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様々な想いが交差する!3rdシリーズ『真実』編!!
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・・・一人でいるからこんなにネガティブになっちゃうんだな。

憂樹と話したい。
そうすれば少しは悲しみが紛れると言うか元気が出そうな気がする。

今までも憂樹と話したおかげで気が晴れたって言う事が何度もあったし。

でも今はそんな時間は無いよな・・・。
憂樹が仕事から帰って来てからにするか・・・。



今日も大学には行かなかった。
いや、『行けなかった』と言う表現の方が正しいと思う。

正直、気力が無かった。

全てに対してだ。

何もかもがどうでも良く思えると言うか、やる気も何も出て来ない。

ただただ、ダラダラしていたい。
そんな無気力な人間になってしまったみたいだ。

もちろん、そんな自分が良いとは全く思っていない。
むしろどうにかしないといけない、と思っているくらいだ。

でも、身体が反応してくれない。動いてくれない。気力が出て来ない。

亜矢子の時・・・、と言っても周りの奴らに無視された時もこうだったな。
俺はショックを受けると気力も何も出て来なくなるタイプみたいだ。
亜矢子の前の時はそうでもなかったんだけど。

あの時は、亜矢子が話がしたいって言って来てくれたからとりあえず元気が出て
謝ってくれたから完全に立ち直れたんだったよな。

今回は・・・、山口さんがあの調子じゃ謝りに来るとは思えないし
鈴木さんにしても、むしろこっちに謝れとか言いかねないしな・・・。



静かだな・・・。

母さんも憂樹も仕事に行っちゃったから、今この家には俺だけしかいないのか。

今、気付いたけど俺って寂しがり屋だったんだな。

一人でいるのがこんなに寂しいものだとは思わなかった。
悲しみのドン底にいるからそう感じるだけかも知れないけど、とにかく寂しくって仕方ない。

ちょっと前までは鈴木さんや山口さんと友達としての繋がりがあったけど
今はもう無い。

その『繋がり』が当たり前のモノだと思っていたから
こうして無くしてしまった時、その大切さがよく分かり悲しくなってしまうみたいだ。

憂樹との繋がりも、頭のどっかでは当たり前だと思ってるんだろうな。

もし今、憂樹との繋がりまで無くなってしまったら・・・
想像するのも恐ろしい。その時俺はまともでいられるんだろうか。
悲しみに負け、発狂してもおかしくないだろうな・・・。

・・・はは、凄い事を考えるな俺も。

病院でも行った方が良いのかな。どうもおかしくなりかけてるように思える。

まあ、その前に憂樹と話してから・・・。



・・・いつの間にか寝てたらしい。もう夕方だ。

いつもなら、そろそろ帰ってくる頃なんだけど・・・
残業でもしてるのかな。まだ帰って来ない。

ちょっとメールするか。

「悪いんだけど、家に帰る頃になったら教えてくれないかな?」

と。送信。

はぁ・・・。俺、何やってるんだろうな。
憂樹に頼りっぱなしじゃないか。情けない事この上無い。

でも・・・、今の俺にはそんな事を言う余裕も無いんだよな・・・。

俺は洗面所に行き、顔を洗った。
・・・酷い顔してるな。生気がほとんど無いって感じだ。

今度は台所に行って水を飲んだ。
・・・味が無い。いつもと違う感じだ。

ははは、遂に感覚までおかしくなり始めたのかな・・・。

部屋に戻ると、憂樹から返事が来てた。

『今終わったから、もうすぐ帰るよ』

か。

よかった。また帰れないなんて言われたらどうしようと思ったんだ。
とりあえず、憂樹の帰りを待つか。



俺は窓から外を見ていた。
しばらくすると、向こうから憂樹が歩いて来るのが見えた。

憂樹・・・。

俺は玄関に行き、憂樹が来るのを待った。

こんなに待ち遠しいのは初めてだ・・・。

「ただいまー」
「おかえり・・・」
「!?」

憂樹が驚いてる。
そうだろうな。自分でも相当元気が無いのが分かるから。

でも心の中は、憂樹が帰って来てくれて嬉しいっていうのがあって
ちょっとだけ元気が出たんだよな。
自分で単純だと分かってるけど、それはこう言う時に便利だと思う。

「どうしたのよ・・・」
「ちょっと・・・、話がしたいんだけど良いかな?」
「話?何の?」
「いや・・・、ただ何となく。会話が出来ればそれで良いから・・・」
「・・・良いよ。じゃ何か話そうか」



情けないと呆れられそうだけど・・・。

今はこうするしか出来ない・・・。



つづく



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〜another story from yuki〜vol.3「援軍」

