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様々な想いが交差する!3rdシリーズ『真実』編!!
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「んじゃ、お休み」
「はーい」

ありがとう、まさと。
凄く嬉しかったよ・・・。

でもそんなに優しくされたら
また気持ちが揺らいじゃうな・・・。

さて、寝ようかな。早く治さないと。

ジュン、驚いただろうな・・・。
私だと思って出たら、まさとだったんだから・・・。あはは。

ピー

ん?メールだ。誰からだろう。

・・・!!

カオルだ!!!

珍しいな・・・。どれぐらい振りだろう。
大体、まだ私のアドレスを持ってたのか・・・。

とりあえず読んでみようかな。

『おはようございます。カオルです。
 ちょっとお話があるんですが、今日の昼休みにでも時間取れませんか?
 そろそろ本格的な話をしようかと思ってるんですけど』

・・・本格的な話?

私達が存続を賭けて勝負するって話の事?
何をする気なんだろう・・・。

・・・よし。

『構わないわよ。それなら12時に駅前のstillって喫茶店に来なさい』

と。送信。

風邪で休んでるから本当は行かない方が良いんだろうけど・・・
アイツから何かして来た時に迎え撃った方がアイツを黙らせられるだろうから・・・。

ピー

ん、もう返事が来た。

『stillですね。分かりました。行きますよ』

・・・まさとには言わない方が良いな。
言ったら絶対に止められる。

そんなに長話にはならないと思うし、まさとも夕方まで寝てるだろうし
多分バレないだろう。

とりあえず時間まで・・・寝よう。



ピピピピピピピピピ!!

・・・11時か。
そろそろ起きて支度しなくっちゃ。

まさとはどうかな。ちょっと部屋を覗いてみよう。

・・・うん、寝てる。
9時頃寝たとしても、まだ二時間しか経ってないんだもんね。
そのまま夕方まで寝ててくれると助かるんだけど・・・。

・・・う、やっぱりまだダルいな。
ちょっと慎重に動かないとヤバいかも。



もうすぐ12時だ。私は既にstillで待機中。

そろそろカオルが来る筈だけど・・・。

・・・来た!

「こんにちわ。ユキさん」
「どうも」
「あれ、顔色悪いですね。風邪でも引いてるんですか?」
「関係無いでしょ」
「あはは、相変わらず冷たいなあ」
「そんな事より、話って何よ。本格的な話って言ってたけど。
 私だって忙しいんだから、さっさと済ませましょ」
「まあ、そう焦らないで下さい。あ、僕はアイスコーヒーで」

この、妙に落ち着きと言うか、余裕がある所が気に入らない。
こんな顔をして、平気で残酷な事が出来るんだから
人間としての感情が欠落してるんじゃないかと思うくらいだ。

・・・まあ、その原因になったのは私のせいなのかも知れないけど。

「じゃあ、本題に入りましょうか」
「そうして」
「突然ですけど・・・、ユキさんって工藤さんの事を好きになってませんか?」
「は!?何を言い出すのよ。私とまさとは、ただの・・・」
「従兄妹なんですよね」
「・・・何で知ってるのよ!?」
「工藤さんに聞いたんですよ。まあ僕が推理した事を正解だと認めただけですけど」
「あ、そう・・・。
 まあとにかく、単に従兄妹ってだけなんだから、そんな訳が無いでしょ」
「その割には親し気でしたよね。お互いに随分と信頼し合ってるみたいですし」
「悪いの?そんなので恋愛感情を持ってるとか言うのは邪推もいいとこよ」
「そうですかね?割と的を得ている自信があったんですけど。
 僕ってそう言うのを見抜くのが得意なのは知ってるでしょう?」
「・・・!!」

そうだ・・・!
カオルは心理面の洞察力が優れてて、きっと私やジュン以上なんだった・・・。

「ま、そうかも知れないけど今回はハズレよ。
 私は、あの日から誰も好きにならないって決めてる事は知ってるんでしょ」
「ええ、知ってます。でも人の心なんて変わるモノですからね。
 その気持ちが揺らぐ事は充分あり得る。
 ましてや工藤さんのように珍しいくらい純粋な人間と接していれば
 ユキさんなら、心が揺らいで好きになってるんじゃないかな、と思ったんです」
「・・・ふーん。よくそこまで邪推出来るもんだこと」

やっぱりコイツはとんでもない・・・!!
迂闊に何か言うと、全て見抜かれかねない・・・!!!

