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様々な想いが交差する!3rdシリーズ『真実』編!!
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気付いたら、もう外が明るくなっていた。

一睡も出来なかった。失恋をした時はいつもこうだ。
悲しさと悔しさで胸がいっぱいになって眠る事も出来なくなる。

そして昨日起こった事が、夢なんかじゃなく現実である事を思い知らされる。

俺は携帯を見てみたが不在着信も新着メールも無い。
知らない内に来ていた、なんて事すら無かった訳だ。
そんな事に希望を持ってしまう自分が情けない。

おそらく俺は・・・、未だに現実を受け止め切れて無いんだろうな。

一度にいろんな事があり過ぎた。
そしてその一つ一つがあまりにもショックな事なので、心が受け止められないんだろう。

だが、これからそれらを受け止めなければいけない。

どんなに嫌でも、拒否をしようとも。



俺はパソコンを立ち上げて『treasure』にログインした。
二人ともまだログインしてない。当たり前か。

鈴木さんにキツイ事を言われてしまった。
「パーティーも脱退して欲しい。代わりにガッティさん入れるから」と。

俺の代わりがガッティだなんて・・・。
アイツは俺から何もかも奪って行くのか・・・。

まあ、だからと言って留まる訳にもいかない。
俺は言われた通り、パーティーを脱退した。

ついでなので、『treasure』自体、辞める事にした。

レックスさんが辞めた時にも思ったけど
今更、他の人とやって行きたくなんか無い。

と言うよりも、これ以上続けていたら
やる度に思い出して悲しみが込み上げて来そうだった。

そんなに長い間でもなかったけど・・・、楽しかったな。

俺の『リュウ』も、よくここまで育ってくれたもんだ。
夏にイベントがあるらしいからそこで何かしようと思ったけど・・・
もうそんな必要も無くなった訳か。

そんな事を考えつつ、俺は『treasure』を退会した。
せっかく憂樹が勧めてくれたのにな・・・。今度謝らないと・・・。

今までありがとう。
さようなら・・・、『treasure』。



その日、俺は大学に行かなかった。
代わりにバイト先に行って、退職の手続きをする事にした。

さすがに店長に困られたが、家庭の事情でどうしても無理だと謝った。

もう、二人には会えない。顔も見れない。
『treasure』同様、続ければ悲しみが襲って来そうだからだ。



そして、そのまま家に帰らずに、ただその辺を歩き続けた。
学校に行く事も出来たけど、今炒っても頭には何も入らないだろう。

何か目的があった訳では無かった。
ただ思い付くままの事をしていたかっただけだ。

コンビニに行き、本屋に入り、ただ歩き、自販機でジュースを買って飲み・・・。

学校に行くよりこっちの方が無意味だと思うが
今の俺は、それくらいしか出来なかった。
そんな無意味をする事で、どうにか悲しみを紛らわせようとしていたのかも知れない。



もう夕方か。学校に行ってれば帰る頃だな。
そろそろ家に戻るか・・・。

ウチはマンションだが2階だからエレベーターなんか使わない。

でも今の俺には・・・、一階分の階段も苦痛だった。
エレベーターに乗っても良かったけど、ますます惨めになりそうだったのでしなかった。
それが正しかったのか間違っていたのかは分からないが。

・・・しまった、鍵を忘れた。家に入れない。

まあ、良いか。もう少しすれば憂樹や母さんが帰って来るだろう。

俺は階段の所に座った。

・・・静かだな。遠くで車の音が聞こえる程度だ。

こうしてると・・・、いろんな事を思い出しちゃうな・・・。


『これからの事なんですけど・・・、どうするんですか?』
『どうしましょうね・・・。よく分からないです』
『それなら』
『はい』
『俺と付き合ってみませんか?』
『・・・え!?』



『あ、山口さん』
『どうかしたんですか?』
『いえ何となく話がしたくなって』
『あは、良いですよ』




『やる事無いなら、風呂でも入って寝てしまえ!』
『お風呂は入ったし、眠くないだもん。えへ☆』
『えへ、とか言うな』



『私ね、誰にでもこれを話してる訳じゃないんだよ』
『どう言う意味?』
『本当に信頼出来る人じゃないと話してないんだ』
『・・・つまり、俺は信用出来ると?』
『うん』
『ありがとう・・・』
『だからね、くどっちだからこそ打ち明けたいんだ。聞いてくれる?」』
『俺なんかで良いなら』



もうあの頃には戻れない、か・・・。

失恋するのは仕方ないとしても・・・
どうしてこんな、何もかも失わないといけないんだろう・・・。

亜矢子の時と同じだ・・・。
俺はまた一人になっちまった・・・。

結局俺は・・・、何も変われてなかったって事なのか?

多少は強くなれたと思ってたけど・・・、自惚れに過ぎなかったって事なのか?

はは・・・、情けねえ。カッコ悪いなあ・・・。



「・・・さと!まさと!!」
「え・・・?」
「アンタ何やってんの!死ぬ気!?」
「・・・!!!」

いつの間にか眠ってしまった為に階段から落ちそうになっていた。
憂樹に起こされてなかったら頭から落ちていたかもしれない。背筋に寒気が走った。

でもいっそ・・・、そのまま死んでた方が良かったかも知れない。
そんな考えまでもが生まれてしまった。



「鍵忘れるなんてドジだねえ」
「いやあ・・・、ははは」

・・・・・・。

「どしたの?入んなよ」
「うん・・・」

足が重い。動きたくなかった。
疲れとかそう言う問題じゃない。全ての気力そのものが無くなっているような感じだった。

「・・・うお!」
「え!?」

何も無い所なのに足がもつれて転んでしまった。

「ちょっと、どうしたの!?」
「いや・・・」

起き上がれなかった。身体が・・・、動いてくれない・・・。

「ねえ、どうしたの?まさと、何かおかしいよ!?」
「ゆ・・・」
「!?」

涙が溢れて来た。
悲しみがどんどん込み上げて来て・・・もう止まらなかった。
まともに喋る事すら出来ない。



「何が・・・、あったのよ」
「ゆ・・・き・・・」

やっと言えた言葉は・・・。

憂樹の名前だけだった。



つづく



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