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様々な想いが交差する!3rdシリーズ『真実』編!!
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昨日も、憂樹といろいろ話せたおかげで大分元気が出た。

そして俺は・・・、ある事に気付いてしまった。



俺は・・・、憂樹の事が好きになってるかも知れない。



今はまだ、山口さんとの失恋を完全に吹っ切れてる訳じゃないから
ハッキリと言い切る事は出来ないけど・・・
今の俺は、明らかに今まで以上に憂樹に惹かれている。

落ち込んでいる時に優しくして貰って、心が傾いたって事なんだろうか。
さほど珍しくもない話だけど、自分もそれが当てはまったのかな。

憂樹は・・・、もう誰かと付き合わない事にしてる、と言っていた。

そしてお互いの為に、自分の事なんか好きにならない方が良い、とも言われた。

それを徹底する為、話を持ちかけてみただけで断る意思を見せた。

今までのいろんな女の子に会って来たけど、一番難しい相手なんだろうな・・・。
亜矢子よりも、山口さんよりも・・・。

仮に今、告白でもしようものなら
「私はもう誰とも付き合わないって言ったでしょ」と切り捨てられるのは目に見えている。

いや、そもそもこの想いが本物なのかどうかまだ確定してないんだけど。

優しくして貰えて、一時的にそう言う気持ちになってるだけかも知れないし・・・。



冷静になった時。冷静になれた時。

そして今の悲しみを全て吹っ切れた時。

改めて憂樹の事をどう思うのか。憂樹に対する感情はどんなモノなのか。

憂樹に対しては尊敬の感情が第一だったし、その辺りは今でも変わっていない。
ただ別の感情が生まれているようで、日に日にそれが大きくなっているような気分なんだ。

吹っ切れた時、俺が憂樹に対して抱いている感情は『尊敬』だけなのか。

それとも、恋愛感情が確立してしまうのか。

それをハッキリさせたいけど・・・、ハッキリさせるのが怖いと言うのもある。



もし、憂樹の事を好きになってしまっていたら・・・。

俺はもう戻れない。
本当に好きになってしまい、自分だけで消す事は出来ないだろう。

憂樹の口からダメだと言う返事を貰わない限りは。

でもその時は・・・、俺が全てを失う時だ。

憂樹に断られたら今までのように付き合う事は出来なくなる。

そうなれば俺は・・・、心の拠り所を完全に失ってしまう。

失恋をして落ち込んでいる時に、憂樹に頼れない。
それがどれだけ危険な事か・・・。今度こそ発狂して自殺してしまうかも知れない。
冗談やオーバーで言っているのでは無く、本気でそう思える。

まだ感情の確立もしていないのに失敗した時の事を考えるのもおかしな話だが
憂樹を好きになると言う事は、それだけのハイリスクを抱えると言う事だ。

もちろん付き合ってくれるのであれば、この上無い幸せだろうけど・・・。

ハイリスク、ハイリターン。
いや、『ハイ』と言うより『マキシマム(最大)』と言った方が良いかも。

「DEAD OR ALIVE」。死ぬか生きるか、とも言うかな・・・。

大変な事になっちゃったなあ・・・。



つづく



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〜another story from yuki〜vol.11「発見」

「ユキ。昨日、どうして山口優希子が
 まさとさんと付き合わなかったかって話になっただろ」
「ああ、なったわね」
「実はあれからまた考えてみたんだが・・・」
「何か新しい説でも浮かんだの?」
「ああ。山口優希子は、まさとさんを受け入れられなかったんじゃないかって思ってな」

・・・!

「あら。その理由は?」
「山口優希子は、男が苦手だっただろ?と言う事は、彼氏しか受け入れられなかった。
 つまり、まさとさんが何か意見を言った為に印象がマイナスになったとかじゃないかな」
「・・・実は、私も同じ事を考えたわ」
「やっぱりそうか」
「山口優希子は鈴木華穂と同じく、誰かに意見を言われたがらない。
 同性ならともかく、異性には。理由は今ジュンが言った通りでね。
 そう考えれば、付き合う気にならなかった説明にはなる」
「推測の域は出ないけどな」
「ただそうなると今度は、何故ガッティは良かったのかって話になるけど・・・」
「それは、逆に馬が合ったからって事じゃないのか?」

・・・!!