「なるほどな・・・。こいつは厄介だな」
「せめて本名が分かれば調べやすいんですけどね・・・」
「mixiはやってみたのか?」
「やったわよ。でも数が多過ぎるの。
 しかも公開レベルが全体じゃない人も多いし・・・
 正直、確認には物凄い時間がかかると思う」
「直接会った人じゃないと承認しない人もいるだろうしな・・・」
「ユキさん。まさとさんに聞くのはダメなんですか?」
「・・・それは俺も言おうと思った。このままじゃ埒が明かないぞ」
「出来れば・・・こっちから話すって言うのは避けたいのよ。
 まさとの方から話して来たりすれば別なんだけどね。
 埒が明かないのは分かってるけど、それは本当に最後の手段にしたいの」
「なるほど。ま、そう言う事なら仕方無いか」
「ごめん、ワガママ言って」
「別に構わないさ。ただ、それならそれでどうするんだって話になるぞ」
「何か方法がある筈なんだけどね・・・」

・・・・・・。

・・・・・・。

「・・・ジュン。出来るだけ力を貸してくれるって言ったよね」
「言ったけど?」
「お願いがあるんだけど」
「何だ改まって?言ってみ」
「・・・アキラを呼んで」
「何!?」
「・・・!!」
「お前・・・アキラなんか呼んでどうする気だ!?」
「まさか『treasure』にクラッキングするつもりですか?」
「そんなんじゃないわよ。いくらアキラでもそこまでは無理でしょ。
 まあ、あの子ならやっちゃうかも知れないけど・・・
 って、そんな話じゃないわよ」
「だから、どうするつもりなんだよ」
「『フィン』『マッキー』『ガッティ』の三人の情報を集めてみるのよ。
 まさとのバイト先の同僚との関連付けはとりあえず後回し。
 ここを調べれば、いずれ辿り着くかも知れないでしょ」
「まあ、アイツは情報収集力だけなら俺達以上だしな」
「『treasure』の知り合いも多いしね」
「え!?アキラさんって『treasure』やってたんですか?」
「あ、話してなかったっけ?」
「俺達のパーティーは、お前が入る前はアキラがメンバーだったんだぜ」
「初耳ですよ!!」
「ま、そーゆーこった。最近は別の事にハマッてるらしいけど」
「と言う訳で・・・お願いね」
「うーん・・・、アイツかあ・・・」
「私・・・、アキラさんは特に苦手です・・・」
「俺もアイツだけは未だに慣れないんだよなあ・・・」
「あら、慣れればカワイイわよ」
「カワイイ、ね・・・」
「繋いでくれるだけで良いわよ。後は私が話すから」
「ま、グダグダ言っててもしょうがないか。ちょっと待ってくれ」



『もしもし?』
「はぁい、アキラ。私よ」
『うおぉ!!ユキさんじゃないっすか!!御久し振りです!!!』
「久し振り。元気してた?」
『もちろんですよ!!ユキさんと話せてますます元気です!!!』
「あはは、ホント元気そうだね」
「・・・相変わらずですね、アキラさん」
「ああ・・・。テンション高い高い。こっちが疲れるぜ」
『ところでどうしたんですか?ユキさんから連絡してくれるだなんて』
「調べて欲しい事があるの。
 これは・・・、アキラじゃないとダメなのよ」
『俺の力が必要って事ですか!』
「そう。是非ともアキラにお願いしたいの」
『任せて下さい!全力でやりますよ!!』
「・・・ホント、扱い上手いな」
「ツボを心得てますよね・・・」
『で、何でしょう?何でもどうぞ!!』
「『treasure』のIDはまだ残ってる?」
『もちろんあります!』
「じゃあ、ちょっと調べて欲しいユーザーがいるの。
 『フィン』『マッキー』『ガッティ』。この三人の事」
『えーっと・・・、ああ出ました。みんな同じパーティーなんですね』
「そうよ。出来る?」
『コネを片っ端から使えば何かしら情報は入る筈ですからいけます!』
「じゃ、お願い。ちゃんとお礼もするから」
『分かりました!任せて下さい!!』
「よろしくー」

プツ

「終わったよ」
「全く・・・、相変わらずだなアイツも」
「あの性格じゃなければ凄い人なんですけどね・・・」
「じゃあ、今日はここまでにしましょ。
 続きは、とりあえずアキラの情報が入ってからって事で」
「確かにな。今の状況じゃこれ以上続けても進展は無いだろう」
「何か・・・あんまりお手伝い出来なかったですね。すいません」
「気にしないで良いわよ。かなり難しい事なんだから。
 アキラが調べてくれた情報次第では、お願いする事も出来るだろうし」
「ハイ!その時は頑張ります!」
「じゃ、解散にしようか。明日はまた普通に仕事だな」
「お疲れさまー」
「お疲れ様でした」

・・・ん?
まさとからメールが来てる。

『悪いんだけど、家に帰る頃になったら教えてくれないかな?』

・・・?
どうしたんだろう。

「今終わったから、もうすぐ帰るよ」

と。

さて、帰るか。



「ただいまー」
「おかえり・・・」
「!?」

まさとの顔に・・・、生気が無い・・・。

「どうしたのよ・・・」

何となく想像はつくけど・・・

「ちょっと・・・、話がしたいんだけど良いかな?」
「話?何の?」
「いや・・・、ただ何となく。会話が出来ればそれで良いから・・・」
「・・・良いよ。じゃ何か話そうか」



・・・間違い無い。

今のまさとは、孤独に押し潰されそうになってる・・・。



つづく
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