忍者ブログ
様々な想いが交差する!3rdシリーズ『真実』編!!
[103]  [102]  [101]  [100]  [99]  [98]  [97]  [96]  [95]  [94]  [93
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

・・・・・・。

頭がボーッとしてる・・・。
俺、いつの間に寝ちゃったんだろう・・・。

憂樹が急に抱擁してくれて、落ち着いて・・・
だんだん眠くなったのは覚えてる。

つまり、あのまま寝ちゃったって事か・・・。

って、よく考えたら俺、凄い事されたよな・・・。
大胆な事するな憂樹も・・・。

でも本当にあったかくって、良い匂いがして、気持ち良かったな・・・。
ちょっと勿体無かったな。いつの間にか寝ちゃうだなんて。

・・・ヤバイ、思春期まっただ中の中学生か俺は。



時計を見ると、10時を過ぎていた。
寝たのって何時だっけ。相当寝たんだとは思うけど。

・・・ああ、だから頭がボーッとしてるんだ。寝過ぎが原因か。



・・・ん?机の上に書き置きがある。憂樹からだ。

『おはよ。よく眠れましたか?
 朝、話そうと思って覗いてみたらまだ寝てたんで書き置きにします。
 とりあえず今日は病院に行きましょう。恥ずかしいかも知れないけど。
 あとまた起こるかもって不安なら、紙袋を常に持っておくと良いよ。
 それなら自分で出来るし、安心して不安も解消されるから。
 遅くなるかも知れないけど、帰ったらまた話でもしようね。
 そんな訳で行って来ます。                 憂樹』

何だろう。胸がジーンとして来る。
憂樹の優しさが嬉しく思える・・・。



とりあえず言われた通りにしよう。紙袋を探して・・・
あと病院だな。保険証と。



病院に行った俺は、とりあえず精神安定剤を貰い
酷いようならこっちに行った方が良いかも、と精神科を紹介された。

・・・鈴木さんが精神科通いをしてると言ってたけど
自分もその可能性が出て来たって訳か。

でもな・・・、要は吹っ切れば良いんだよな。

とっくに分かってた事だけど、うっかり思い出しちゃったから
今回みたいな事になったんだよな・・・。

せっかく迷路から抜け出せたのに、また迷い込んだ気分だ。

・・・深く考えないようにしよう。考えたらまたリバウンドする。



俺はその日、学校を休んだ。

もう少し憂樹と話とかして、気持ちが晴れないと
またうっかり落ち込んじゃいそうな気がするからだ・・・。

何か無理矢理に理由を作ってるような気もするけど
憂樹と話したかった。その気持ちは前よりも増していた。



「ただいまー」
「おかえり・・・」

何だか・・・、憂樹の顔を見るとホッとするな・・・。

「病院、行った?」
「行ったよ。薬も貰って来た」
「今日はどうだった?大丈夫だったの?」
「うん、あんまり考えないようにしてたから」
「そうだね。下手に考えちゃうから不安とかが湧き上がって来ちゃうんだし」
「そう言えばさ・・・」
「ん?」
「昨日、ありがとう。凄く落ち着いたよ」
「ああ、あれね。どういたしまして。
 でもいつの間にか寝ちゃってたから、ちょっと驚いたよ」
「何か・・・、落ち着いたら気持ち良くなって来て
 ついウトウトして・・・」
「気持ち良かったの?」
「うん、凄く・・・って、いや!変な意味じゃなく!!」
「やあねえ、そんな事言ってないのに。エッチなんだから」
「いや・・・、その・・・」
「あはは、冗談だよ。私からやったんだし」
「はは・・・」

俺を笑わせてくれたのかな・・・。

「さて、じゃあ書き置きにも書いたけど、何かお話でもしましょうか」
「・・・憂樹、疲れてないの?」
「大丈夫だよ。私だって話せば元気になるタイプだし」
「そう?じゃあ遠慮なく・・・」



その時、俺は・・・。

自分の中で憂樹の存在が今までよりはるかに大きくなっている事に気付いた。

それはもう・・・、尊敬の気持ちだけでは無いような気がした・・・。



つづく



↓宜しければ押してやって下さい

     

