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様々な想いが交差する!3rdシリーズ『真実』編!!
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・・・涙が溢れて止まらなかった。

こんなに悲しい気持ちになったのは久し振りだった・・・。



何が悲しいかって・・・
カオルの言う通り、自分が腑抜けてしまっていた事が悔しかった。

確かに私は腑抜けてしまっている。
まさとを好きになってしまった事が原因になるんだろう。



そして、それを認めなきゃいけないと言う事は・・・。



まさとへの片思いを捨てなきゃいけないと言う事でもあった・・・。



私は、カオルに負ける訳にはいかない。絶対に勝たなきゃいけない。

でも、今のままでは勝てない。それを痛感してしまった。

勝つ為には・・・、まさとへの想いを捨てなければ昔の自分を取り戻す事なんか出来ない。
それくらいの決断力、意思が無ければ絶対に無理だ。

元々捨てるつもりだったのに・・・。

頭では分かっていた筈なのに・・・。

それを実際にしなければいけないと言う時期に『直面』したら
どうしようも無いくらいの悲しみが襲って来た・・・。

そうか・・・、私はこんなに悲しい事をしようとしていたのか・・・。
無意識の内に逃げていたから実感が無かったけど・・・。

まさとに偉そうにお説教とかしてたけど
じゃあ自分はどうなんだ。有言実行も出来ない腑抜けじゃないか・・・。

そこがまた、余計に悲しくなってしまう・・・。



「ただいまー」



まさとの声が聞こえた。

帰って来たみたいだ。



こんな状況じゃ、とても顔を見せられない・・・。
私はそのままベッドに突っ伏していた。

でも・・・、まだ悲しさがこみ上がって来て
泣くのを止める事は出来なかった。



コンコン

「憂樹?いるの?」



まさとが部屋の前に来た。

声が聞こえたのかな・・・。



「・・・・・・」



返事は出来なかった。

この状況でどうしたら良いのか全く分からなかったから・・・。



カチャ



ドアが開く音がした。

きっと、まさとが心配して入って来たんだろう・・・。
当たり前だ。声が聞こえたのに返事が無いなら誰でも心配になる。



「憂樹!?」

まさとが近付いて来たのが分かる。

「・・・・・・」

私は顔を上げた。さすがにここまで来たら無視する訳にもいかない・・・。



「憂樹・・・、どうしたんだよ?」
「まさ・・・と・・・」

まさとの顔を見た途端・・・、私は抱き着いてしまった。

「え・・・ちょ、憂樹!?」
「お願い・・・。少しで良いから・・・、このままでいさせて・・・」
「ゆ・・・、き・・・?」



もう、これで最後になってしまうだろう。
私がまさとと触れ合う機会と言うのは・・・。



もうこれで最後にするしか無いから・・・。



それなら、せめて最後に・・・
私は、まさとの温もりを感じたかった。

この瞬間が、ずっと続いて欲しかったけど・・・。
そんな事は無理だと分かっていた。分かってしまっていた。



だから私は・・・。



もう、まさととは・・・。



つづく
(次回はまさとサイドに戻ります)




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