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様々な想いが交差する!3rdシリーズ『真実』編!!
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憂樹が仕事に行った後、俺は外に出た。
今日は日曜だから学校も無いし。

そう言えば『treasure』のイベントやってるんだろうな・・・。

ああ、ダメだダメだ!
こんな事を考えてたら前になんか進めない!!

とりあえず、外をブラブラと歩いた。
家にいると考え込んじゃって気が滅入りそうだから・・・。

でも・・・。

まさかそれが、こんな事になるとは・・・。



「雅博!?」
「亜矢子・・・!」

コンビニで・・・、亜矢子に会ってしまった。

「・・・久し振り」
「ああ」

気まずい空気になった。
お互い、気付いたら目の前に相手がいたので思わず声に出してしまった。

そしてこんな近くにいて挨拶も何もしないと言うのは
逆に嫌味な感じがして話さずにはいられなかった。
それは亜矢子も同じように考えていたようで
つい話してしまった訳だ。

「・・・・・・」
「・・・・・・」

さてどうしよう・・・。

「ねえ、雅博」
「え!?」

・・・亜矢子から話して来るとは予想外だったな。

「今日、時間ある?」
「あるけど・・・?」
「これからちょっと話さない?」
「・・・!」

そんな事を言われるとは、もっと予想外だった。

「別に構わないけど」
「じゃあ、先に会計して来るから外で待ってるね」
「ああ・・・」

どう言うつもりなんだろう。
今更俺と話すだなんて・・・。



俺と亜矢子は、近くの喫茶店に入った。

「こうして二人で入るのも久し振りだよね」
「そう言えばそうだね」

今、目の前に亜矢子がいるけど
特に緊張もしないし切ない気持ちにもならない。
もう亜矢子の事に関しては気持ちの整理が出来たんだろうな。

「ところで・・・、こんな風に話す場を作ったって事は
 俺に何か用があるって事じゃないの?」
「うん、まあね」

だろうな。
ただ偶然会っただけなら、挨拶をしてそれで終われば良いだけだ。
こうして話すって事は、前から何か特別な用があって
今までそれが話せなかった。だから今、こうして機会を作ったんだ。
それくらいの推理は俺にも出来る。

「私さ・・・、彼氏出来たんだ」

・・・!!

「へえ・・・?」
「ビックリした?」
「まあね。そんな気はしてたんだけど」
「そうなの?」
「だってこないだ、亜矢子の事を見掛けたけど
 男と一緒にいたじゃん。あれがそうなんだろ?」
「うん、そうだね」

ああ、やっぱりな・・・。
違うかも知れない、とは思ったけどそうだったか。

「一応、話した方が良いかな、って思って」
「そりゃ御丁寧にどうも」
「雅博は・・・、彼女は出来た?」
「いえ、相変わらず」
「そうなんだ・・・」

しまった、とか思ったんだろうな。
気まずい顔になったのが一目で分かる。



当たって砕けろ、のつもりで亜矢子に告白して・・・
そして見事に玉砕した訳だが
その後、俺と亜矢子とでここまでハッキリ明暗が分かれるなんて・・・。

本当に俺の運命は逆風続きらしいな・・・。



つづく



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〜another story from yuki〜vol.16「真相」