〜another story from yuki〜vol.10「不明」

「ユキ、ちょっと気になってたんだが・・・」
「ん?」
「山口優希子って・・・、お前と名前が似てるよな」
「あ、それ私も思ってました」
「ああ・・・、私も気付いてたわよ。一文字違いだしね。
 まさとが話したがらなかったのもその辺りが理由でしょ」
「やっぱりそうだろうな・・・」

そりゃ、片思いしてた相手が私と似た名前の人だなんて言いたくないわよね・・・。

無いとは思うけど、私と似た名前だから意識するようになった可能性も・・・。
もし仮にそうだとしたら、ちょっと微妙な気分・・・。

「あの・・・、そう言えばちょっと分からない点がいくつかあるんですけど・・・」
「何だ?」
「鈴木華穂と山口優希子は、まさとさんをアクセスブロックしてないんでしょうか?」
「・・・どう言う意味だ?」
「ガッティがまさとさんをアクセスブロックしてるから複数IDをしないなら
 この二人も同じ事をすれば複数にしなくても良かったじゃないですか」
「ああ、その話か」
「簡単な話よ。まさとに対する意識が違うの」
「意識?」
「ガッティは、まさとさんを敵対視してる。憎んでるとまで言って良い」
「それは鈴木華穂と山口優希子に酷い事をしたと思い込んでいるから。
 ガッティの単純かつ短絡的な思考と、独善的な正義感が
 まさとを『敵』としてしか見られないようになってしまったのよ」
「つまりガッティは、まさとさんに対して攻めの姿勢に出てるんだ。
 『俺はお前みたいな悪者は許せない』。そんな歪んだ主張があるから
 自分のやり方で制裁をくれてやる、とでも思ったんだろうな。
 ある意味、そこは俺達に似てるけど・・・」
「そんな事無いわよ。私達はこんなクズとは違うでしょ」
「・・・・・・」
「・・・そうだな。悪い悪い。
 で、そう言う勝手な主張があるから・・・、まさとさんをアクセスブロックしておいて
 自分はしっかり、まさとさんのページに行っている」
「そうする事で、まさとに心理的ダメージを与えてるのよ。
 どこまでも姑息で陰湿な男よね。指摘すると開き直って逆に悪者扱いしてくるし」
「で、ここからは推測でしかないが・・・
 おそらくガッティは、相変わらずまさとさんのページに行ってるな。
 まさとさんがアクセスブロックをしてない限りは」
「どうしてですか?」
「そうする事で、今言った心理的ダメージを与え続ける事が出来るからよ」
「でも、もうまさとさんは縁を切られたんですし、山口優希子は自分の彼女に出来ましたし
 これ以上続ける必要なんて無いじゃないですか」
「ガッティは、まさとの存在自体が許せないのよ。
 まさとは『treasure』をやめたけど、mixiはまだ続けてる。
 その辺りが気に入らないんじゃないかしらね。何もかも潰してやる気なのよ」
「そこはガッティがmixiで未だにまさとさんを批難している事からも明白だ。
 ヤツの中で気が済んでいるなら、今更そんな事を言う必要も無い筈だろ」
「それに対して鈴木華穂と山口優希子は、憎んでいるって程でも無いのよ。
 鈴木華穂は嫌ってるかも知れないけど
 山口優希子は彼氏の言いなりになってるだけだろうし」
「つまり・・・、ガッティのようにアクセスブロックまでする必要は無いんだ。
 複数IDでまさとさんの目を欺ければそれで良いって考えてるんだろう」
「おそらくガッティは、二人にアクセスブロックをするように勧めたけど
