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様々な想いが交差する!3rdシリーズ『真実』編!!
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私は、しばらく走り続けた後ようやく止まった。

と言うより、もう走れなくなったから止まった訳だ。
止まれた、と言っても良かった。



・・・息が苦しい。
休む事を全く考えず、とにかく走り続けてしまい
体力が限界に来ていた。

私はその場に座り込んでしまった。
立っている力さえ無い。



ゼー、ゼー・・・。



無我夢中で走っていた。
悲しみが襲って来るのが恐くて走らずにはいられなかった・・・。

今は激しい疲れで、とりあえず何も感じないけど・・・。



ピーピーピーピー



・・・!



「もしもし・・・」
『ユキさん。今、どこにいるんですか?』
「海浜公園には・・・、いないわよ・・・」
『それは知ってます。走って行くのが見えましたからね』
「・・・!
 じゃあやっぱり・・・アンタは、あのまさとを見せる為に・・・
 私を呼んだの・・・?そうでしょ・・・?」
『大丈夫ですか?随分と息が荒いですよ』
「いいから・・・質問に答えなさい・・・!」
『ええ、そうです。
 実は僕、工藤さんを尾行してましてね。
 それは、ユキさんも分かってたんじゃないですか?』
「そんな気は・・・してたわよ。
 そうでなきゃ・・・、けしかけるなんて出来ないでしょ・・・」
『ですが僕は、尾行をまだ続けてたんですよ。
 そうしたら工藤さんが女の子を連れて海浜公園に行くじゃないですか。
 これはチャンスだと思ったんです』
「チャンス・・・?」
『ユキさんが、工藤さんを好きだと言いますが
 当の工藤さんは、ユキさんの事より別の女の子と良い関係になっている・・・。
 それを教える事です』
「・・・ホント、性格悪いわねアンタ。
 遠回しに言ってるけど・・・、要は私にショックを感じさせたかったんでしょ・・・?」
『まあ、そうですね。
 ただ、工藤さんが女の子と
 あそこまで良い関係になっているとは、さすがに予想外でしたが。
 いえ、予想以上と言うべきですかね』
「・・・・・・。
 ・・・いつだったかアンタは、女神に味方されてる、なんて言ったわよね」
『言いましたね』
「今、ハッキリと分かったわ。
 それは当たってる。
 そして私は、逆に女神にとことん嫌われてるって事が」
『そうなんですか?それは気の毒ですね。
 まあ、ある意味それは自業自得なんじゃないですか?』
「・・・!!
 そう、かもね・・・」
『さて、申し訳無いんですが今日の用件はこれだけなんです。
 わざわざ呼び出してすいませんね』
「・・・別に」
『では、後日また改めて連絡します』
「・・・早くしてよ」
『はい。出来るだけ早くしますよ。
 早くしたいのはこっちもですから。
 それじゃあ』



・・・・・・。



私は・・・
そのまま家に帰った。



不思議にも、さっきまでの悲しみは感じなくなっていた。



ただ・・・。



その代わり、何とも言えない虚無感が生まれていた。

何か・・・、心の中の大事なモノが抜け落ちたような・・・。



そんな気分だった。



つづく



※次回より、本編(まさとサイドストーリー)に戻ります。
藤井蛍子に告白され、それを憂樹に見られてしまったまさと・・・!!
まさとの取るべき行動は!?




     

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