「・・・で、それが本題だっての?」
「はい?」
「アンタがそろそろ本格的な話に入りたいって言うから時間を作ったのよ。
 でもそんな邪推を聞かせる事が目的だったのなら、本格的とは言えないじゃない」
「・・・それは、ユキさんが素直になってくれないからですよ。
 自分の気持ちに素直になった上でなら僕が何を言いたいのか分かるんですけどね」
「素直になってないってどう言う意味よ?」
「気付いてないんですか?声に余裕が無くなってますよ」
「な・・・!!!」
「動揺を必死に抑えてるような声を出してる。でも口では違うと否定している。
 これは素直になってないか嘘をついているかのどっちかです。
 それじゃあ話がうまく進まない」
「・・・・・・」
「とりあえず今日の所は、これで終わりにしましょう。
 自分の気持ちに素直になったら、また聞いて下さい」
「・・・素直になった上で、好きになってないと言えたら?」
「有り得ません」
「・・・!」
「それは絶対に有り得ません。自信があります」
「大した自信ね」
「ま、百歩譲って言えたとしたら・・・
 素直に負けを認めて、もう何もしないと約束しましょう」
「そんな事を言って良いの?それじゃあどっちにしろそう言えば良いって事じゃない」
「それも有り得ません。ユキさんは、そういう卑怯な事はしない筈です」
「・・・あら、私は卑怯な手ならしょっちゅう使ってるわよ」
「少なくとも、僕に対しては使わないって事ですよ」
「え?」
「ユキさんなら分かっている筈です。
 僕に勝つとは言え、卑怯な手で勝っても意味は無い。
 真っ向から迎え撃って勝たないと意味が無い。
 そう考えている筈です。そうでしょう?」
「・・・・・・」

やりにくい・・・。
カオルには中途半端な駆け引きは通じないから
本気でやり合わないと勝てない・・・!

そしてカオルの言うように、本当の意味で勝たないと・・・。

「・・・まあ。それは言えてるわね」
「ですよね」
「じゃあ、とりあえず今回は保留って事かしら」
「ですね。また日を改めてお話に来ますよ。その時は宜しく御願いします」
「はいはい」
「それと、風邪は早く治して下さいね」
「・・・!」
「それでは、また」
「気付かれてたんだ・・・」


自分の気持ちに素直に、か・・・。

ジュンにもそんな事を言われたな・・・。

でも私は・・・。

私は・・・。



「憂樹!!!」
「え?」

家に入った途端、まさとの叫ぶような声が聞こえた。

まさとが大慌てで玄関に来た。
起きてたんだ・・・。まだ一時なのに。

「何処行ってたんだよ!!心配したんだぞ!!!」
「え、あ・・・、ごめんなさい」
「携帯にかけても出ないし!!」
「ホントごめん、大事な話してたから電源切ってたんだ」
「もう・・・、気が気じゃなくってさ・・・。
 でも良かったよ。普通に帰って来てくれて・・・」
「・・・・・・」
「まだ治ってないんだろ?早く横になった方が良いよ!」
「うん・・・、そうする」



ベッドに寝て、カオルに言われた事を思い出してみた。

自分の気持ちに素直になれば何を言いたいのか分かる、か・・・。

・・・・・・。

・・・・・・。

なるほど、ね・・・。



そう言う事、か・・・。



つづく(次回は、まさとサイドに戻ります)



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