと嫌ったりしないし。
 フラれたのは俺が無力で、振り向かせるだけの力が無かっただけだし。
 ・・・ってこれ、前にも言ったっけか」
「そうだね。聞いた気がする」
「まあとにかく、俺は亜矢子に対して嫌な感情なんか全く持ってないし
 亜矢子が幸せになってくれたんなら、俺だって嬉しいよ。
 そりゃ残念だって気持ちがあるのも事実だけどね」
「優しいんだね・・・」
「これは昔からだよ。知らなかっただろうけど」
「そうだね・・・、知らなかった」

・・・自己アピールも苦手だったからな、俺は。

「今の雅博に告白されてたら・・・、結果は変わってたかも知れないな」
「へえ・・・?」
「前より大人だし、惹かれてたかも」
「・・・どうだかね。やっぱり変わらないかもよ」
「どうして?」
「つまらないって部分は変わってないからだよ。
 亜矢子、俺をふる時にそう言っただろ?『つまらない人間』だって」
「それは・・・」
「大人になるって事と、つまらない人間じゃなくなるって事は別さ。
 逆に言えば、大人でもつまらない人間はごまんといるだろうし」
「あれはね・・・。断る理由を無理矢理に作ったって言うのがあるんだよ」
「無理矢理?」
「確かに合わないって言うのはあったけど・・・。
 ちょっと言い過ぎたかな、って後悔もしたんだよ」

・・・ああ。

「俺が未練とかを残さないように、わざとキツく言ったって事?」
「・・・うん」

なるほどね・・・。

「今更こう言ってもどうかと思うけど・・・
 そこまで悪く思ってた訳でもないんだよね・・・」

・・・憂樹に初めて逢った日に(正確には初めてじゃないけど)
「つまらない人間」という言葉を出されて泣き出しちゃったんだよな。

かなり辛いトラウマになってたんだけど・・・
こんな真相があったのか・・・。

「そっか・・・。ちょっと良かったかな」
「良かったって?」
「無力だったって事は変わらないけど・・・
 自分で思ってたより下って訳でも無かった・・・。
 そこが分かっただけでも嬉しいからさ」
「そう・・・。ごめんね、変に悪く言っちゃって」
「別に良いさ。亜矢子は亜矢子なりに俺を気遣って言ってくれたんだろ?
 それを責めたりしないよ」
「ありがとう・・・」



亜矢子に逢えて良かった。

全てが始まった『原点』を振り返る事で自分の進む道を再認識出来たし
今まで知らなかった事を知れてちょっと自信も戻って来た。

これでまた・・・、前に進めそうだ。



つづく



↓宜しければ押してやって下さい

     

