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様々な想いが交差する!3rdシリーズ『真実』編!!
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「佐藤さんがどうかしたの?くどっちこそ、知り合いなの?」
「え、いや・・・。実は大学が一緒で知り合いなんだ」
「へー!それはビックリだね。凄い偶然じゃん。
 ・・・でもそれだけ?」
「え?」
「いや、くどっち、凄い驚いてたからさ」
「・・・・・・」

しまった。敏感に反応して名前まで出しちゃったから
今更ごまかしようも無いかな・・・。

下手に言い訳すると泥沼にハマッちゃいそうだし・・・。

「・・・まあ、色々あってね」
「何?何があったの?」
「話さなきゃダメなの?」
「気になるじゃん」

ああ・・・、押しに弱いんだよなあ、俺・・・。

「こないだ、俺に『彼女いるの?』って聞いた時に
 俺が何て答えたか覚えてる?」
「何だっけ。いないって言ってたのは覚えてるけど」
「こないだフラレたばっかりだって言ったんだよ」
「ああ、そうだそうだ」
「そのフラれた相手が・・・、佐藤亜矢子なんだよ」
「・・・そうなの!?」

かなり驚いてる。そりゃそうだろうな。

「結構仲の良い友達でさ。告白したんだけど・・・。
 ま、返事はNOだった訳よ」
「そうだったんだ・・・」
「鈴木さんは、亜矢子の後輩なんでしょ?高校の?」
「うん、部活の先輩だったの」

そうか。普通に話してるから忘れてたけど
鈴木さんはハタチで、俺の一つ下なんだよな。

亜矢子は俺と同い年。つまり21歳だ。
高校が同じなら、亜矢子が三年生の時に鈴木さんが二年生と考えれば
計算は合う。

「佐藤さん、いろんな人から好かれてたんだよ。
 男の人からはもちろん、女の子からも」
「ああ、アイツは大学でもそうだよ」

縁を切って以来、全く話してないけど
姿だけはたまに見かける。

その度にいろんな友達と楽しそうに話してて切なくなったもんだ。

大分慣れたけど、今でもちょっと切ない。

「・・・あのさ。その話、もうちょっと詳しく聞かせてくれない?」
「何で?」
「いや、すっごい気になっちゃったから」
「カラオケ、どうするんだよ。
 話してたら長くなるから唄えなくなるよ」
「じゃあ、もう出ようよ」
「おいおい・・・」

とことん、自分ペースだなこの人は・・・。



そんな訳で、俺達はファミレスに来た。
まだ三時を回ったばっかりだ。

まあ、腹が減ってた頃だったし丁度良いか。

「ごめんね。くどっちには辛い話させちゃうけど・・・。
 私も気になって仕方ないんだ」
「いや別に。俺ももう、人に話せるくらい慣れたし大丈夫だよ」
「それで・・・、さっきの続きなんだけどさ」
「・・・これ以上詳しく話す事も無いよ。
 告ってフラれた、って話なだけなんだから」
「何でダメだったの?」

謝る割には、キツい所を遠慮無しに聞いて来るな・・・。

「まあ、単純に俺の魅力不足だったってとこかな」
「そうなんだ。くどっちなら断られる事なんか無さそうなのに」
「・・・そりゃどうも」

褒められたんだよな、今の。

「俺って、そんな風に見えるの?」
「うん、頭も良いし頼り甲斐がありそうじゃない」
「それは嬉しいね」

自分じゃ分からないけど、そうなのか。
そう言えば憂樹も褒めてくれてたしな・・・。

「でも、俺がこうなれたのは、亜矢子にフラれた後からだよ」
「どう言う事?」
「ちょっと恥ずかしいけど・・・、俺、亜矢子の事が凄く好きで
 本当に命をかけても良いって思ったんだよね。
 だけどダメで・・・、自分の無力さが悔しくって仕方無くって」
「ふんふん」
「そんな時、田舎にいた従兄妹がこっちに来てね。
 そいつが物凄く頭が良くって強い奴で・・・
 年下なんだけど、俺は本当に尊敬してるくらいなんだ」
「へー、凄いんだね」
「で、そいつについて行けば強くなれるんじゃないかと思って
 色々と教えて貰ったりしてる内に、今みたいになれたんだよ。
 まあ、俺は自分で実感は無いんだけどね」
「じゃあ、佐藤さんの事があったから強くなれたんだ」
「そうなるね」

・・・そう言えば、こんな事を他人に話したのは初めてだ。



その後、俺は亜矢子との事を色々と話した。
憂樹にも話してない事さえも。

まあ、他愛も無い事ばっかりだけど・・・。

おお、もう七時じゃないか。
つい夢中になって話しまくっちゃったな。

・・・眠い。

「ねえ、最後にちょっと聞きたいんだけど」
「何?」
「フラれた後、佐藤さんとはどうなったの?」
「・・・縁を切ったよ。もう随分長いこと話してない」
「何で!?」
「いや、フラれた側としてみれば
 フッた人と友達としての関係を続けるのは辛いもんだよ」
「そんなもんなんだ」
「ちょっと、妙な事もあったしね・・・」
「何?」
「俺がフラれた直後、亜矢子の周りの奴らが俺を無視し始めてね。
 そいつらは俺とも友達だったんだけど」
「何でそんな事になったの?」
「俺が亜矢子を狙った事が気に入らなかったみたいだよ。
 さっき話した従兄妹の推測だけど、抜け駆けしたって思われたのかな」
「・・・ひどい話だね」
「最初は亜矢子も一方的に無視してたんだけど・・・
 だんだんやってる事がおかしいって気付いたらしくって
 俺に謝りに来てくれてさ。
 ま、周りに流されてた所もあったみたいだし」
「へー・・・」
「それでそんな事もあったし
 もう関係そのものを終わろうって話になったんだよ。
 亜矢子の姿自体は、今でも普通に見かけるんだけどね」
「・・・・・・」

・・・!?

鈴木さんの顔色が悪い・・・。

「どうかしたの?」
「ごめん・・・、ちょっと具合悪い」
「え、マジで?じゃあもう出ようよ」
「うん・・・」

俺達はファミレスを出ると、外を歩いた。

「外の空気を吸えば、ちょっとは良く・・・」

ならなそうだ・・・。明らかにフラフラしてる・・・。

「ちょっと座った方が良くない?無理して歩かなくっても」
「うん・・・」

鈴木さんをベンチに連れて行き、座らせる。

・・・ヤバイ。顔色が真っ青じゃないか。

「くどっち・・・」
「何?」
「もしかしたら・・・、気を失うかも知れない」
「え」
「そうしたら・・・、救急車呼んで」
「救急車ですか・・・」

それ、かなり大変な事じゃないのか。

「救急車の人に・・・、薬を飲み忘れたから
 それで倒れたみたいって言えば・・・、分かると思う・・・。
 この診察券見せて・・・、ここで薬貰ってるって言えば・・・」
「分かった。とりあえず落ち着きなよ・・・、って・・・
 鈴木さん!?」 



俺に診察券を渡した途端・・・。

鈴木さんは倒れてしまった・・・。



つづく



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