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様々な想いが交差する!3rdシリーズ『真実』編!!
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憂樹は完全に風邪が治った。
もう仕事に行けるようになったし、また以前と同じ生活が戻って来た・・・。



と、思ったのだが。

一難去って、また一難ってやつか。

またトラブルが襲って来た。



「工藤さん・・・」
「あれ?どうしたの藤井さん?今日は休みだったのに」

バイトの帰り、藤井さんに会った。
大事な用があるらしく休みだったのに、何故かここにいた。

「彼氏と・・・、喧嘩しちゃいました・・・」
「え!!何でまた!?」

・・・確か、山口さんの時もこんな話をされたな。
どうして俺は、他人の恋愛問題について話をされる事が多いんだ。
人の事より、自分の事をどうにかしたいのに。

まあ、相談に乗って欲しいとかなら乗るけどね。

「ちょっとここじゃアレなんで・・・、どこか別の所で・・・」
「じゃあ、どこか違うファミレスでも行こうか」

さすがに、バイト先のレストランで恋愛問題を話すのはどうかと思う。



と言う訳で、俺達はちょっと離れたファミレスに来た。

「・・・で、どうして喧嘩なんかしたの?」
「実は私・・・、お兄ちゃんがいるんです」
「へえ?」

初めて聞いた。

「そのお兄ちゃんが・・・、どうしようも無いダメな人で・・・」
「ダメな人?」
「借金とかしまくってるんです」
「へー・・・」

借金か・・・。
またとんでもない方向に向かって行きそうだな・・・。

「こないだ、遂に払え切れないって事で・・・
 何て言うのか忘れちゃいましたけど、弁護士に頼んで手続きをする事になったんです」
「破産とかその手のやつ?」
「確かそうです」
「それで?」
「でも・・・、何か弁護士さんがそれに応じてくれなかったらしいんですよ」
「え!何で!?」
「分からないですけど・・・、駄目だって言われたそうです」

俺は法律の事とか詳しくないから分からないけど・・・
そう言うのを断るってのは特別な理由があるんじゃないのか?

「で、私、心配になったんで彼氏に相談したら・・・
 お前の兄貴は借金まみれなのか、って言われて・・・」
「それで喧嘩になったの?」
「身内にそう言う人がいる女は、嫌悪感を感じるのかも知れないですね」
「めちゃくちゃだよ、そんなの・・・」
「そこも大変なんですけど・・・
 とにかく今は、お兄ちゃんの事が心配なんです。
 どうしたら良いのか、工藤さんに相談に乗って欲しいんですよ・・・」

そう言われてもなあ・・・。

俺、カードも持ってないくらいで
借金の事なんか完全に無知なんだよな。


・・・・・・。

情けないけど・・・。

「・・・分かった。とりあえずちょっと答えを待ってくれないかな」
「どうしてですか?」
「知り合いに、凄く頭の良い人がいるからさ。その人に知恵を借りてみるよ。
 もしかしたら良い方法が見つかるかも知れないよ。
 情けないけど・・・、今の俺じゃどうにも出来ないから」
「そうですか・・・」
「明日はバイト入ってるでしょ?明日には答えられると思うから」
「分かりました。御願いします」

と、言う訳で・・・。



「憂樹、ちょっと聞きたい事があるんだけど」
「はいはい?」
「借金の事なんだけど・・・」
「まさと、借金してるの?」
「いや、俺じゃなくって友達がね」
「ふーん。で、聞きたい事って?」
「自己破産とかする手続きあるだろ?あれって何て言うか分かる?」
「ああ、債務整理ね」
「さいむせいり・・・、か」
「って言っても、自己破産だけじゃないけど」
「え、どういう事?」
「債務整理には、自己破産の他に『任意整理』『個人再生』『特定調停』って言うのもあるの」
「全部違うの?」
「違います。借金の度合いとか、本人の『今後どうするか』って言う意識とか
 後は収入だったかな。そう言ったモノで、やるべき手続きが違って来るの」
「へー・・・」

よく知ってるな・・・。

「もしかして、債務整理をするって事?」
「うん、まあ・・・」
「それって、相当借りてるって事じゃない。
 御利用は計画的に、ってCMでも言ってるのに」
「あはは・・・、確かに。
 でも、ちょっと事情が複雑なんだよね」
「何が?」
「弁護士にその債務整理の手続きを御願いしたら・・・断られたんだって」
「え、何で?」
「いや、そこは教えてくれないんだけど」
「何よそれ。肝心な部分を隠してたら解決なんかする訳無いでしょ」
「で・・・、実は友達の兄貴がそれをやってるらしいんだけど
 友達がそこを心配しててさ。どうにか理由が分からないかって」
「それで私に相談したと」
「・・・はい」

相変わらず情けない・・・。

「債務整理を、全部断られたって事?」
「・・・じゃないのかな。どうにも出来ないって言ってたらしいから」
「ふーん・・・」

憂樹が真剣な顔で考え始めた。
よく考えたら、こう言う所は久し振りに見たかも知れない。

しばらく考え込んだ後、俺の方を向いた。

「証拠が無いから、確実とは言えないけど・・・
 とりあえずこれじゃないかな、って言うのを思い付いたので言います」
「御願いします」



これで・・・、藤井さんの悩みを解消してあげられるかな?



つづく



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