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様々な想いが交差する!3rdシリーズ『真実』編!!
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コンコン

「まさと?私だけど」
「ああ、はいはい」

憂樹だ。何だろう。

「どうしたの?」
「チェスやらない?」
「またですか。ホント好きだね」
「だって、まさとは未だに私に勝ってないじゃない」
「う・・・」

確かにそうだ。
ちょこちょこやってはいるんだけど、一度も勝ってない。

「やっぱりね、強い人とやるってだけで腕は上がるもんなのよ」
「そうなんですか」
「で、どうする?やる?」
「・・・良いよ。やろうか」

そうした方が、また元気が出そうだし。
負けてヘコむ事もありそうだけど・・・。

「じゃあ、部屋で待ってるね」
「え、憂樹の部屋でやるの?」
「たまにはその方が良いでしょ」
「まあ、そうかな」

やる時はいつも俺の部屋だったんだけどな。
まあ別に良いんだけど。



・・・今、気付いた。憂樹は俺を元気付けようとしてるのかも。

俺が憂樹と話した事で元気が出たってのを知ってるから
会話をする機会を作ってくれたんじゃないかな。

だからと言って、何か話そうと憂樹の方から言って来るのも不自然なので
チェスでもやろうと誘ってくれたんだろうな。
それならごく自然な話だ。

・・・本当に、憂樹の優しさには救われる。
これだけでまた少し元気が出た。

まあ、この推測が当たってるかどうかは分からないんだけどさ。



「お待たせ」
「はいはい」

既に用意済みだ。さすがと言うか・・・。

「そう言えば、まさとって練習はしてるの?」
「練習ってチェスの?」
「チェスもそうだけど。オセロとか将棋とかも」
「・・・してないよ。練習相手がいないし」

それにここ最近、それどころじゃなかったし・・・。

「ゲームでやれば良いのに。コンピューター相手でも練習になるよ」
「まあ、そうだろうけどね」
「ちょっと携帯貸して」
「携帯?何で?」
「まあ、良いから」
「・・・?」

俺は自分の部屋に戻り、携帯を持って来た。

「はい、これ」
「えーっと・・・。ほら、ここのサイトで
 オセロとかチェスのアプリがダウンロード出来るから
 これで練習すると良いよ」
「えっ、どれ?」

・・・本当だ。しかも割と安いな。300円か。

「会員登録とかは?」
「無いよ。次の電話代を払う時に300円加算されるけど
 それを払っちゃえば後は使い放題」
「良いね。じゃあダウンロードしようかな」

ちょっと衝動買いみたいだけど、まあ良いだろう。

「さて、それじゃあやりますか」
「今日こそ一勝くらいしてね」
「・・・努力します」

必死になれば一勝くらいは・・・。

「雅博ー、電話よー」

母さんだ。俺に電話?

「・・・ごめん、ちょっと出て来る」
「いってらっしゃい」

誰だろう。携帯じゃなくて家にかけてくるなんて。

「誰?」
「『あさくら』さんって言ってたわよ」

あさくら?

誰だそれ?そんな人は知り合いにいないぞ・・・?

「いたずらじゃないの?そんな人、知らないけど」
「でも、代われば分かりますって言ってたわよ」
「まあ良いや。出てみる」

いたずらとか勧誘とかだったら切れば良いだけだしな。

「もしもし?」
『あ、どうもこんばんわ、工藤さん』
「あの、どちらの『あさくら』さんですか?」
『朝倉真琴です。
 以前、憂樹さんと一緒にいた時にお会いしました・・・』(※第十九話・「次の一歩」参照)
「・・・ああ!!」

真琴さんか!そう言えば『朝倉』って苗字だったな。
憂樹は「真琴」って呼び捨てで呼んでるから忘れてた。

しかし随分久し振りだな。
そもそも俺に何の用なんだろう?

『何だか凄いお久し振りですよね』
「はは、そうですね。
 ・・・って、憂樹じゃなくて僕に用なんですか?」
『はい、工藤さんじゃないといけないんです』

何だろう。俺じゃないといけない、だなんて。

「何でしょう?出来る限りの事はしますが」
『実はこの間、大変な仕事があったんですけど
 その時に憂樹さんに凄く助けて貰ったんです』
「はいはい」

会社に泊まった時かな?
何て言うか、こんな所でも憂樹らしさを伺える。

『それも含めてお世話になりっ放しなんでお礼をしようと思ったんです。
 ですから工藤さんに、何が良いか相談に乗って欲しいんですよ』
「ああ、なるほど。そう言う事ですか」

さすが憂樹の後輩さんだ、と言うべきかな。行動力がある。

『で、何が良いですかね・・・?』
「そうですね・・・。御存知かも知れないですけど
 憂樹はディズニー物が大好きですよ」
『あ、それは知ってます』
「じゃあ、そっち系の物で良いんじゃないですか?」
『例えば、ぬいぐるみとかですか?』
「いや・・・、ぬいぐるみはお勧め出来ないですね・・・。
 部屋にぬいぐるみとか無いですから・・・」

