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様々な想いが交差する!3rdシリーズ『真実』編!!
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俺は、久し振りに眠った気がした。

月曜は亜矢子や友達に無視をされ、悲しくて眠れず
火曜もまともに眠れなかった。

水曜日・・・。
やっと身体が睡眠を欲してくれたのか何とか眠れた。
起きたばっかりとは言え身体が重い。疲れが溜まってるのかな。

あれ・・・、メールが来てる。誰だろう。

・・・!!

亜矢子からだ!!!

『こんにちわ。お久し振りです。
 今まで一方的に無視をしていてごめんなさい。
 そちらさえ良ければ、会ってお話をしたいんですが駄目ですか?』

「ゆ・・・、憂樹!!」

俺は大急ぎで憂樹の部屋に向かった。

「何よ、こんな朝から」
「こ・・・、これ!亜矢子からメールが来たんだ!」
「へー、何だって?」
「何か・・・、会って話がしたいって」
「何の話?」
「無視してた事を謝ってるし・・・、その事じゃないかな」
「良かったじゃない!」
「でも・・・、何で急にこんな事言い出したんだろう」
「さあ?良心の呵責に耐え切れなくなったんじゃないの?
 何にせよ、せっかくそう言ってくれてるんだからちゃんと話して来なよ」
「ああ・・・」

何か・・・、ここに来て急に運が戻ったのかな?
落ちるだけ落ちたから、上がる番が回って来たのかな?

俺は・・・、嬉しくって涙が出て来た。



俺は亜矢子に返事を出し、とりあえず大学で会う事になった。

「よう、亜矢子」
「久し振り」

何か空気が重い。

「あの・・・、メールでも言ったんだけど・・・。
 無視したりしてごめんなさい」
「いや・・・、俺は構わなかったんだよ。友達として続けてたら辛くなってたし
 亜矢子の選択は間違ってない。むしろ正解だと思うよ」
「そうじゃないんだ・・・」
「え?」
「私・・・、周りのみんなに『工藤とは縁を切った方が良い』って言われたの。
 それで・・・、雅博を無視するようになったの」

やっぱりそうだったのか。憂樹の推理通りだ・・・。

「でもそれって、雅博の事を思ってやった事じゃなくて
 単に自分の事しか考えてなかったんだよ」
「でも、俺の為にみんなの意見を聞いたんだろ?別に悪くないじゃん」
「周りの意見に流されちゃったから・・・、雅博の為とは言えないよ。
 それに雅博を無視するようになって
 みんなが私と急に仲良くなろうとして来たんだ。
 どれを取っても雅博の為なんかじゃないよ」

・・・これも憂樹の推理通りか。
おそろしい推理力してるなアイツ・・・。

「確かに雅博とはこれ以上友達として続けるのは難しいと思う。
 でも・・・、ちゃんと話し合った上でそうするべきだったって気付いたの」
「まあ・・・、確かにそうしてくれた方が良かったってのはあるけど」
「実はね。さっき、サークル辞めて来たんだ」
「え!?何で!?」
「だっておかしいじゃない。私が無視をするだけならともかく
 みんなで雅博を無視するなんて、残酷過ぎるよ。
 そんな人達とはもう・・・、やっていけないから」

・・・何だろう。何か不思議な感じだ。
亜矢子ってこんな奴だったっけ?

「雅博も、もう辞めたんだって?」
「うん、周りがみんな俺を嫌ってるみたいだから
 それじゃ続けていけないし」
「ごめんね、私のせいで・・・」
「別に亜矢子のせいじゃないさ。
 俺が・・・、亜矢子を振り向かせられる人間だったら良かったんだ。
 自業自得ってやつだよ」
「・・・それで・・・、これからの事なんだけど」
「うん」
「私は・・・、やっぱりアナタとは付き合えないよ」
「それは・・・分かってる」
「雅博は、友達として関係を続けたい?」
「いや。さっきも言ったけど切ってくれた方がありがたいと思ってたし
 それは今も変わってない」
「じゃあ・・・、これでお別れって事で良いかな」
「良いよ」
「今までありがとう・・・」
「こっちこそ」
「さようなら」
「・・・さよなら」

亜矢子はそのまま行ってしまった。

アイツと付き合えなかった事は今も悔しいけど
もう大丈夫だ。俺はもう前に進める。

亜矢子も俺を前に進ませる為にわざわざ話をしに来てくれたんだ。
ここで立ち止まってる訳にはいかない。

前に・・・、進まなきゃ。

そして俺は・・・、携帯のメモリーから亜矢子のアドレスと番号を消した。



「ただいま!」
「おかえり。・・・元気になったじゃない」
「ああ。すっかり心が晴れたよ」
「亜矢子さんとはどうなったの?」
「まあ・・・、さすがに付き合うとまではいかないけど和解はしたよ。
 縁は切ったけど、それはお互いが前に進む為のモノであって
 もうわだかまりとか、そんなのは全然無い。
 失恋からも大分ふっきれそうだよ」
「良かったね。じゃあ、また勉強頑張ろうね?」
「・・・それは大学の?それとも憂樹からの?」
「もちろん両方」
「ははは・・・、厳しいな」
「最初に言ったでしょ。私は厳しいんだよ。頑張りましょうね。
 そうそう、ちょっと出かけてくるから」
「どこ行くの?仕事?」
「デート」
「デート!?」
「女の子とね」
「へえ・・・?」
「そんな訳で、いってきます」
「いってらっしゃい・・・」

アイツ・・・、そんな趣味があったのか?



「あ、ここですユキさん」
「お待たせ、マコト」
「珍しいですね、ユキさんから誘ってくれるなんて」
「ちょっとね。たまにはマコトと二人で話したくって」
「私とですか!?嬉しいです!」
「あはは、ホント可愛いねマコトは」
「いやあ、そんな・・・」
「・・・ねえ、マコト」
「ハイ?」
「マコトは今の状況に満足してる?
 もちろんまだ勉強中って言うのはあるけど、周りの環境って意味で」
「もちろん満足してますよ。
 周りのみなさんは厳しいですけど、しっかり面倒見てくれますし」
「そう。なら良かった」
「?」
「マコト、これあげる」
「何ですかコレ?」
「私のネタ帳みたいなものかな。普段からやるべき事とか書いてあるの」
「良いんですか!?そんな大事なもの!」
「実はそれコピーなんだ。オリジナルは別にあるんだよ。ごめんね」
「とんでもありません!コピーでも嬉しいです!」
「そんなに喜んでくれると、私も嬉しいよ」
「ありがとうございます!大事に使います!」
「あはは、なるほどね。マコトと話してるとよく分かるよ」
「何がですか?」
「人と接するだけで心が癒されるって事が、かな」



つづく



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