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様々な想いが交差する!3rdシリーズ『真実』編!!
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イッツ・ア・スモールワールドに乗り
色々と見て回ったしショーも見た。

でも・・・。

憂樹はどうもスッキリした顔をしていない。

笑ってはいるけど、最初のように満面の笑顔ではないんだ。
どこか影を落とした感があるって言うか・・・。
心の底から楽しんでる訳じゃない。そんな風に思う。

・・・無力だな、俺。

心底楽しませてあげられない、不安を取り除いてやれない。
自分の無力さが歯痒く思えて来る。
原因が分からない以上、じゃあ具体的に何をすれば良いのかとかが
分からないって言うのはあるけど・・・。
そんなのは言い訳だ。俺にもっと力があれば良かった筈なんだ。

とりあえず次は夜のパレードを見る為に待機してるけど・・・。

・・・・・・。

よし。

「憂樹」
「・・・ん?」
「何か・・・、あんまり楽しそうじゃないね」
「え?そんな事無いよ」
「そうかい?何かそんな風に感じるんだけど」
「どうして?」
「憂樹は前にさ、俺との付き合いが長いから
 俺の性格はそれなりに分かってるって言ったよね」
「うん、言ったよ」
「それは俺だって同じだよ。そこそこ憂樹の性格は分かってるつもりさ。
 その上で言わせて貰うけど・・・、いつもの憂樹なら
 もっと楽しそうな顔をすると思うんだよね」
「・・・・・・」
「どうかな。一応、ちゃんとした理由だと思うんだけど」
「・・・はは、凄いね。そんな事まで分かるようになったんだ」
「え?」
「まあ・・・正直に言うと、ちょっと気になってる事があるから
 それが原因で心から楽しめてはいないって言うのは事実だね」
「さっきの・・・、秋山って人のせいなの?」
「まあ・・・ね」
「それは俺には相談出来ない事なんだろ?」
「え・・・。
 ・・・そうだね。ハッキリ言ってそれは無理かな」
「やっぱり俺が無力だからかい?」
「それは・・・」
「それならそうってハッキリ言ってくれよ。
 俺も自分の身の程をわきまえて出しゃばったりしないから。
 憂樹が俺の強さを見極めて自分で答えを出す事をアレコレは言わない。
 俺は憂樹のその辺りの判断力とか洞察力とかは認めてるし。
 ただ、俺も俺で、諦めたりだとか納得をしたいんだよ。無力な人間なりに。
 その為にはハッキリと言って欲しいんだ。答えとか理由が欲しいんだよ。
 だから余計な事はしなくて良いって言いたいならそう言ってくれ」
「・・・・・・」

憂樹はしばらく黙ってしまった。
あと10分くらいでパレードが始まるけど・・・。

それまでにはとりあえず結論みたいなモノを出したい。
こんな雰囲気のままパレードを見てもちっとも楽しくないし
それは憂樹ならなおさらだろう。

「・・・あのね」
「はい」

やっと喋り出してくれた・・・。

「・・・全部は無理なんだけど、ちょっと正直に話すよ」
「分かった」

少しでも、話してくれるならありがたい。

「確かに・・・、まさとに頼れないって思ってはいるよ」
「それは力不足の意味で?」
「うん」
「そう・・・」

ハッキリ言って欲しいと望んだのは俺だけど
実際に言われると、さすがに辛いモノがあるな・・・。

「ただ」
「え」
「正確に言うと、それは理由の一つってだけで
 一番の理由って訳じゃないんだよ」
「じゃあ、別の理由があるって事?」
「まあね」
「それは・・・?」
「まさとに迷惑をかけたくないって事」
「俺に迷惑?」
「さっきの・・・、馨って言うんだけど
 アイツとのやりとり見てたでしょ?凄く嫌な雰囲気になっちゃって」
「まあね・・・」
「ハッキリ言ってアイツは私を嫌ってるし、むしろそれ以上だろうね。
 しかも変にズル賢いもんだから、私だけじゃなくて
 私の周りの人間にまでちょっかいかけて来ると思うんだ」
「つまり、俺とかに?」
「そう」

なるほど・・・、話が読めて来た。

「まあ、何でそんな関係になっちゃったかは言えないんだけど・・・
 そんな訳で、私のせいでまさとに迷惑がかかるのは嫌なんだよ」
「だから気にしてたんだ」
「うん。アイツも、私だけに何かして来るのならどうにかなるけど
 手段を選ばないって言うか、色々とやって来るからね。
 そこをちょっと悩んじゃってたんだ・・・」
「別に俺は、何かされても気にしないよ。
 俺も色々あって、それなりに慣れて来てるし」
「そう言う問題じゃないんだよ。
 私のせいで周りにまで影響が出るって言うその事実が問題なの」
「そうか・・・」
「だから、まさとに相談は出来ないし・・・ 
 解決するには自分でどうにかしなきゃいけないし、面倒だし
 とにかく大変なんだよね。そこが悩みの種になっちゃったの」
「じゃあ、まあ・・・。
 とりあえず今だけでも気にしないって事にしようよ」
「え?」
「問題を解決するのも大事だけど
 普段からピリピリし続けなきゃいけない訳でも無いだろ?
 それなら今は忘れて、後で考えれば良いじゃん。せっかく遊びに来てるんだし」
「それも・・・そうだね」
「じゃあ、そう言う事で。ほら、もうパレード始まるし」



何とか納得してくれたのかな。

完全に迷いを吹っ切るきっかけ・・・にはなれないけど
少しでも力になれれば・・・。

そしてこれから、もっともっと強くならないといけない。

今日、改めてそれを実感した。

憂樹に頼られるくらいにならないと・・・。



つづく



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