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様々な想いが交差する!3rdシリーズ『真実』編!!
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とりあえず俺は、憂樹と外で会う事にした。

告白すると言っても・・・家の中じゃいろんな意味で恥ずかしいから。



「あのさ憂樹。今日、仕事が終わったら一緒に行って欲しい所があるんだけど」
「一緒に?買い物に付き合って欲しいとか?」
「まあ・・・、そんな感じかな」
「別に良いよ。何時くらいにする?」
「憂樹が仕事が終わったらすぐ・・・が良いかな」
「ん。じゃあ帰りにしよっか。終わったら電話するよ」
「うん・・・」



そして俺は・・・、大学が終わると憂樹からの電話を待った。



もう、引き返せない・・・。

いや、引き返すつもりなんて最初から無いけど
やっぱりいざ本番が近づくとなると不安や心配が湧いて来てしまう。

俺の・・・、いつもの弱さだ・・・。



そして・・・。



「あ、もしもし?今、仕事終わったよ」
「うん・・・」

ますます緊張して来た。何でもないように装うのがかなり大変だった。

「じゃあ・・・、駅の入り口に来てくれないかな」
「入り口だね。オッケー。すぐ行くよ」



また更に緊張して来た。

ほんの一瞬でも、時間が進むだけで緊張が増して来る。
時間が進むと言う事は、憂樹が近付いて来ていると言う事であり



そして・・・、告白の時が近付いていると言う事でもあるからだ。



「おまたせ」
「・・・うん」

憂樹が来た。

「さて。じゃあ何処に行けば良いのかしらん?」
「・・・その前にさ」
「ん?」
「俺と憂樹が初めて会ったのは・・・、ここだったよね。
 まあ、正確には初めてじゃないけど」
「ああ・・・、そうだね・・・」

そうだ。

憂樹が総吉オジサンの所から、仙台から東京に出て来て
ウチで暮らす、となって・・・。

憂樹を迎えに行ったんだ。

そして、ここで初めて憂樹と会った・・・。
まあ初めてでは無いんだけど、俺にとっては憂樹との物語はここから始まったんだ。



「こんばんわ、憂樹ちゃん」
「こんばんわ。おばさん」

コイツが・・・。

柴原・・・、憂樹・・・。

「柴原憂樹です」
「工藤・・・、雅博です・・・」



「何で急にそんな話するの?思い出に浸りたくなっちゃったの?」
「いや・・・、それは・・・」
「ははーん、読めた。一緒に行きたい所があるって言うか
 一緒にいて今までの思い出を振り返りたいんでしょ?」
「・・・・・・」

ちょっと違う。

「まあ、そうだよね・・・。もうすぐお別れなんだし・・・」
「・・・・・・」

上手く言葉が出て来ない。

「ゆ・・・」
「ん?」
「憂樹!!!」

必死に言葉を振り絞ったせいで、ちょっと大声になってしまった。

「何よ・・・、大声出して」
「ちょっと・・・、歩かないかな」
「・・・良いよ」

憂樹は、俺が思い出に浸りたいと考えてるみたいだから
一緒に歩くと言うのも了承してくれたんだろう。
まあそんな変な事じゃないし、普通の時でも了承しただろうけど。



「ごめんね・・・、まさと」
「え?」
「私もこうするしか無いんだよ・・・。本当に申し訳無いと思ってる。
 勝手な言い分だけど・・・分かって欲しいんだ」
「・・・・・・」

そこはしょうがない事だ。もう今更どうこう言うつもりなんて無い。

だから・・・。



「ん?何か静かなとこに来ちゃったね」
「・・・・・・」
「私を襲う気じゃ無いでしょうね?」
「まさか。そんな事しても返り討ちに遭いそうじゃないか」
「んー、何か微妙な発言ね。まあ良いけど」

こっちは、夜になると人通りが一気に減る。
たまに会社帰りの人が通るくらいだ。

・・・心臓の鼓動がどんどん激しくなって来る。

それでも俺は、勇気を振り絞った。



「あのさ、憂樹」
「はい」
「憂樹の決断って言うのは・・・俺にとっては凄く残念な事なんだ」
「・・・分かってます。だからそこ」
「でも!別にそれに関してどうこう言ったりはしない。
 別に嫌いになったりとか憎んだりもしないよ」
「そうなんだ・・・。ありがとう。分かってくれて」
「だけど・・・、一つだけ譲れないモノがあるんだ。
 これは・・・、これだけは・・・、絶対に言わなきゃいけない。
 いや、いけない事に気付いたんだよ」
「・・・それが今日の本題?」
「うん・・・」
「じゃあ・・・、何なのかな。絶対に言わなきゃいけない事って?」

俺は、深呼吸をした。

一度じゃ足りなかった。二回、三回、四回・・・。
もう何回したのか分からないくらいに深呼吸をしまくった。

「落ち着いた?」
「うん」
「じゃあ・・・、どうぞ」



・・・・・・。



「俺は・・・、憂樹の事が好きなんだよ」
「・・・・・・」



憂樹は何を言われているのか分からなかったのか
数秒間、全くの無反応だったが・・・
しばらくして、ようやく状況が理解出来たらしい。



「え・・・?え?え!?」

動揺している。かなり戸惑っている。
こんな憂樹は初めて見る。



「な、何を馬鹿な事言ってるのよ・・・。そんな悪質な冗談・・・」
「冗談でこんな事、言える訳無いだろ!」
「・・・!」

俺は思わず声を荒げてしまい、その声に憂樹も驚いてしまった。

「それに・・・、俺がそんな冗談を言える人間でも無いって事も知ってるだろ」
「・・・本気なんだ」
「本気だよ。本当に、本気だよ」



どう・・・なるんだろうか・・・。



つづく



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