さすが・・・。

「つまり?」
「山口優希子にしても、ガッティにしても
 ダメ人間と言う意味で共通している部分がある。
 そこが馬が合った最大の理由じゃないかってな」
「さすがだね。私と同じ推理だよ」
「そりゃ嬉しいな。お前の方が山口優希子の事を知ってる筈なのに
 お前と同じ結論に辿り着けるなんて」
「山口優希子は・・・、自分と同等の人間が欲しかったのよ。
 まさとのように上を向いている人間じゃなくって
 ぬるま湯に浸かって馴れ合えるような人間が」
「確か、向上心が無いって言ってたな。その辺が理由か?」
「そう。元の彼氏に、彼女なのに彼女以下の扱いを受けていた。
 でもその状況をどうにかしようとしなかった。彼女と言う立場だけで満足してたのよ。
 そして、自分を弱い人間だと分かっていた筈なのに・・・
 まさとのように、強くなろうとは考えなかった」
「なるほどな。弱いからどうにかしようって言うのじゃなく
 ただその都度、耐えるしかないってタイプか」
「その辺の意識を変える気があれば、まさとはこれ以上無い存在だったけど
 山口優希子にはそれが無かった」
「そこにガッティが現れた。ガッティは、まさとさんとは真逆のタイプで
 馴れ合うにはこれ以上無い存在だった」
「そうね。その辺りが惹かれた理由の一つじゃないかなって思う」
「まあ、一応筋は通るな」
「証拠が無いけどね」

ダメ人間同士、同じオーラのようなモノを感じ取って惹かれ合う。
それはそんなに珍しい話って訳じゃない。
『ダメ人間』と言うくくりでなくとも、『同じタイプ』というのであれば
いろんなケースで言える事だし。

「お、ガッティが何か書いてるな」
「また愛の詩じゃないの?」

『俺は日記を友人の友人までにしていますが、それには理由があります。
 俺は万人が好むような内容を書いているとは決して思いません。
 読んだ人によっては気分を害す恐れがあるからです。
 それは趣味の事だったり、私生活の事だったり
 俺をよく知る人、趣味や考え方が同じような人であるならば
 多少の事は許容範囲内だろうし、それに対して反論があれば
 コメントやメッセージで気が済むまで語り合うのもありだと思いますが
 全く知らない人が読めば、 反感を買い
 最悪の場合、相手の気分を害する可能性があると考えている為です。
 赤の他人の主張や意見とかって、腹が立つ事が多いんですよね』

「はは、何を言ってんだコイツは」
「意見を言う以上、反感を買う恐れがある。
 でも知り合いならそれが許されるから知り合いにだけ見せる。そういう事でしょ」
「そりゃまあ、意見を述べて反感が生じるのは仕方無い。
 そこは間違って無いが・・・」
「反感を買う事を恐れてるのなら、意見自体を言うべきじゃ無いのよ。
 他人の気分を害したくないから全ての人には見せない?甘ったれた事言ってるわね」
「相手が知り合いじゃ、例え反感を買っても何か言われる事は少ないだろ。
 他人を納得させられる内容の意見を言う事こそが大事なんじゃないのか?
 仮に自分を知らない人間に見せたら反感を買った。
 でもそれは自分を知らないから仕方ない、とでも言いたいのかね?」
「自分は間違った意見を言う訳が無いって勘違いしてるんでしょ」
「さすが『愛の詩』とやらを書いてるだけあるな。見事なナルシストっぷりだ」
「そもそも『空気を読め』だの『男らしくない』だの、これのどこが意見なのかしら。
 意見と個人的感情をごっちゃにしてるようにしか見えないけど」
「してるんだろうな。だからそれで反感を買うのは、相手が悪いと思ってるんだろう」
「『意見』って言うのは、物事を客観的に見れてこそ正しく言えるものなのに
 個人的に見ただけの事を『意見』だなんて、ちゃんちゃらおかしいわね。
 そんなんじゃ反感を買うのは当たり前じゃない」
「だが周りの奴は、それについては何も言ってないんだろうな。
 ま、実際は不快感を感じてるんだろうが・・・敢えて言うまでも無いと思って」
「最高の予防線を張ってから偉そうに意見だなんて、卑怯だしいやらしいわね」
「今更こんな事を言い出すなんてこの前の日記に後ろめたさを感じたからだろ。
 何とか自分のやった事を正当化しようとしてるらしいが・・・
 言い訳すればする程、泥沼だな。自分の浅はかさを露呈してるだけだ。
 本当に間違ってないって自負があるなら、黙ってられた筈だ。
 無様なくらいに馬鹿丸出しだな」
「まあ、周りにそれを理解出来る人間がどれだけいるか怪しいけどね」
「いないだろうな。だからこそコイツは、ここまで好き放題に馬鹿を語れるんだ」