 そこまでする必要も無いんじゃないかと気が進まなかった」
「だがガッティとしては、この二人がまさとさんを嫌ってると言う現実を見せてやりたい。
 それなら複数IDで欺いたらどうだと勧めた。そんなところじゃないかな」
「下手にアクセスブロックをした方が良い、と勧め過ぎると自分が怪しまれるからね。
 自分はアクセスブロックをしてない事になってるんだから」
「なるほど・・・」
「他に分からない点ってのは?」
「あ、山口優希子は、複数IDをやってるのに
 どうしてそっちを使わないで日記を書いてるんですかね?」
「それは・・・。分かるかユキ?」
「それも簡単。山口優希子は迂闊な性格だからよ」
「迂闊・・・って何でそんな事を知ってんだ?」
「前に、まさとに聞いてみた事があるのよ。山口優希子の事を。
 そうしたら前の彼氏と別れた理由は些細な理由での喧嘩だったけど
 それより前にも何度か喧嘩してたんだって」
「・・・ああ、なるほどな。本気で入れ込んでる割には
 何度も怒らせちまうような迂闊さがあるって事か」
「そーゆー事。だからガッティの指示で複数IDを作ったは良いけど
 どっちがメインだか分からなくなって、元の方で書いてるんでしょ」
「書く事と言えばノロケ話ばっかだしな。
 そんな気分の時は注意力が疎かにもなるって訳か」
「ありがとうございます!よく分かりました」
「それだけ?」
「あ、あと、実はずっと気になってた事があるんですけど・・・」
「何?」
「山口優希子は、どうしてまさとさんと付き合わなかったんですかね?」
「!!!」
「・・・!」
「え・・・。あれ・・・。私、何か変な事言いましたか?」
「マコト。それ、いつから気になってたの?」
「最初からです。ユキさんに事情を聞いた時から気になってました」
「なるほどな。考える事は同じか」
「え・・・?」
「あら。もしかしてジュンも気になってたの?」
「そりゃそうだろ。そこはまず気になる所さ」
「マコト。今、私達に聞いたって事は・・・、ずっと考えてたけど分からなかった。
 そう言う事でしょ?」
「はい。ユキさんとジュンさんなら分かるかと思いまして・・・」
「残念だが・・・それは分からない」
「え!?」
「ユキはどうだ?答えは見つかってるのか?」
「あなたと同じ理由で見つかってないわよ・・・。推測くらいは出来るけど
 それは所詮、推測止まりでしか無いんだし」
「はは、ごもっとも」
「分からないって・・・、どう言う意味ですか?」
「人間の心なんてね、理屈的に説明出来ない事がある、なんてのは珍しくないの。
 今回の事は、山口優希子本人のみぞ知る、ってところよ」
「俺達があれこれ考えてみても、本人に確認してみない限りは推測の域を出ない。
 かと言って、本人に聞いてみる訳にもいかない。だろ?」
「あ・・・、そうですね・・・」
「そもそも、山口優希子にだって分かってるかどうか怪しいもんよ。
 仮に聞けたとしても『分からないけど好きになってた』とか言いそうじゃない」
「それはありそうだな」
「とりあえず考えられる事としては・・・、まさとともめた時に山口優希子は不安になってた。
 そこにガッティが優しくしたので一気に惹かれてしまった。そんなとこね」
「俺が考えたのも同じようなモノだ。そう考えるのが一番しっくり来る」
「だから私もジュンも、気になってはいたんだけど・・・。分からず終いなのよ」
「むしろ俺達も知りたいくらいなのさ」
「そうですか・・・」