「何なんだこれ!?何でログイン出来ないんだよ!」
「だから言ったじゃないですか。ログイン出来ないと言う事は
 あなた方はIDを持っていない。つまり参加資格は無いと言う事です」
「あんた・・・、それを知ってるって事は何かしただろ!!」
「まさかハッキングとか・・・」
「頭の悪い事を言わないで下さい。そんな事が出来る訳無いでしょう」
「じゃあ何なんだよ!何もしてないってのか!」
「いえ、しましたよ」
「やっぱり!」
「と言っても、私はあなた達とデュエルをしただけですが」
「え!?」
「先日デュエルをした・・・リナと言うのは私なんですよ」
「あんた、リナだったのか!」
「でも・・・、それとこれと何の関係があんの!?」
「ガッティさん。あなたは共有IDと言うモノを御存じですよね?」
「・・・!!・・・知ってるよ」
「何それ?」
「フィンさん。そしてマッキーさん。
 あなた方のIDに・・・、違う人間がログインをした事がありますよね?」
「・・・何で知ってるの!?」
「しました・・・、けど・・・」
「それを共有IDと言うんです。
 一つのIDに、複数の人間が共有してログインしてプレイする事を」
「だから、それが何なのよ!!」
「共有IDは立派な違反行為です。それがバレた為にあなた方は退会させられた。
 ただそれだけの話ですよ。簡単でしょう」
「ちょっと待てよ!確かに俺らはそれをやったけど、今までは平気だったんだぞ!
 それが何で今回に限ってバレたんだ!?」
「それも簡単な話です。あなた方が、私の罠にかかったからです」
「罠にかかった?」
「そもそも何故、共有IDがバレるのか?そこから説明しましょう。
 『treasure』運営本部はサーバーにIPをチェックするシステムを組んであります。
 これは一つのIDに対し複数のIPでログインをしていないか調べるものですが
 このシステムの目を欺く方法が一つだけあるんです。
 それこそが、あなた方が今まで発覚しなかった理由でもあるんですよ」
「どう言う事だよ・・・?」
「十二時間内に二つ以上のIPでログインしなければ良いんです」
「十二時間内に二つ?」
「IPチェックシステムは、一日に二回チェックを行います。
 最初は午前0時。次に午後12時。つまり十二時間毎ですね。
 そのチェックの際に、一つのIDに複数のIPでログインしていないか調べますが
 この時、ログインしたIPが一つだけならば
 過去にログインした時のIPと違っていてもバレないんですよ。
 PCの故障で友人の物を借りたり、ネットカフェでプレイするケースを考慮して。
 ガッティさん。あなたは、共有IDをしていたとは言え
 一日に一キャラだけしかレベル上げをしていませんでしたよね?
 それが結果的にIPチェックシステムの監視に引っ掛からない理由になっていたんです」
「そう言う事だったのか・・・」
「でも十二時間以内にネットカフェと自宅でやるかも知れないでしょ!
 そんな時はどうするのよ!」
「はい、そうですね。そう言うケースであれば
 48時間以内に運営本部に連絡をすればIDが復活します。
 サーバーは48時間はデータを保存しますので。
 まあ、そんなケースはあまり無いみたいですが」
「・・・・・・」
「残念ですが、あなた方は連絡をしても無駄ですよ。
 ネットカフェから『treasure』をプレイするには
 店側が運営本部に申請をしなければいけません。
 これで公認された店だけがプレイ出来るんです。
 『公認店』だと言っているのはその為です。
 つまり、運営本部は公認店のIPを記録していますので
 消された場合はどの店でプレイしたかを聞かれます。
 もし本当であれば同じ人間が複数のネットカフェから、という事が確認出来ますが
 嘘の場合、店の記録が無い事がバレるので復活させて貰えないんです。
 店の名前を騙っても、IPが一致しなくなりますからね」
「くそっ!!」
「さて、ここまで言えば、馬鹿でも分かります。
 ガッティさん。あなたは、私達にデュエルで負けた事により腹を立て
 再戦の時は絶対に勝ってやろうと必死にレベル上げをした。
 そうですね?」
「ああそうだよ!悪いか!」
「はい、悪いですね。その為にあなたは退会させられたんですから」
「え!?」
「あなたは、パーティー全員の底上げをする為に今まで以上に共有IDをやり
 『十二時間以内に二つ以上のIPでログイン』と言うタブーを犯してしまったんですよ。
 フィンさんとマッキーさん。この二人がログインする前に
 あなたもログインしていた。僅かな時間も利用してレベルを上げる為に。
 それが結果として十二時間以内に二つのIPでログインとなってしまった訳です」
「じゃあ・・・、私達が退会させられたのって・・・」
