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様々な想いが交差する!3rdシリーズ『真実』編!!
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俺は、一応眠ったけど
あんまり寝た気がしなかった。

酷く、目覚めが悪いと言うか・・・。

嫌な夢を見たような気もするけど
どんな夢だったか忘れてしまった。思い出したくないし。

「ねえ、まさと」
「え?」
「私に話があるんじゃなかったの?」
「あ、ああ・・・」

さすがに朝飯の場で話す訳にはいかない。

「じゃあ、終わった後で」
「ふーん」

・・・ちょっと自己嫌悪に陥ってるからな、俺も。
少し心の準備が必要だ。

それより、憂樹が怒ってなきゃ良いけど・・・。
寝てる所を起こしちゃったんだもんな。



そして朝飯後、俺は憂樹の部屋に行った。

「で?話って?」
「その前に・・・」
「ん?」
「怒ってない・・・?」
「・・・それよく聞くね」
「いや・・・」

憂樹が怒ると怖いのは体験済みだから
どうしてもそこは気にしちゃうんだよな。

「寝てるとこ叩き起こしちゃった訳だからさ。
 申し訳無いなって思ってたんだよ。・・・ごめん」
「まあ別に気にしてないけどね」
「そう・・・」

良かった。

「じゃあ、話を聞きましょうか」
「・・・昨日、『treasure』やってたんだよ」
「はい」
「パーティーの人が・・・、何て言うか・・・、酷くってさ」
「酷いって何が?」
「俺にばっか頼って来るんだよ」
「まあ、そうでしょうね」
「え!?」
「私、言ったでしょ。まさとは戦闘要員として誘われたんだろうって。
 まさとのパーティーじゃバトル担当は、まさととダークエルフの人だけなのに
 ダークエルフはレベル1。
 それじゃ自動的に戦えるのはまさとだけってなるじゃない」

ホント、とことん先を見ているんだなあ・・・。

「いや、まあその辺は俺でもすぐに分かったよ。初日でそんな話したし」
「じゃあ分かりきってた事じゃない」
「いや・・・、頼り方がね・・・」
「頼り方?」
「基本的に戦ってるのは俺だけなんだよ。
 で、後のみんなは援護だけしかしないんだ」
「まあ、白魔法使いやシーフじゃそれしか無いよね」
「それだけなら良いんだけど・・・、最後に仕留めるのを持ってっちゃうんだよ」
「ああ、それはズルイね」
「そうだろ!?最後に仕留めた人が経験値を多く貰えるって知らなくってさ!
 いつの間にかそう言う風に決まってたんだよ」
「・・・!!」

ん?

「あれ、どうかしたの?」
「・・・それ、どうやって決まったの?」
「え?ダークエルフの人はレベルが低いからしばらくは援護に回る、ってなって
 後の二人も戦闘キャラじゃないから援護するてなったんだけど
 いつの間にか最後に仕留めるのが定番化したって言うか・・・」
「ふーん・・・」

憂樹が考え事をしてる。

・・・何か怖いな。

「俺、変な事言ったかな」
「・・・ちょっとね」
「何?」
「自分で気付きなさい」
「・・・・・・」

それはずるい・・・。

「ダークエルフはレベルいくつになったの?」
「12だよ」
「まさとは?」
「・・・17」
「あら」
「あらじゃないよ!」
「そうよね。ダークエルフのレベルが1から12って
 普通のキャラなら20以上は上げてる事になるんだから。
 白魔法使いとシーフはどうなったの?」
「9と11だよ」
「完全に利用されてるわね、それ」
「・・・だね」
「で?そんな事があって、いろいろとフラストレーションが溜まってると」
「・・・そんなとこ」
「だったら、パーティー解散すれば良いじゃない」
「え・・・」
「何でしないの?」
「いや、まあ・・・、まだ組んだばっかだし」
「そう、そこなんだよ。まさとが忘れてるのは」
「え!?」
「ネットゲームなんかやってれば、いろんな人がいるのは当たり前なの。
 今回みたいに、ちょっと悪い部分が見えちゃう人もね」
「あ・・・」
「まだ組んだばっかなんでしょ?
 だったらこれから良い部分って言うのが見えるかも知れないじゃない。
 大体、そう言うパーティーから誘いが来た時点で
 そうなる可能性は考えとくべきなの」
「・・・憂樹はそうなるかもって思ってたの?」
「当たり前でしょ。ダークエルフが新規で、他の人もレベルが低い。
 まさとが一番レベルが高いって状況を聞いた時点で思ったよ」

・・・そう言えばあの時、憂樹は何か考えてたような。

「そこに気付けなかった、まさとにも問題はあるよ。
 初心者だって言うのもあるとは言え、ね」
「そうだよな・・・」
「まあ、それだけで見切りをつけるってのもあんまりでしょ。
 長く続けて行けば、良い所も見えてくるよ」
「そんなもんかな」
「多分ね」

多分か。

まあそう答えるしか無いよな。

「もう少し、広い心を持ちましょう。器の狭い男はモテないよ」
「う!!」

モテないと来たか。また厳しい事を言ってくれる・・・。

「分かった。憂樹と話せて大分スッキリしたし」
「それは良かったね」
「ありがとう」
「いえいえ」



広い心、か・・・。

狭いつもりは無かったけど、これが俺の本性なのかな。

強く、優しく、大きくなりたいなあ・・・。



つづく



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