まあ、他に考えられるのは・・・
まさととは根本的に馬が合わなかった、ってところかな。

山口優希子は、鈴木華穂と性格が似てる所があるように思える。

自分を怒ったりする人間を受け入れられないと言う所だ。

彼氏であれば受け入れるんだろうけど
それは逆に言えば「彼氏しか受け入れられない」と言う事であり
彼氏じゃない人間は根本的に受け入れる事が出来ない可能性が高い。
そこは男が苦手と言う所から充分に考えられる。

まさとは、私の影響を受けたせいもあって色々と意見を言うようになっている。
他人の恋愛相談に乗っている事からもそれは明白だ。

となれば、山口優希子にとっては「意見を言われる」という印象があった筈で
それが彼氏として認める際にあたって大きなマイナスポイントになっていただろう。

まあ、まさとが他の部分で悪い印象を与えていたとは考えにくいし他の所で良い印象を与えても
プラスマイナスで結果として大した点数は稼げず、いわゆる「良い人」で終わってしまった。

そう考える事も出来る。

が・・・。

これはあくまでも『推測』でしかなく、それを確かめる術は無い。

何度も考えてみたけど、結局最後はいつもそれだ。
だからこれ以上は・・・、無意味としか言いようが無い、か・・・。

「しかしまあ、こんなナルシストで短絡的な人間を好きになるとは
 えらい物好きだな、山口優希子も」
「人を好きになる時なんてそんなもんよ。理屈じゃなく感覚で好きになっちゃうもんなの。
 問題はそれが続くかどうか。熱しやすく冷めやすい、なんて事もあるでしょ」
「なるほどね。だが俺には、その熱する理由すら理解出来ないな。
 こんな事を平気で言える人間なんざ、普段からロクなもんじゃないと思うぞ」
「猫を被るのが上手いんでしょ」
「だとしたら・・・、こいつらは長くないな」
「そうね。本性を知った時にそれを受け止められるかどうか。
 でも、山口優希子は前の彼氏がおそろしく酷い奴だったけどそれでもついて行ってたそうだし
 好きになっちゃった以上、山口優希子からってのは無いかも」
「それにしても・・・、山口優希子がガッティを好きになった理由が分かれば
 もうちょっと強いネタが手に入ると思ったんですけど・・・」
「あら。よくそこに気付いたわね」
「え?」
「そこは俺も気付いてたぜ。ユキもだろ?」
「まあねん」
「ま、今回は別れさせる事が目的じゃないから別に構わないけど・・・
 ネタが手に入らないって意味ではちょっと残念だったな」
「他のを探せば良いだけよ。これだけやりたい放題やってる連中なんだし絶対に何かある筈よ」
「とりあえず今後は・・・、観察と情報収集に集中だな」
「そう言う事。じゃあそんな訳で今日は終わりにしましょうか」
「お疲れ様でした」



まさとは病院に行ったかな?
一応、書き置きはしておいたし行ったとは思うけど。

「ただいまー」
「おかえり・・・」

良かった。ちょっと元気になってる・・・。

「病院、行った?」
「行ったよ。薬も貰って来た」
「今日はどうだった?大丈夫だったの?」
「うん、あんまり考えないようにしてたから」
「そうだね。下手に考えちゃうから不安とかが湧き上がって来ちゃうんだし」
「そう言えばさ・・・」
「ん?」
「昨日、ありがとう。凄く落ち着いたよ」
「ああ、あれね。どういたしまして。
 でもいつの間にか寝ちゃってたから、ちょっと驚いたよ」
「何か・・・、落ち着いたら気持ち良くなって来て
 ついウトウトして・・・」
「気持ち良かったの?」
「うん、凄く・・・って、いや!変な意味じゃなく!!」
「やあねえ、そんな事言ってないのに。エッチなんだから」
「いや・・・、その・・・」
「あはは、冗談だよ。私からやったんだし」
「はは・・・」

大体、まさとだって男なんだしね・・・。
そう言う気持ちにならない方が変だし。

「さて、じゃあ書き置きにも書いたけど、何かお話でもしましょうか」
「・・・憂樹、疲れてないの?」
「大丈夫だよ。私だって話せば元気になるタイプだし」
「そう?じゃあ遠慮なく・・・」



待っててね、まさと。

必ずまさとの仇を討ってあげるから・・・。



つづく
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret (チェックを入れると管理人だけが読む事ができるコメントになります。)
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
フリーエリア
       


↓久遠のブログ、始めました
こちらからどうぞ

第一話から

読む方は

こちらから


登場人物紹介

最新CM
[10/01 tlgetplkvg]
[08/19 魚]
[06/28 久遠]
[06/28 魚くん]
[05/31 ブログランキング]
プロフィール
HN:
久遠
性別:
非公開
カウンター
アクセス解析
フリーエリア

Copyright © BE ALIVE! All Rights Reserved.
Material & Template by Inori  

忍者ブログ [PR]