「そうです。ガッティさんのせいなんですよ。
 いくらレベルを上げる為とは言え、規約違反はいけませんからね」
「・・・ちょっと待てよ」
「はい?」
「あんた・・・、俺達が罠にかかったとか言ったよな?
 それじゃあこうなるように罠を仕掛けたってのか!?」
「ええ、そうです」
「一体何をしたんだ!説明しろよ!」
「ガッティさん。私と、私の仲間はある理由があってあなたを調べましたが・・・
 あなた、何度もトラブルを起こしているそうですね?」
「・・・!!!」
「ガンツ、リオン、ジャクソン、ヴァルス。
 フィンさん、マッキーさん。この四つの名前、何だか分かりますか?」
「あんた、何でそれを!?」
「分かりません・・・」
「何なのよ、それ?」
「四つとも、ガッティさんの過去のHNです。
 ですがこれは分かっているだけですので
 五つ目や六つ目が存在する可能性もあるんです。
 そうですよね、ガッティさん?」
「・・・・・・」
「否定せず、沈黙と言う事は・・・図星と言う事ですね?」
「そんな・・・」
「さて、その過去のトラブルも含めてmixiのあなたの日記も読ませて頂ましたが・・・」
「・・・ちょっと待て!俺の日記は『友人の友人まで』だぞ!
 どうやって読んだんだよ!」
「そんな事、あなたのマイミクさんとマイミクになれば簡単です。
 本当に制限したいのなら『友人まで』にするべきなんです。
 愛の詩なんて書いて、下手に読んで貰いたいと言う欲を出すからこうなるんですよ」
「くっ・・・!」
「そうやってあなたをプロファイリングしたところ
 あなたは非常に短気で短絡的。しかも独善的な性格である事が分かりましたので
 その性格を利用した策を立てたんです」
「何だよ・・・?」
「あなたの神経をわざと逆撫でする勝ち方をする事ですよ」
「わざと逆撫で?」
「私も、パーティーのメンバーも、キャラをコンプリートしています。
 ですので、別にあなた方と全く違うパーティー編成も出来たんですが
 敢えて同じ編成、ダークエルフ、白魔法使い、パラディンにしました。
 そうすれば・・・、あなたは絶対に勝ちたいと思う、と考えたからです」
「あ・・・!!!」
「それだけじゃありません。その時のあなた方は連勝中で負け知らず。
 そしてレベルも近いですし、ここまで条件が揃えば・・・
 もうプライドの問題になって来る。違いますか?」
「・・・ああ、そうだよ!!」
「ところが、いざ勝負になると負けてしまった・・・。
 それも普通に負けたのではなく、相手の反則に近い負け方で。
 賞品に出した筈の『銀狼の腕輪』を戦闘に使って来るんですからね」
「あんた・・・、あれどうやったんだよ?」
「簡単な話です。別の人に借りたんですよ」
「俺達に勝つ為だけにか?」
「いいえ」
「え!?」
「あなたの神経を逆撫でする為だけに、です」
「な・・・!」
「パーティー編成が同じ、レベルが近い、デュエル全勝中。
 そんな状況で反則に近い勝ち方をされた。
 ここまでやれば、きっとあなたは激怒して・・・
 共有IDの頻度を上げると踏んだんですよ」
「!!!」
「そしてあなたは、見事に私の思惑通りに踊ってくれました。
 今まで以上に共有IDの頻度を上げ、システムに引っ掛かってくれて
 強制退会をさせられたんです。
 そして・・・、私が再戦を五日後、としたのは
 この日に間に合わせる為です」
「何よ、間に合わせるって?」
「逆算して考えれば、この日にこうして話す為には
 木曜日がベストだと考えたんですよ。
 調べた所、あなた方三人が全員揃うのは火、木、土、日曜日ですね?
 木曜日に負ければ、金曜日、土曜日。
 あるいはデュエル終了後からレベル上げ、つまり共有IDをすると。
 そうすれば四回か五回、チェックに引っ掛かる機会が生まれる。
 それだけチャンスがあれば・・・
 日曜の段階で退会済みになっている。そう言う事です。
 思った通り、今朝、確認してみた所、退会させられていたそうです」
「それで・・・、俺らが退会させられたのを確認したから
 こうして呼び出した。そう言う事だな?」
「はい、そう言う事です。
 この策の最大のメリットは・・・、ローリスクハイリターンな事です。
 私達が咎められる事は何も無いんですからね」
「何!?」
「だってそうでしょう。最初にも言いましたが、私達はデュエルをしただけです。
 それ以降は、あなた方の問題です。共有IDをしたりその頻度を上げたり
 そんな事は私達がどうにか出来る事では無い筈です違いますか?」
「それは・・・、そうだけど」
「デュエルに負けようが、ちょっと嫌なやり方をされようが
 共有IDをやって良い理由にはなりません。
 そして私達が直接それをけしかけた訳でもありません。