〜another story from yuki〜vol.18「vs鈴木華穂」

「フィンさん。いえ・・・、鈴木華穂さん。
 あなたもなかなか悪い噂が多いですね」
「どう言う意味?」
「そう言う意味ですよ」
「・・・・・・」
「揉め事を何度も起こし、パーティーを解散した事は一度や二度じゃない。
 だから悪い噂も多い。そう言う話をしてるんです」
「それは・・・、しょうがないじゃない!
 みんな私の事をいじめるんだから!」
「いじめる?」
「私が傷つきやすい事を知ってるくせに、ひどい事を言って!
 それでどれだけ落ち込んだかあなたに分かるの!?」
「そうやってひどい事を言われて・・・、リスカをしてしまったと?」
「・・・知ってるの!?」
「ええ」
「そうだよ!リスカもしたよ!
 私はいわゆるメンヘルだし、みんなそれを分かってるのに・・・」
「いいえ」
「・・・!?」
「あなたは・・・、ただの卑怯者です」
「な・・・!」
「確かにあなたは傷つきやすいと言うのはあるでしょう。
 そしてリスカをしてしまう人間でもある。それは認めましょう。
 ですが、だからと言って周りを責めるのはお門違いです」
「どうしてよ!」
「あなたは『ひどい事を言って』と言いましたが
 それはあなたが悪い事や間違った事をしたからじゃないですか。
 悪い事をすれば怒られる。幼稚園児でも知ってる事ですよ」
「だからそれは!言い方ってあるじゃない!」
「確かにそうですね。が、あなたにそれは関係無い」
「え?」
「あなたは、全ての意見に対して『ひどい言い方』だと考える。
 そこが卑怯者だと言っているんです」
「そんな事・・・」
「そんな事は無い、と言いたいんですか?ではお聞きしましょう。
 あなた、ガッティさんやマッキーさんに注意を受けた事が無いでしょう?」
「・・・!何で分かるの・・・!?」
「先程の話でも出ました工藤さんに聞きましたが・・・
 あなた、彼との約束を破って怒られただけで縁を切ったそうですね?」
「だからそれは・・・」
「そこは今はどうでも良いんです。問題は・・・
 親しかった人間でさえ、一度怒られただけで縁を切れると言う事。
 つまりあなたが現在進行形で友達でいる人は
 あなたに対して怒ったりしていない人だと推測出来るんですよ」
「・・・!!」
「さっきガッティさんのmixiの設定画面を見た時に
 アクセスブロックをしている人がやけに多いと言っていましたよね?」
「・・・言ったけど」
「ガッティさん。あれはどうしてなんですか?」
「それは・・・、どうでも良いだろ!」
「ならば私が代わりに言ってあげましょう。
 彼は、少しでも気に入らない人間は
 片っ端からアクセスブロックをしているからなんですよ」
「え!?」
「しかも、彼のページを見た場合、必ず足跡を辿って来る。
 どこから飛んで来たか分からない場合、マイミクの人まで調べる。
 そうですよねガッティさん?」
「・・・・・・」
「私達がガッティさんのページを見ていた人物は『紺野香織』と言いますが
 彼は日記を見られると、その数時間後には必ず足跡を辿り
 紺野香織のページに来る。公開を『友人まで』にしてあるので
 日記が読めないと分かっている筈なのに、です」
「くっ・・・」
「それだけじゃありません。先程も言いましたが、相手のマイミクまで見ます。
 紺野香織はマイミクが『水野麻里』一人なのですが
 あなたは水野麻里のページにも必ず来ている。ですよね?」
「ああ・・・、行ったよ」
「ここで私は、ある実験をしてみました。
 水野麻里にガッティさんをアクセスブロックさせてみたんです。
 ・・・どうなったと思いますか?」
「・・・何?」
「ガッティさんも、水野麻里をアクセスブロックし返したんですよ」
「そうなの!?」
「彼が独善的だと言う事は分かっていましたので・・・
 こちらがアクセスブロックをすればガッティさんもそれをする。
 そう考えてみて試した所・・、見事にそれをやってくれました。
 ここはあくまでも推測ですが、ガッティさんがブロックしている人が多いのは
 ガッティさんを気持ち悪がってブロックした人でしょうね」
「気持ち悪がってって・・・、何でよ?」
「簡単な理屈です。ガッティさんは必ず足跡を辿る。
 そしてそのマイミクの人まで調べる。相手はそれを見てまたガッティさんを見て
 気持ち悪がり、彼をアクセスブロックするんです。
 そうすると今度はガッティさんがまた足跡を辿って見に行きますが
 アクセスブロックされているので怒り、ブロックし返す。
 そんな事を繰り返して行く内に、あれだけの数になったんでしょう」
「・・・そうなの?」
「・・・全部がそうって訳でも無いよ」
「でしょうね。あくまでも推測で言っているだけですから。
 そうなると他の人は、過去に揉めた人でしょうかね?」
「・・・!」
「近からず遠からず、って所ですか?」
「・・・もう良いだろ!放っといてくれよ!」
「ええ、そうします。鈴木華穂さん。あなたの話に戻しましょう。
 あなたが現在仲良くしているガッティさんは、こんな人なんですよ。
 さっき私が話した事も含めれば、お世辞にも良い人とは言えないでしょう」
「それは・・・、まあ・・・」
「工藤さんと比べてみてどうですか?どちらがまともですか?」
「・・・・・・」
「それでもあなたは、工藤さんとは縁を切りガッティさんとは友達でいる。
 これはどういう理由なんですか?」
「でもガッティさんの方が、付き合いは長いから・・・!」
「違いますね」
「え!?」
「あなたは・・・、自分に優しくしてくれる人しか仲良く出来ないんです」
「な・・・」
「私があなたを卑怯者だと言っているのはそこなんですよ。
 あなたは、自分がメンヘルだと自覚している。
 が、そこをどうにかしようと言うのではなく『自分は傷つきやすい』と
 被害妄想のような自覚を持ってしまっているんです。
 その為、どれだけの正論を言われたとしても