・・・・・・。

でも・・・、これじゃ・・・。

「・・・しかし困ったな」
「何が?」
「ネタだよ。日記は一通り見たが・・・
 直接どうこう出来るネタが見つからないんだ」
「そうね・・・。迂闊に何か書いてるかも、って思ってたけど
 それらしいモノは何も無い。
 この日記も馬鹿な事を書いてはいるけど、ただそれだけだし」
「と、なると・・・。やっぱり・・・」
「ええ。ハメるしか無いわよ」
「性格は単純で短絡的で、後は短気とか独善的とかか。
 まあ分かりやすいけど・・・」
「それを踏まえた上で良い策を考えないとね」

策さえ思いつけば、後はハメやすい筈だ。
でも具体的にどうするかが問題、か・・・。

「・・・ユキさん!ジュンさん!」
「どうしたの?」
「フィンが行動してます!」
「何!?」
「どう言う事!?鈴木華穂は今、仕事中じゃないの?」
「それは間違い無い。さっき俺が確認して来た」
「マコト、画面見せて」
「これなんですけど・・・」
「動いてる・・・。どうして?」
「マッキーとガッティはどうしてるんだ?」
「それが・・・、二人とも行動してません。ログインすらしてないんです」
「と言う事は・・・。・・・!共有IDか!」
「・・・おそらくそれね」
「共有IDって何ですか?」
「複数IDの逆だ。一つのIDを、複数の人間が共有して使うやり方だよ」
「このやり方だと、例えば鈴木華穂が忙しくて出来ない時でも
 別の人間がフィンにログインしてレベル上げとかを出来るのよ」
「それって良いんですか?」
「もちろんダメよ。『treasure』は複数IDは許してるけど共有IDは違反にしてるの。
 だからこれは規約違反よ」
「俺達が言えた事じゃないけどな」
「でも誰がやってるのかしら・・・?」
「山口優希子も仕事中だ。それは確認してる」
「となれば、消去法で・・・ガッティね」
「だな。こいつの性格を考えればやりそうだ。
 『仕事中にレベル上げしといてあげる』なんて言ったんだと思う」
「パーティのメンバー以外の人って言うのは無いんですか?」
「無いな。わざわざ別のパーティーのメンバーの手伝いをしてもメリットは無いだろう」
「・・・・・・」
「ユキ。もしかしたらコレが使えるんじゃないか?」
「・・・私も今それを考えてた」
「規約違反を通報して、退会させるんですね?」
「でも、それには証拠が必要なのよ」
「・・・ああ、そうか。ちょっと難しいか」
「証拠ですか?通報すれば、調べて発覚するんじゃないですか?」
「『treasure』はユーザーが何万人もいるから、一日の問い合わせや通報は物凄いだろうな。
 となると、疑いがある、程度じゃしっかりは調べないんだ。
 『鈴木華穂は仕事中なのにフィンが動いてます』なんて、信用しないさ。
 フィン=鈴木華穂だって事も、今は仕事中だって事も
 何でそれを知ってるんだ、ってなっちまう。
 逆にこっちが不審な目で見られるぞ。
 本人達にしてみれば、普通にやってた、と主張するだけで良いんだからな」
「ログインした時のIPを調べて貰うのはどうですか?
 共有IDだとIPが違って来るからやってた事が分かるんじゃないですか?」
「そんなの、パソコンが調子悪いから友人のを借りました、って言えば通るわよ」
「『treasure』のサーバーにはIPチェックをするシステムがあるから
 それに引っ掛かれば、強制退会になるんだけどな」
「・・・どうかしらね。この様子だと、上手くそれを逃れてるっぽいわ」
「チェックしてるとは言え、完璧な判別は出来ないからなぁ」
「問題は、こいつがその逃れ方を知っててやっているのか。
 それとも知らないで、やってる事が偶然にも逃れ方と同じになったのか、ね」

・・・・・・。

・・・!!!

もし、後者であるなら・・・。

この方法が使える・・・!!!

「マコト」
「ハイ!」
「今日から一週間ほど、こいつら一人一人の行動をチェックして。
 特に、鈴木華穂と山口優希子が仕事の日のログイン状況を記録して欲しいの。
 もし考えが当っていれば・・・、次はマッキーが一人で行動する筈よ」
「フィンのレベル上げをしたから、順番的に次はマッキーって事か」
「分かりました!」
「もしここが確定すれば・・・、話が一気に進展するわ」
「ほう?何か良い策を思い付いたのか?」
「まあねん。とびっきりの秘策が浮かんで来たのよ」
「へえ、そりゃ楽しみだな」
「ま、一週間後次第よ」



さあて・・・。

どうなりますか・・・。



つづく
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