 そうなるだろうと踏んではいましたが、確実性がある訳でも無いですし。
 まあそれでも成功確率は70%はあると思ってましたけどね。
 あなたの性格ならば、ほぼ間違いなくやるだろうと。
 そして仮にあなた方がやらなかった、もしくは監視に引っ掛からなくとも
 それならそれで、私達は素知らぬふりで別の策を考えれば良いんですから
 正に、ローリスクハイリターンの策だった訳です」
「その為に・・・、ここまでやったっての?」
「あんた・・・、一体何者なんだよ!?」
「私ですか?・・・私の本当のHNは『ユイ』。
 ローマ字表記でY、U、Iです」
「ユイ・・・?」
「ガッティさん。あなた程のベテランさんなら知ってるかも知れないですが」
「何が!」
「私は一時期『マリア・ユイ』と言われていた事もあるんです」
「マリア・・・、マリア・ユイ!?まさか・・・『智将』マリア・ユイ!!」
「その通りです」
「何、それ・・・?」
「『treasure』で、月間ベストプレイヤーって言うのがあるだろ?
 デュエルの成績、見つけた秘宝、クリアしたイベント、倒したモンスター。
 その総合成績が最も高いプレイヤーが選ばれるんだけど・・・
 『treasure』開始以来、第一回から第二十四回まで圧倒的な成績で連続受賞した
 『絶対王者』『生ける伝説』『無敵のカリスマ』と、あらゆる賛辞を受けたプレイヤー・・・
 それが『YUI』なんだよ」
「そんな凄い人なの!?」
「懐かしい響きですね。久し振りに耳にしました」
「あまりの凄さに、『treasure』は急遽、『YUI』に称号を与える事にしたんだ。
 運営側が決めたモノをあげるんじゃなく『YUI』本人に決めさせるって言う
 正に異例中の異例の出来事があった・・・。その時に貰ったのが・・・」
「そうです。『智将マリア』。聖母マリアから取ったんですけどね。
 それ以来、私は『マリア・ユイ』と言われるようになったんです」
「第二十四回受賞を最後に引退したって言われてたけど・・・
 まだ現役だったのか・・・」
「私が活動を続けると周りから顰蹙を買ってしまうようになったので
 目立った活動を止めたんですよ。
 ただ『YUI』と言うID自体は、まだ残っています。
 ただ活動を休止しているだけで。
 そして私は・・・、別のIDでひっそりと活動を続けていたんです」
「俺達が相手にしてたのはマリア・ユイだったのかよ・・・」
「ちなみに、先日のパーティーのメンバーに『ジョン』と言うのがいましたよね」
「・・・ああ、いたよな。それがどうしたんだよ」
「彼は『ガブリエル』ですよ」
「な・・・、『ガブリエル』!!」
「え、その人も有名な人・・・?」
「マリア・ユイのパーティーのメンバーだよ・・・。
 不動の一位は『YUI』だったけど、二位も常に不動だった。
 それが『ガブリエル』なんだ」
「よく御存じで」
「拍手なんかされたって嬉しかねえよ!
 ・・・まさか、三人目の『カレン』は・・・」
「あれは『シンゴ』じゃありませんよ。別の人です。
 まあシンゴの協力は受けましたけどね。
 銀狼の腕輪を二つ持ってたのは、シンゴから借りたおかげですから」
「一位が『YUI』、二位が『ガブリエル』、三位が『シンゴ』。
 約二年間、月間ベストプレイヤーランキングBEST3は
 常にこの順番だった。
 年間ベストプレイヤーも二連覇、年間ベストパーティーもだった・・・。
 この三人が組んだパーティーは正に無敵で誰も勝てなかったんだ・・・」
「もし今、私達が本格復帰しても・・・『YUI』は一位にはなりませんよ。
 さすがにブランクが長過ぎましたからね。
 まあ時間を貰えば昔のようになれるかも知れませんが」
「そんな凄い人達とやってただなんて・・・」
「現在、私達は探偵のような事をやっていましてね。
 あなた方が随分とやりたい放題、勝手放題をしていると言う事で
 どうにかして欲しいと依頼を受けたんです」
「・・・誰からだよ!」
「それは言えません。・・・が、心当たりならいくらでもあるでしょう。
 あなた方が過去に揉め事を起こした方々、と言えば」
「!!」
「あ・・・、それは・・・」
「それで・・・、俺らを退会させるように仕組んだって事か」
「はい、そう言う事です」
「ふざけんな!いくら頼まれたからって、そんな事して良いと思ってるのか!?」
「・・・さすがに納得行かないようですね。あなたなら当然ですが。
 では・・・、徹底的に議論でもしましょうか?」
「ああ、望む所だ!」
「ではやりましょう」


 
そう・・・。

ここでこうして勝つ事が・・・、本当の意味での『勝ち』なんだ!!



つづく
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