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様々な想いが交差する!3rdシリーズ『真実』編!!
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「憂樹さん、彼氏とデートですか?いい御身分ですね」
「そんなんじゃないわよ。
 相変わらず、いちいち嫌味な言い方するわね」

・・・・・・。

何だ、この険悪なムードは・・・。
どう見ても再会を喜んでる雰囲気じゃないぞ・・・。

「すると、そっちの人は誰ですか?」
「え?俺は・・・」
「そんな事、アンタに言う必要なんか無いじゃない」
「・・・・・・」
「はは、憂樹さんこそ、相変わらず厳しい言い方ですね」
「油断がならないからね、アンタは・・・」
「良いんですか?彼氏じゃないとは言え、親し気な人みたいですけど
 そんな人の前でこんな話をして?」
「・・・!!」

何だ?何の話をしてるんだ?
状況が全く飲み込めない・・・。

「馨・・・。アンタ、偶然とか言ったけど嘘でしょ?
 私を狙ってここに来たんじゃないの?」
「いえ、本当に偶然ですよ。
 運命の女神様が僕達を巡り会わせてくれたんですよ、きっと」
「それはとんだ迷惑な話ね」
「そうですか?僕は嬉しいですけどね」

嬉しい?どう言う意味だろ。
まさか憂樹の元カレとかなのか・・・?
そう言えば前にもそんな推測をしたけど・・・。

「まあ偶然なら、私に用なんか無い筈よね」
「そうですね。とりあえず今日の所は・・・」
「行こう、まさと!」
「へー・・・、まさとさんって言うんですか?」
「お、おい、憂樹?」

憂樹は俺の手を取ると、大急ぎで秋山って人から離れた。

どう考えても・・・、敵対視してる感じだった。
憂樹も、秋山って人も・・・、お互いに。

この二人に・・・、何があったんだろう・・・。



俺と憂樹はファンタジーランドから離れて
ワールドバザールの所まで戻って来た。

ウオルト・ディズニーとミッキーの像がある所に来て
とりあえずベンチに座った。

「憂樹・・・?」
「・・・・・・」

憂樹が困った顔をしている。
明らかにあの『秋山』に会った事が原因だろう。

「ちょっと待っててね」

俺は、近くにあったリフレッシュメント・コーナーで
コーラを買って来た。

「はい、これ。飲むだろ?」
「あ・・・、ありがとう・・・」

憂樹はコーラを飲むと、少し落ち着いた顔に戻った。

「ごめんね・・・」
「え」
「ちょっと・・・、嫌な奴に会っちゃったから・・・。
 せっかく遊びに来たのに変な雰囲気になっちゃったね・・・」
「ああ・・・、別に俺は気にしないよ。
 憂樹こそ大丈夫なの?何か浮かない顔してるけど」
「まあ・・・、ちょっとね。色々あるの」
「ふーん・・・」

何があったか気にはなるけど
そこは聞いちゃいけないような気がする。
気になるとは言っても、好奇心の意味では無く心配の意味だし
憂樹が自分から話せない事だと言うのは明白だし
触れないでおくのがベストだろう。

「・・・あのさ」
「何?」
「ちょっと電話して来て良い?」
「電話?良いけど?」
「ごめん、すぐ戻るね」

誰だろう。こんな時に電話だなんて。
まあその辺りにも触れない方が良いんだろうな・・・。



「・・・もしもし、ジュン?」
『あれ、どうした?お前、今日休みなのに』
「ちょっとね・・・、嫌なニュースがあるの」
『・・・その様子だと、相当マズイ事みたいだな』
「ハッキリ言って・・・、最悪だよ」
『どうした?言ってみ』
「・・・カオルに会ったわよ」
『何!?アイツ、今こっちにいるのか!?』
「分かんない。まあ偶然会ったって言ってたけど
 どうもそんな感じじゃなく私を狙ってたっぽいし
 その可能性は充分あるけど」
『お前、今どこにいるんだ?』
「ディズニーランドだよ」
『・・・そりゃあ、狙ったんだろうな。
 アイツはそこに行くような奴じゃねーだろ』
「だろうね・・・」
『で?何か言って来たのか?』
「とりあえず挨拶した程度だったよ。あからさまに敵意を向けてたけどね」
『もしかして、拠点をこっちにしたのがバレたか・・・?』
「多分、バレてるよ。私を狙ったんなら、そこは簡単に推測出来るでしょ」
『だろうな・・・。あー・・・、面倒なのが戻って来たなあ・・・』
「そこにマコトいる?」
『ああ、いるよ』
「とりあえず、マコトに注意するように言っといて。
 もちろんジュンも注意して欲しいんだけど。
 アイツの事だから、私達に何かして来ると考えて間違い無いでしょ」
『いや、それよりお前だよ』
「え?」
『アイツが何かやって来るとすれば、一番の標的は確実にお前だろ。
 俺達は自分でどうにかするから、お前も自分の身を守る事に専念しろ』
「うん、分かってるけど・・・。
 私のせいでジュンやマコトにまで迷惑がかかるのは嫌だからね・・・」
『おいおい、みくびってもらっちゃ困るぜ。
 俺もマコトもそう簡単にアイツに負けるようなタマじゃないさ』
「分かった。じゃあ信じてるよ。気を付けてね」
『お前もな』



「お待たせ、まさと」
「いやいや」

さて・・・。

「これからどうしようか?まだ帰る気は無いだろ?」
「そうだね・・・。来たばっかだし」
「じゃあ、もう一回イッツ・ア・スモールワールド乗ろうよ」
「え?でもさっき乗ったばっかじゃない」
「憂樹は何度でも乗りたいだろ?」
「うん、まあ・・・ね」
「じゃあ、気晴らしって事でさ。
 ベタだけど、嫌な雰囲気をぶっ飛ばせるだろ?」
「・・・ありがとう。じゃあそうさせて貰おうかな」
「よし、じゃあ行こう!」



憂樹に何があったのかは分からないけど・・・。

今の俺にはこれくらいしか思い付かない。

それなら出来る事をやる。それだけだ。

いつも俺は、自分の出来る事をやるしか無いんだから。



つづく



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