そもそも憂樹の部屋は女の子らしい物がほとんど無いからな。

「失礼ですけど、予算はどれくらいを考えてるんですか?」
『あんまり高いのもどうかと思いますし・・・、五千円くらいです』
「うーん・・・、あ、じゃあパスポートなんかどうでしょう?」
『パスポートですか?』
「そうです。機会があれば行きたいみたいですから
 それがあれば、休みの日なんかに行けるじゃないですか。
 ま、五千円はちょっと越えちゃいますけど」
『良いですね!憂樹さん、喜びそうです!』

うん、我ながら良い答えが出せたと思う。

『あ、でも・・・』
「はい?」
『パスポートって、どっちの方が良いんですかね?
 ランドとシーと二つあるじゃないですか』
「う・・・、そうですね」
でも確か・・・、事前に買ったやつなら
どっちにでも入れるんじゃなかったかな。

「前売りなら、どっちにでも入れたと思いますよ」
『そうなんですか?すいません、詳しくないもんで・・・』
「いえ、僕も詳しい訳じゃないですから」

最近、仕入れた知識ばっかだからな・・・。

「まあ、憂樹はランドの方に行くと思いますけどね。」
『どうしてですか?』
「憂樹は、イッツ・ア・スモールワールドが一番好きらしいんですよ。
 それがあるのはランドの方だからです」
『なるほど・・・。凄いですね!』
「いやあ・・・」

真琴さんにまで褒められるとは思わなかったな。

『ありがとうございました。凄く参考になりました!』
「お役に立てれば僕も嬉しいですよ」
『あ、この事、憂樹さんには内緒にして下さい』
「はは、分かりました」
『それじゃあ失礼します』
「はーい」

憂樹って、本当に慕われてるんだな。
男性恐怖症の筈の真琴さんが俺に相談だなんて
よっぽど憂樹の為に何かしたいって思ったんだろう。

何か羨ましい。

そして・・・、改めて思ったけど凄いな。やっぱり。



俺は憂樹の部屋に戻った。

「ただ今戻りました」
「長かったね。誰だったの?」
「え?ああ、バイト先の店長だよ。
 辞めたんで色々と手続きが残っててさ」

念の為に考えておいて良かった。
ごく自然に言えたと思う。

「ふーん。大変だね。
 さて、じゃあ始めましょうか?」
「お手柔らかに・・・」

よかった。変に思われてないみたいだ。



そして俺は・・・。

この日も憂樹には勝てなかった・・・。



つづく

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~another story from yuki~vol.6「作戦」

「まさと?私だけど」
「ああ、はいはい。どうしたの?」
「チェスやらない?」
「またですか。ホント好きだね」
「だって、まさとは未だに私に勝ってないじゃない」
「う・・・」
「やっぱりね、強い人とやるってだけで腕は上がるもんなのよ」
「そうなんですか」
「で、どうする?やる?」
「・・・良いよ。やろうか」
「じゃあ、部屋で待ってるね」
「え、憂樹の部屋でやるの?」
「たまにはその方が良いでしょ」
「まあ、そうかな」

さて、とりあえずチェスの準備をして、と。

本当の目的は別にあるんだけどね・・・。

「お待たせ」
「はいはい。
 そう言えば、まさとって練習はしてるの?」
「練習ってチェスの?」
「チェスもそうだけど。オセロとか将棋とかも」
「・・・してないよ。練習相手がいないし」
「ゲームでやれば良いのに。コンピューター相手でも練習になるよ」
「まあ、そうだろうけどね」
「ちょっと携帯貸して」
「携帯?何で?」
「まあ、良いから」
「・・・?」

よし、今の所は順調だ。

「はい、これ」
「えーっと・・・。ほら、ここのサイトで
 オセロとかチェスのアプリがダウンロード出来るから
 これで練習すると良いよ」
「えっ、どれ?
 ・・・会員登録とかは?」
「無いよ。次の電話代を払う時に300円加算されるけど
 それを払っちゃえば後は使い放題」
「良いね。じゃあダウンロードしようかな」

よし、次はマコトにメールを送って・・・。

『マコト、こっちはOK。電話かけて』

・・・と。送信。

「さて、それじゃあやりますか」
「今日こそ一勝くらいしてね」
「・・・努力します」

さて・・・。

「雅博ー、電話よー」
「・・・ごめん、ちょっと出て来る」
「いってらっしゃい」

よし、これで・・・
まさとの携帯が見られる!

電話帳を見ても良いけど、やっぱり全通話履歴だな。

・・・『鈴木華穂』、『山口優希子』。

この二人との履歴が圧倒的に多い。
たまに私がある程度だ。

メールは・・・、消えてる!?

