様々な想いが交差する!3rdシリーズ『真実』編!!
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「雅博、何か雰囲気変わったね」
「そうかい?」
「うん、何だか・・・、大人っぽくなったって言うか」
「そりゃ嬉しいね」
「何かあったの?」
「まあ、失恋すれば成長もするさ」
「・・・ごめん」
「いや、別に皮肉じゃないよ。
本当に、亜矢子にフラれてから強くなりたいと思って
色々と努力したのは事実なんだから。
変わったように見えるんなら、その成果が出てるって事だと思う」
「そうなんだ?凄いね」
「先生が良いから」
「先生?」
「人生の先生、かな。師匠って言っても良いかも」
「よっぽど凄い人なんだね」
「そうだね、確かに凄いよ。半端じゃないから」
「へー・・・」
そうだ。
全ては・・・、ここから始まったんだ。
亜矢子にフラれて・・・、自分の無力さを痛感して・・・
その直後、憂樹の凄さに感動して触発されて・・・
憂樹みたいに強くなりたいと思い、ついて行く事にして・・・
そしていろんな努力を重ね、今に至る訳だ。
亜矢子にフラれたのは残念だったけど・・・
そのおかげでこうして強くなれたのも事実なんだよな・・・。
そしてそのおかげで、憂樹と今の関係になれた事も事実なんだ。
俺にとってはこれで良かったのか。
いや、亜矢子と付き合えていればそっちの方が良かったのか。
どっちなのかは分からないけど・・・
今となってはどうでも良い事だろうな。
過去の事をあれこれと考えても意味は無い。『今』が大事なんだから。
「ところでさ、亜矢子」
「何?」
「・・・何で俺に彼氏が出来た事、報告しようと思ったの?」
「え・・・」
「別に、俺に報告しなきゃいけないって訳でも無いだろ?
何か理由があるんじゃないかと思ったんだけど」
「迷惑だった?」
「いや、そんなのじゃないさ」
「理由は・・・、無いかな」
「無いの?」
「うん。ただ何となく『言った方が良いかな』って思っただけ。
雅博も彼女が出来てればお互いに『良かったね』なんて
笑い合ったり出来るかも、なんて考えたってのはあるけど」
「ふーん」
「・・・やっぱり不愉快かな?
自分の幸せをひけらかしてるみたいで」
「全然」
「え?」
「俺はさ・・・、臭い事を言うようだけど
好きになった人には幸せになって欲しいって思うんだよね。
それは付き合った人もそうだし、付き合えなかった人もそうだし」
「・・・フッた相手でも?」
「もちろん」
「へえ・・・」
「別にフられたからって、相手に対してどうこうと嫌ったりしないし。
フラれたのは俺が無力で、振り向かせるだけの力が無かっただけだし。
・・・ってこれ、前にも言ったっけか」
「そうだね。聞いた気がする」
「まあとにかく、俺は亜矢子に対して嫌な感情なんか全く持ってないし
亜矢子が幸せになってくれたんなら、俺だって嬉しいよ。
そりゃ残念だって気持ちがあるのも事実だけどね」
「優しいんだね・・・」
「これは昔からだよ。知らなかっただろうけど」
「そうだね・・・、知らなかった」
・・・自己アピールも苦手だったからな、俺は。
「今の雅博に告白されてたら・・・、結果は変わってたかも知れないな」
「へえ・・・?」
「前より大人だし、惹かれてたかも」
「・・・どうだかね。やっぱり変わらないかもよ」
「どうして?」
「つまらないって部分は変わってないからだよ。
亜矢子、俺をふる時にそう言っただろ?『つまらない人間』だって」
「それは・・・」
「大人になるって事と、つまらない人間じゃなくなるって事は別さ。
逆に言えば、大人でもつまらない人間はごまんといるだろうし」
「あれはね・・・。断る理由を無理矢理に作ったって言うのがあるんだよ」
「無理矢理?」
「確かに合わないって言うのはあったけど・・・。
ちょっと言い過ぎたかな、って後悔もしたんだよ」
・・・ああ。
「俺が未練とかを残さないように、わざとキツく言ったって事?」
「・・・うん」
なるほどね・・・。
「今更こう言ってもどうかと思うけど・・・
そこまで悪く思ってた訳でもないんだよね・・・」
・・・憂樹に初めて逢った日に(正確には初めてじゃないけど)
「つまらない人間」という言葉を出されて泣き出しちゃったんだよな。
かなり辛いトラウマになってたんだけど・・・
こんな真相があったのか・・・。
「そっか・・・。ちょっと良かったかな」
「良かったって?」
「無力だったって事は変わらないけど・・・
自分で思ってたより下って訳でも無かった・・・。
そこが分かっただけでも嬉しいからさ」
「そう・・・。ごめんね、変に悪く言っちゃって」
「別に良いさ。亜矢子は亜矢子なりに俺を気遣って言ってくれたんだろ?
