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様々な想いが交差する!3rdシリーズ『真実』編!!
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「こんにちわ、工藤さん」
「・・・どうも」

秋山が来た。
もう話す事は決まってるけど、ちょっと緊張するな。

「憂樹さんの過去の事で僕と話したいって事だそうですが・・・
 もう自分の気持ちに正直になれたんですか?」
「ええ」
「そうですか。それは良い事ですよ」

そんな事を言われても全然嬉しくないな・・・。

「じゃあ、早速本題に入りたいんですが・・・」
「はい、どうぞ」

俺は、ポケットからメモを取り出した。

「これ、お返しします」
「・・・僕の連絡先のメモじゃないですか。どう言う事ですか?」
「俺には必要無いって事です。憂樹の過去の話は聞きません」
「へえ?それが工藤さんの出した答えですか?」
「ええ、そうです」
「でも、すぐに結論を出さなくても良いって言ったじゃないですか。
 まだ持ってて下さい。気が変わるかも知れないでしょう?」
「じゃあ・・・」
「・・・!」

俺は、秋山の連絡先のメモを破り捨てた。

「失礼な事をしてすいません」
「・・・いえ」
「でも、返すって言うのに受取って貰えないんだから
 こうするしか無かったんです。それを分かって下さい。
 それに俺の意思表示でもありますから」
「ずっと聞かないで良いって事ですか?」
「そうです」
「でもそれは、自分の本心に嘘をつく事になりませんか?
 何だかんだで、知りたいのは事実でしょう?」
「・・・確かにそうですね。正直、知りたいって気持ちがあるのは事実です。
 ただそれは、憂樹本人から聞きたいって事であって
 秋山さんのように他人から聞き出す事はしたくありません。
 それもまた俺の本心であり、むしろこっちの方が強いんですよ」
「なるほど。そこまで意思が固いとは予想外でしたよ」
「最初に言ったじゃないですか。俺は一筋縄じゃいかないって」
「・・・それにしても、何で急にそう考えたんです?
 昨日は明らかに僕の方に傾いてたじゃないですか」
「憂樹と話したからですよ」
「何をですか?」
「憂樹は、ずっと辛い過去を送って来たって言ってました。
 そうなれば、他人に聞かれたくない事の一つや二つがあるのは当然でしょう。
 それは俺も同じようなもんですからよく分かります。
 なのに他人から聞き出して過去を勝手にほじくり返すような事はしたくない。
 そう思った。それだけの話です」
「はは、珍しいですね。今時、そこまで綺麗事を言えるなんて。
 余計なお世話でしょうけど、そんな生き方じゃ、人生を損しますよ」
「俺は・・・、二十年以上この生き方で生きて来たんです。
 今更変える事なんか出来ないし、変えるつもりも無いです」
「・・・立派ですね」
「確かに、こんな生き方で損をした事は数え切れないくらいありますけど
 後悔はしてないです。むしろこうやって来て良かったと思ってます。
 俺は、自分の意思に反するけど得が出来る生き方よりも
 例え損をしてでも自分を納得させる生き方をしたいんです。
 逆に言えば納得が出来るなら、どれだけ損をしても構わないんですよ。
 綺麗事って言いますが、確かにその通りでしょう。自分でも分かってます。
 でも、綺麗事こそ俺の生き方、俺の意思なんです」
「分かりました。そこまでおっしゃるのであれば素直にあきらめましょう」
「どうも」

よし・・・!

何とか秋山に勝てた・・・!!

「ただ」
「はい?」
「綺麗事こそが信条だと言うのであれば、これを指摘しましょう。
 本題を聞かなかったとは言え、憂樹さんの敵である僕と関わったのは事実です。
 しかも憂樹さんの過去を知りたがる、と言う方向に流れたのも、また事実です」
「・・・!」

確かに・・・。

「憂樹さんは、工藤さんが僕と会ったり話した事を知ってるんですか?」
「いえ・・・」
「じゃあ話すべきでしょう。まさか隠したままなんて卑怯な事しませんよね?」
「・・・・・・」
「それに、僕と会ったのは昨日なのに
 昨日の時点で話さなかった、つまり隠してたって事ですよね?」
「・・・まあ、そうですね」
「それは決して褒められる事じゃない。むしろ問題ではないですか?
 綺麗事も結構ですが、自分のやってる事を自覚出来ないといけませんよ。
 それが出来ないと、間違ってるくせに綺麗事を言う痛い人になりますから」
「・・・御指摘、ありがとうございます」
「いえいえ。・・・それでは僕はこれで。
 またどこかで御会いしましたら、その時は宜しくです」
「・・・はい」



秋山は帰って行った。

最後にあんな事を言われたので
結果的に勝ちと言って良いのか分からなくなってしまった。
まあほとんど自己満足だし構わないんだけど・・・。

憂樹に、俺が秋山と会っていた事。
そして過去を話すと誘われて流されてしまった事。

これらは話すべきなんだろうな・・・。

秋山の名前を出しただけで厳しい表情になったし
もしかしたら怒る・・・、いや、嫌われるかも知れない。

これで失恋になってしまうかも知れない・・・。

いや、そもそもこんな事をした時点で俺は憂樹を好きになる資格を失ったかも・・・。

とりあえず、話そう。何もかも。
・・・好きになったって事はまだ言えないけど。

その上で、憂樹に判断と言うか・・・。裁決みたいなモノを出してもらうか・・・。



つづく



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