そうか、思い出すのが辛くて消したんだ。まさとらしいな。
アドレス帳に残してあるのはちょっと抜けてるけど・・・。
まあそのおかげで分かったんだし良いか。そこもある意味まさとらしい。

それにしてもメールが読めればもっと分かると思ったんだけど・・・。
仕方ないか・・・。

電話帳は・・・。ダメだ、メールアドレスと名前しか載ってない。

とりあえず・・・、この『鈴木華穂』と『山口優希子』が
バイト先の同僚と考えてまず間違い無いな。

どっちがリスカをしてる方で、どっちが告白した方かは分からないけど。

・・・フィンとマッキーとの関連性を調べたいな。
今すぐじゃなくても出来るけど・・・。

・・・・・・。

『マコト、もう少し時間稼げる?』

送信。

さてどうだろう。

ピー

『大丈夫です。出来る限り引っ張ります』

よし、じゃあ引っ張ってもらおう。

『ありがとう。もうちょっと頑張ってね』

と。

調べるのはmixiだ。もう手は考えてある。

名前を『鈴木華穂』、『山口優希子』にする。
そしてこの後に・・・。

・・・!!!

やっぱり、そうか・・・。

よし、成功だ!!!

『マコト、ありがとう。終わって大丈夫だよ』

と。

よし・・・、これだけ分かれば何とかなる!!

ピー

『それじゃあ終わりにします』

どんな話をしたのかな。あとでマコトに聞いてみよう。



「ただ今戻りました」
「長かったね。誰だったの?」

マコトだって分かってるけど・・・秘密にしてって頼まれてるよね。
さあ何て答えるの、まさと?

「え?ああ、バイト先の店長だよ。
 辞めたんで色々と手続きが残っててさ」

なるほどね。なかなか良い答えじゃない。自然だし。
あらかじめ考えておいたのかな。

「ふーん。大変だね。
 さて、じゃあ始めましょうか?」
「お手柔らかに・・・」

手加減は・・・、出来ないよ。



「なるほどな。マコトを使って、まさとさんの注意を引き付けておいて
 そのスキに携帯を見たって訳か。
 定番だけど、極めて効果的な方法でもあるな。
 で、首尾はどうだったんだ?」
「まあ、それは後で。その前にみんなの情報を聞きたいの。
 アキラはどうだった?」
『フィンもガッティも、まだ情報は入ってないです・・・。すいません』
「大丈夫よ。そこは持久戦覚悟で行かないといけないし。
 ・・・ログインの方は?」
『ガッティは17時21分にログインして経験値を稼いでましたけど
 フィンとマッキーはログインすらしなかったです』
「なるほどね・・・。ジュンは?」
「女の従業員が二人、働いてたぜ。
 あと店長だと思うけど、オッサンもいた」
「・・・ありがとう。これで全てが一つに繋がったわ」
「で?とどのつまり、お前は何を企んでたんだ?」
「まさとのバイト先の同僚二人は・・・
 やっぱりパーティーのメンバーと同一人物だったのよ。
 従業員二人が仕事中、フィンとマッキーはログインしてなかったでしょ」
「なるほど。そこを確認したかった訳ね。
 でもそれだけじゃ証拠は弱いぞ」
「もちろんこれだけじゃダメよ。
 ここで私とマコトの結果が生きて来るの。
 実は、まさとの携帯の通話履歴から、二人の女の子を見つけたの」
「名前は?」
「『鈴木華穂』と『山口優希子』よ。
 どっちがリスカをしてた方で、どっちが告白した方かはまだ分からないけど」
「で?その二人と、フィン、マッキーが繋がる理由は?」
「マコト、mixi開いて」
「ハイ!」
「あとジュンも自分のIDでちょっとやって欲しいの」
「何だ?二つ必要なのか?」
「うん、ちょっとね」
「ユキさん、出来ました!」
「俺も出来たぜ」
「じゃあ、マコトは名前を鈴木華穂、ニックネームをマッキーにして検索。
 ジュンは名前を鈴木華穂、ニックネームをフィンで検索してみて」
「検索結果・・・、0件です」
「こっちは一件だけ該当したぜ」
「今度は、マコトは名前を山口優希子、ニックネームをマッキー。
 ジュンは名前を山口優希子、ニックネームをフィンでやって」
「一件該当しました!」
「こっちは・・・、0だ。
 なるほどな。つまり、これで該当した結果の二つが今回のターゲットって訳か」
「そう言う事。二人とも『treasure』のコミュに入ってるし
 この二人はマイミク同士。疑う余地は無いわ」
「やったなユキ。決まりじゃないか」
『やっぱ凄いです、ユキさん!』
「やりましたね!」
「うん、みんなありがとう」



遂に・・・、ここまで来た・・・!

「フィン=鈴木華穂、マッキー=山口優希子。確定ね」



つづく
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