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様々な想いが交差する!3rdシリーズ『真実』編!!
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「鈴木さん!大丈夫!?」

やばい、返事が無い。
とりあえず呼吸はしてるけど・・・。

仕方ない。言われた通り、救急車を呼ぶか・・・。

・・・何だか妙に落ち着いてる。どうしたんだろう。
落ち着かなきゃいけないって身体が分かってるのかな。

そう言えば、救急車を呼ぶなんて初めてだな。

『はい、救急ですか?消防ですか?』
「あ、救急です」

・・・こんな事聞かれるのか。初めて知った。

今いる場所と、症状を聞かれたので説明する。

言われた通り、薬を飲み忘れたみたいだと答えたけど・・・
本当に分かってくれたのかな。



何やかんやあって、病院に着いた。

救急車の中でも色々と聞かれた。
何があったのかと聞かれたけど、それはこっちが聞きたい。
話してたら具合が悪いと言い出して、倒れてしまったんだから。

そして鈴木さんは、何処かに運ばれて行ってしまい
俺は診察室の前の長椅子に座って待つ事になった。

「お連れの方ですよね?」
「あ、はい」

看護婦さんが俺の所に来た。

「彼女、今診てる最中なんですけど・・・、もうしばらく時間がかかりそうなんですよ。
 お家の連絡先は御存じですか?」
「いえ・・・。彼女の携帯番号しか知らないもので。すいません」
「構いませんよ。でもどうしましょう?お家の方に迎えに来て貰おうと思ったんですけど」
「あ、じゃあ僕が送って行きますよ」
「それまで待てますか?いつになるか、ちょっと分からないですよ?」
「ええ、構いません」
「じゃあ、ここでしばらく待ってて下さい」
「あ、それならちょっと電話して来ても良いですか?僕の家に連絡したいんで」
「そうしましたら、またここに戻って来てもらえれば大丈夫です」
「分かりました」

とりあえず、外に出る。

・・・憂樹に聞いてみよう。何か分かるかも知れない。



『もしもし?』
「あ、俺だけど。おはよう憂樹」
『おはよ。って、何してるの?オールの後、イベントに行くんじゃないの?』
「いや・・・、ちょっと連れの子が倒れちゃってさ」
『あら。何で?』
「分かんない。話してたら、具合が悪いとか言い出して」
『で、どうしたの?』
「救急車呼んでって言われたから呼んだんだよ。実は今、病院なんだ」
『大変だね。こんな朝から』
「でさ・・・、何で倒れたのか分かる?」
『分かる訳無いじゃない。私は医者じゃないんだよ』
「まあ、そうだけど・・・」
『・・・一緒にいた子って、どっち?告白した子?リスカしてる子?』
「リスカしてる方の人だよ」
『その倒れたってのは、肉体的な問題?それとも精神的な問題?』
「肉体的では無いと思う。医者に『薬飲み忘れた』って言えば分かる、って言ってたし」
『・・・・・・。
 まさと、その子とどんな話してたの?』
「・・・亜矢子の事」
『え!?何で亜矢子さんの事を?』
「俺もさっき知ったんだけどさ。その人、亜矢子の後輩だったんだよ」
『あら。それはビックリだね。・・・世間って狭いね』

・・・まったくだよ。

「で、その繋がりで亜矢子の事を色々と聞かれてさ」
『え?亜矢子さんに失恋したって話もしたの?』
「うん・・・。口を滑らせちゃってね・・・」
『洗いざらい話したと』
「そうです・・・」
『・・・ねえ。周りの人に無視されたって話もした?』
「したよ」
『倒れる前、最後にした話はどんなの?』
「その話だけど。
 ・・・そう言えば、その話をした直後に具合が悪いって言い出したな」
『なるほどね。何となく分かりました』
「え、ホント?」
『あくまでも推測ですが・・・、過去がフラッシュバックしたんだろうね』
「フラッシュバック?」
『トラウマになる程の出来事を経験した後、何かのきっかけで
 それを鮮明に思い出しちゃう事をフラッシュバックって言うの。
 現実に起こっているような感覚を激しく感じてる時、特にそう言うらしいけどね』
「・・・現実に起こってる?」

話が難しい・・・。

『要するに・・・、過去のトラウマの原因になった出来事が
 今、この場で起こってるって錯覚しちゃうの。
 そうするとどうなると思う?精神的なショックを受けちゃうって事だよ』
「え、でも何でそれが起こったんだろう?」
『確かその子、両親に虐待されてたんでしょ?
 まさとが無視、いわゆるイジメみたいな事をされてたって聞いたから
 自分が虐待されてた事を思い出しちゃったんだよ
 更に、今この場でそれが起こってるって錯覚したって訳。
 ・・・推測でしかありませんが。
 でまあ、そんなショックを受けた為に倒れた。そんなとこじゃないかな』
「え・・・」

つまり・・・。

「じゃあ、俺がそんな話をしたせい、って事・・・?」
『まあ、結果論で言えばそうなるね』
「悪い事しちゃったな・・・」
『でも、その子が聞きたいって言って来たんでしょ?』
「うん。結構、強引にね」
『じゃあ、ある意味では自業自得だよ。そんな好奇心を押し出したのが悪いんだから』
「そうなるのかな・・・」
『ま、あんまり気に病まない方が良いよ』
「うん。ありがとう」
『そう言えば、イベントどうする気なの?この後に行くの?』
「いや・・・、無理だね。その子の診察が終わって送ったら帰るよ」
『じゃ、今の内にメールでもした方が良いよ。そろそろ起きて支度してるんじゃない?』
「・・・そうだね。分かった。いろいろありがとう」
『どういたしまして』

俺は電話を切った。

そして今度は、山口さんにメールを書く。

『おはようございます。今日のイベントですけど
 実はさっき、鈴木さんが急に倒れちゃたんですよ。
 その関係で鈴木さんは行けそうに無いと思いますので
 とりあえず中止って事にしましょう』

こんな感じで良いのかな。
何か説明が難しい。ちゃんと伝わると良いけど。

まあ良いや。これで送信、と。



そう言えば・・・。

これって、いわゆる『ドタキャン』だよな。

鈴木さんが大嫌いだったドタキャンをさせる事になっちゃったのか・・・。

俺のせいで・・・。


つづく



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