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様々な想いが交差する!3rdシリーズ『真実』編!!
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さて・・・、今日もバイトか。

とりあえず秋山の事は気にしない事にした。
いちいち気にしてたら色々と狂うし、何より不愉快だ。

秋山に呪縛をかけられてるみたいで・・・。

って、ちょっとオーバーか。



「おはようございまーす!」
「あ、工藤さん。おはようございます」
「ども」

藤井さんがもう来てる。早いな。

「あ、そうだ。ちょっと聞いたんですけど・・・」
「はい?」
「工藤さんって、東秀大学だそうですね?」
「ええ、一応」
「頭良いんですね!」
「いやあ・・・、運が良かっただけですよ。
 入ったは良いですけど授業について行くのに大変ですから」
「私、大学は東秀に行きたいんですよ!」
「ほほう、何でです?」
「近いから!」
「ああ・・・、まあ近いですよね」

昨日聞いたんだけど、藤井さんの家はこの近くらしい。
それなら東秀にも近い筈だよな。

「あ、何か『そんな理由かよ!』って思ってません?」
「イイエ、ソンナコトナイデス」
「プッ・・・、めちゃくちゃ棒読みですよ!」
「あれ、そうですか?」
「あはは、工藤さんって面白いですね」
「ありがとうございます」

ただ強くなるだけじゃ面白味の無い人間になりそうだから
ちょっと人を笑わせる事も研究し始めたんだ。
思ったよりウケて良かった。

・・・俺、いろんな事やり始めてるな。
憂樹の為に強くなろうと必死だってのが自分でもよく分かる。



「工藤さーん!」
「はいはい何でしょ?」
「これ、こう言う会計の時ってどうするんでしたっけ?」
「ああ、まず最初に人数を打って、その次に・・・」

藤井さんがいろんな事を聞いて来る。
明らかに他の先輩よりも俺の方が多いと分かる。

「藤井さん、工藤君にばっかり聞いてるよね」
「そうですね」
「何でかな?私に聞いても良いのに」
「やっぱり僕が同期だからじゃないですかね。
 先輩だと聞くのに緊張しちゃうとかで」
「ああ、なるほどね」

やっぱり先輩も気付いてたか。
まあ悪い事じゃないんだし構わないんだと思うけど。



「工藤さんって、私の名字と少し似てますよね」
「え?そうですか?」
「だって、私も工藤さんも『藤』って字を使うじゃないですか」
「・・・そう言えば」

さすがに女の子だと言うべきなのかな・・・。
こう言う所に気付くのは、ある意味凄いと思う。

「工藤さんは、私に聞きたい事ってあります?」
「じゃあ一つ」
「はいはい?」
「仕事の事、僕にばっかり聞いてますけどこれは何でですか?」
「・・・迷惑でしたか?」
「あ、いや!そんなんじゃないです!全然!」

しまった、ちょっと聞き方が悪かった。

「先輩にも聞けるのにどうしてかなって思っただけですよ。
 僕は全然迷惑とかじゃないです。むしろ嬉しいくらいです」
「嬉しいんですか?」
「そりゃあ、頼られてるみたいですからね。
 頼られて嬉しくない人っていないでしょう?」
「ああ、そっか。そうですね!」

・・・良かった。何とか雰囲気を戻せた。

「で、何でですか?」
「ぶっちゃけ・・・、年上さんですけど同期ですから
 聞きやすいってのがあるんですよね」
「なるほど」

ああ、やっぱりそうか。

「あと、分からない時は聞いた方が良いって思うんですよ」
「そうですね。それは仕事において重要なとこです」
「だから、早く慣れたくって色々聞きたいんですけど
 先輩にあれこれ聞くのって怖いんですよ」
「怖い?それはどうして?」
「『そんな事も分からないのか』って思われそうじゃないですか」
「あー、分かりますよ。僕もそう思った事あります」
「でも工藤さんなら同期だし、そんな事無いかなって。
 工藤さんって面白い人ですし」
「あはは・・・、そりゃどうも」

・・・何か、『面白い人』って言うイメージが定着しちゃったかな。
そーゆーキャラが基本って訳でも無いんだけど。

「藤井さん」
「はい?」
「ちょっとアドバイスを」
「何ですか?」
「まあ、早く覚えなきゃ、とか焦る気持ちは分かりますけど
 焦ったりしても逆に上手く行かない事って多いじゃないですか。
 だから、自分のスピードでやって行けば良いと思いますよ。
 その方が結果的に自分のモノになるのは早いし身に付く筈です。
 周りを気にするってのが悪い事だとは言いませんけど
 気にし過ぎて自分のペースを乱したらマズイでしょう?」
「・・・そうですね」
「まあ、要は焦ったりしない方が良いですよって事です。
 僕はすぐに出来ちゃってるから、ちょっと焦ったんじゃないですか?」
「・・・何で分かったんですか!?」
「いや、まあ、何となくです。
 僕は経験者ですからすぐに出来るのは当たり前ですよ。
 聞いても構わないんで、自分のペースを乱さないように注意だけしましょうと。
 そんな話です」
「ありがとうございます!凄く参考になりました!!」
「そうですか。それは良かったです」



・・・俺も、我ながらこんな事が言えるとは驚きだ。
気付いたら言葉が出て来たって感じだった。

いつも憂樹に色々言われてるから・・・
大事な事って言うのが分かって来たのかな?

自惚れる訳じゃないけど・・・
これが強くなるって事なのかな?



つづく(次回は憂樹サイドの話です!)



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