それを責めたりしないよ」
「ありがとう・・・」
亜矢子に逢えて良かった。
全てが始まった『原点』を振り返る事で自分の進む道を再認識出来たし
今まで知らなかった事を知れてちょっと自信も戻って来た。
これでまた・・・、前に進めそうだ。
つづく
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「そうかい?」
「うん、何だか・・・、大人っぽくなったって言うか」
「そりゃ嬉しいね」
「何かあったの?」
「まあ、失恋すれば成長もするさ」
「・・・ごめん」
「いや、別に皮肉じゃないよ。
本当に、亜矢子にフラれてから強くなりたいと思って
色々と努力したのは事実なんだから。
変わったように見えるんなら、その成果が出てるって事だと思う」
「そうなんだ?凄いね」
「先生が良いから」
「先生?」
「人生の先生、かな。師匠って言っても良いかも」
「よっぽど凄い人なんだね」
「そうだね、確かに凄いよ。半端じゃないから」
「へー・・・」
そうだ。
全ては・・・、ここから始まったんだ。
亜矢子にフラれて・・・、自分の無力さを痛感して・・・
その直後、憂樹の凄さに感動して触発されて・・・
憂樹みたいに強くなりたいと思い、ついて行く事にして・・・
そしていろんな努力を重ね、今に至る訳だ。
亜矢子にフラれたのは残念だったけど・・・
そのおかげでこうして強くなれたのも事実なんだよな・・・。
そしてそのおかげで、憂樹と今の関係になれた事も事実なんだ。
俺にとってはこれで良かったのか。
いや、亜矢子と付き合えていればそっちの方が良かったのか。
どっちなのかは分からないけど・・・
今となってはどうでも良い事だろうな。
過去の事をあれこれと考えても意味は無い。『今』が大事なんだから。
「ところでさ、亜矢子」
「何?」
「・・・何で俺に彼氏が出来た事、報告しようと思ったの?」
「え・・・」
「別に、俺に報告しなきゃいけないって訳でも無いだろ?
何か理由があるんじゃないかと思ったんだけど」
「迷惑だった?」
「いや、そんなのじゃないさ」
「理由は・・・、無いかな」
「無いの?」
「うん。ただ何となく『言った方が良いかな』って思っただけ。
雅博も彼女が出来てればお互いに『良かったね』なんて
笑い合ったり出来るかも、なんて考えたってのはあるけど」
「ふーん」
「・・・やっぱり不愉快かな?
自分の幸せをひけらかしてるみたいで」
「全然」
「え?」
「俺はさ・・・、臭い事を言うようだけど
好きになった人には幸せになって欲しいって思うんだよね。
それは付き合った人もそうだし、付き合えなかった人もそうだし」
「・・・フッた相手でも?」
「もちろん」
「へえ・・・」
「別にフられたからって、相手に対してどうこうと嫌ったりしないし。
フラれたのは俺が無力で、振り向かせるだけの力が無かっただけだし。
・・・ってこれ、前にも言ったっけか」
「そうだね。聞いた気がする」
「まあとにかく、俺は亜矢子に対して嫌な感情なんか全く持ってないし
亜矢子が幸せになってくれたんなら、俺だって嬉しいよ。
そりゃ残念だって気持ちがあるのも事実だけどね」
「優しいんだね・・・」
「これは昔からだよ。知らなかっただろうけど」
「そうだね・・・、知らなかった」
・・・自己アピールも苦手だったからな、俺は。
「今の雅博に告白されてたら・・・、結果は変わってたかも知れないな」
「へえ・・・?」
「前より大人だし、惹かれてたかも」
「・・・どうだかね。やっぱり変わらないかもよ」
「どうして?」
「つまらないって部分は変わってないからだよ。
亜矢子、俺をふる時にそう言っただろ?『つまらない人間』だって」
「それは・・・」
「大人になるって事と、つまらない人間じゃなくなるって事は別さ。
逆に言えば、大人でもつまらない人間はごまんといるだろうし」
「あれはね・・・。断る理由を無理矢理に作ったって言うのがあるんだよ」
「無理矢理?」
「確かに合わないって言うのはあったけど・・・。
ちょっと言い過ぎたかな、って後悔もしたんだよ」
・・・ああ。
「俺が未練とかを残さないように、わざとキツく言ったって事?」
「・・・うん」
なるほどね・・・。
「今更こう言ってもどうかと思うけど・・・
そこまで悪く思ってた訳でもないんだよね・・・」
・・・憂樹に初めて逢った日に(正確には初めてじゃないけど)
「つまらない人間」という言葉を出されて泣き出しちゃったんだよな。
かなり辛いトラウマになってたんだけど・・・
こんな真相があったのか・・・。
「そっか・・・。ちょっと良かったかな」
「良かったって?」
「無力だったって事は変わらないけど・・・
自分で思ってたより下って訳でも無かった・・・。
そこが分かっただけでも嬉しいからさ」
「そう・・・。ごめんね、変に悪く言っちゃって」
「別に良いさ。亜矢子は亜矢子なりに俺を気遣って言ってくれたんだろ?
それを責めたりしないよ」
「ありがとう・・・」
亜矢子に逢えて良かった。
全てが始まった『原点』を振り返る事で自分の進む道を再認識出来たし
今まで知らなかった事を知れてちょっと自信も戻って来た。
これでまた・・・、前に進めそうだ。
つづく
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