 『そこまで言わなくても』と、相手が悪いと考えてしまう。
 私は傷つきやすいのに、何てひどい事を言うんだ。
 ・・・実際、そう言いましたよね?」
「・・・・・・」
「確かにあなたを気遣って優しく接する事は正しい事だと思います。
 が、あなたはそれに甘え切っているんですよ。
 故に、優しくされる事が当たり前、当然、義務とまで考えている。
 違いますか?」
「そこまでは・・・、別に・・・」
「本当の友達と言うモノは、良い部分も悪い部分も受け止め合える。
 そんな関係を言うんじゃないんですか?
 悪い部分を『悪い』と言える相手であり、自分はそれを受け止める。
 これが無くて何が友達か、と思いますよ」
「・・・・・・」
「あなたは、傷つく事が嫌で、怖くて、ただ自分に優しくしてくれる
 そんな人とだけ付き合っているんです。
 しかも・・・、自分のいい加減さを棚に上げて」
「別にそんな事は・・・」
「してるじゃないですか。工藤さんと縁を切るきっかけになったのは
 『あなたが』約束を破って、それを怒られたから。ですよね?」
「それは・・・」
「自分の気分次第で約束を守ったり守らなかったり。
 これをいい加減と言わないなら何と言えば良いんですか?
 それに、そんな事が過去に何度もあったそうじゃないですか」
「・・・!!」
「パーティーのメンバーはもちろん、交流して知り合った人とも
 それに近い感じで揉めたそうですね?自殺するとまで言ったそうで」
「何で・・・、知ってるのよ・・・」
「同じ事を何度も言わせないで下さい。調べたんです」
「・・・・・・」
「あなたが弱い人間であり、それを克服出来ないと言うのは
 まあ仕方の無い事だと思います。別にそこをどうこう言ったりしません。
 ただ、あなたはそれだけでは無い。変に自分の弱さを自覚しているので
 すっかり思い上がってしまったんです。
 私は弱いんだから私を責めるなんて悪い奴だ、などと。
 そして周りは周りで、あなたを気遣い過ぎて逆らわないようにしているので
 ますます増長してしまった。タチが悪い事この上無いですね」
「私達にも・・・、責任があるって言いたいんですか?」
「はい」
「!!」
「正確に言えば、鈴木華穂さん、あなたに責任がありますし
 山口優希子さんやガッティさん。あなた達にもあります。
 つまりお互いに同じくらいの責任があるんですよ」
「何よそれ・・・、傷つく事を嫌がっちゃダメだっての!?」
「ええそうです。あなたのように、必要以上に嫌がる事は
 ただのワガママであり、子供が駄々をこねる事と大差ありません」
「な・・・!」
「さっきも言いましたが、悪い事をすれば正される、罰を受けるのは当然です。
 そこで傷つくと言うのは仕方無い事なんです。
 が、その時に、原因はどこにあるのか。それを考えてみた時に
 自分が悪いと分かれば、傷つく事は多少は抑えられる筈です。
 反省して、繰り返さない材料にするからです。
 あなたの場合、それを怠っている。ただ『怒られた』と言う事しか受け止めず
 自分が悪いとは思わない。ただ『私は傷つきやすいのにそんなに怒って』と
 とにかく自分を正当化、相手を悪者化させる事しか考えない。
 それは卑怯者でしかないでしょう。
 そして山口優希子さんにしても、ガッティさんにしても
 悪い事を悪い、と言えない。言わない。鈴木華穂さんに嫌われたくないからです。
 そんな本音も言えない、見て見ぬ振りをするような関係。
 これのどこが『友達』だって言うんですか?
 ただ上辺だけの友達なだけで、ちょっと本音を持ち込めば崩れる
 脆く薄っぺらい関係じゃないですか。
 あなたが工藤さんと合わなかったのは当然です。
 彼のように、本音で語り合おうとする人間とは根本的に合う訳がありません」
「・・・・・・」
「友達と言うモノがどんな関係のモノを言うのか。
 ただお互いに嫌われないように気を付け合うモノを言うのか。
 そこを考え直した方が良いんじゃないですか?」
「・・・ねえ」
「はい?」
「私・・・、この後にリスカするわよ」
「そうなんですか?」
「だって・・・、ここまで言う事無いじゃない!
 確かにあなたの言う通りだろうけど・・・。
 そんなに悪口まで言わなくても言えたんじゃないの!?」
「だから傷ついた。そう言いたいんですか?」
「そうだよ・・・!」
「ではどうぞ、御自由に」
「え!?」
「私はあなたがリスカをしようと知った事じゃありません。
 これだけ言っても、自分が傷つく事しか考えられない。
 あなたが今までどれだけ勝手放題、やりたい放題やって来たのか。
 それを考えれば、これでもまだ生ぬるいくらいです。
 そこが分からずにまだそんな事を言うような人なら
 何をしようが別に私は何とも思いませんから」
「そんな・・・」
「さて、それでは・・・、山口優希子さん」
「はい・・・」
「最後は、あなたと話しましょうか」
「分かりました・・・」



つづく
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret (チェックを入れると管理人だけが読む事ができるコメントになります。)
カレンダー
02 2024/03 04
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
フリーエリア
       


↓久遠のブログ、始めました
こちらからどうぞ

第一話から

読む方は

こちらから


登場人物紹介

最新CM
[10/01 tlgetplkvg]
[08/19 魚]
[06/28 久遠]
[06/28 魚くん]
[05/31 ブログランキング]
プロフィール
HN:
久遠
性別:
非公開
カウンター
アクセス解析
フリーエリア

Copyright © BE ALIVE! All Rights Reserved.
Material & Template by Inori  

忍者ブログ [PR]