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様々な想いが交差する!3rdシリーズ『真実』編!!
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「美幸さん、お待たせしました。暗号が解けましたよ」
「え!?それじゃあ・・・」
「はい。金庫の番号が分かりました」
「そう・・・ですか・・・」
「ここからは・・・、美幸さんの許可を頂かないといけません。
 椎名家の人間であるあなたに。
 いくら依頼を受けたとは言え、金庫を開けて良い理由にはなりませんしね」
「・・・そうですよね」
「止めるのであれば、それは構いません。
 俺達にはどうこう言う権利自体がありませんから。
 ただ、俺の推理を信じるか信じないか。
 信じるのであれば、その上でどういった判断を下すのか。問題はそこです。
 そこは美幸さんの自由ですから、俺達はそれに従うだけです。
 そしてその答えに対して何か言うつもりもありません」
「・・・分かりました。
 私も、遠野さんのお話を聞いている内に同じように考えるようになり
 正直な所・・・、疑惑の気持ちでいっぱいなんです。
 そこを晴らす為にもここは遠野さん達に乗る事にします。
 万が一、違っていたとしても責任は私が取ります」
「ありがとうございます。それだけの覚悟を背負って頂けるなんて
 こちらも嬉しい限りです」
「ただ、出来れば・・・、外れていて欲しいと言う思いもあるんです」
「それは分かりますよ。美幸さんの立場からすれば、その気持ちは自然に・・・
 いえ、ある意味、当然に生まれるモノでしょう」
「・・・はい」
「ただ、俺の立場から言わせて貰いますと・・・
 自分の為だけに何か陰謀めいた策略を施す以上は
 その真実を突き止め、それを止めてみせる。
 それが俺達の仕事なんです。だから全力を尽くす。
 でも結果的には・・・それこそが一番良い結果になるんじゃないかと思いますよ」
「そうかも知れませんね」
「では、これから金庫を開けますので、一緒に来て頂けますか」
「はい」



そして俺達は金庫の部屋に戻った。

「では、金庫を開けます」

俺はROMに書いてあった番号通りにダイヤルを回し・・・



カチャ



金庫が開いた。



「開き・・・ましたね」
「ええ」

中には遺言状が入っている筈なんだが・・・。

・・・あった。

やっぱりな。ここも予想通りだったか。

「これが遺言状・・・って事ですよね」
「だろうな」
「またROM・・・ですか」
「金庫の番号をROMに記録しておいたり、それを暗号化したりするお祖父さんですからね。
 まあ、遺言状も同じようにしてるんじゃないかと予想はしてました」
「まさかこれもパスが掛かっているとかじゃ・・・」
「その可能性はあるな。ちょっと見てみるか。
 ・・・良いですね美幸さん?」
「はい。ここまで来た以上、もう途中で引いたりしません」
「ありがとうございます。
 星野。パソコンに入れて開いてみてくれ」
「ハイ!」



そうして中身を見てみたところ・・・
拍子抜けする程、あっさりと見る事が出来た。

「掛かってなかったですね」
「ここに来る迄に相当アレコレやって来たからな。
 もう何かする必要は無いと思ったんじゃないか?
 おかげでこれ以上は何もしなくて良くなって助かったが」

そして俺は内容は確認せず、すぐにROMを閉じた。

「この内容に関しては、俺達は無関係ですから本来は見る権利がありませんが・・・
 都合上、後で見させて頂きます。そこを了承して下さい」
「はい。構いません」 
「ではちょっと・・・、これをお借りします。出来れば今夜中には戻って来ます」
「・・・お願いします」



「じゃあマコト。俺はまたアキラの所に行って来る。
 お前は引き続き金庫の前で警備をしててくれ。
 もちろん、金庫を開けた事は絶対に言うな」
「ハイ。分かってます」
「じゃあ頼むぞ」



そして再びアキラの家に向かい・・・。

「アキラ。さっきのROMのパスが解けたぞ」
「マジですか!?凄いですね」
「はは、だから言っただろ。
 それより、さっきも言ったけどこれからお前にやって貰いたい事があるんだ」
「何ですか?」
「今から言う物を作って欲しい。ここは裏プログラマーなお前じゃないと頼めない事だ」
「・・・その言い方、止めて下さいよ。俺はもう足を洗ったんですから」
「でも今回は・・・褒め言葉みたいな意味で言ってるんだぜ」
「・・・それはそれで複雑ですね。褒められるのは嬉しいですけど」
「そう言う訳で、超特急で作って欲しい。出来れば数時間で、だ」
「何を作れば良いんですか?」
「それは・・・」

俺は考えていた事を、アキラに説明した。

「ああ、そんなのなら簡単ですよ。前に似たようなのを作った事があるんで
 それをそのまま使えば30分もかかりません」
「よし、じゃあ頼む」



三十分くらい経った後・・・。

俺は、アキラに作って貰った物を持ってまた椎名家に戻った。

そして・・・、考えていた策を実行に移した。


「これで良いんですね?」
「ええ。大丈夫です。きっと上手く行きますよ」
「信じます。遠野さん達を」



翌日。


俺とマコトは、金庫の警備は一日だけの契約となっていたので
この日に帰る事になった。

俺達の後の金庫の警備は誰がするのか、となったが
そこはさすがと言うべきか。真壁が別の警備員を呼んでいたので
そいつらに任せる事になったらしい。用意周到な奴だ。

だが、そこも俺の考えていた通りだった。

本来であれば、今日に遺言公開を行う予定だったが
それを延期する事になってしまった。
となれば、俺達が引き続き警備を担当する、となるのが自然の流れだ。

しかし真壁にとって、俺達が警備をするのは想定外の出来事だった筈で
ハッキリ言えば邪魔者だった筈だ。

俺達を最初の契約通りに帰す為には・・・
別の、それも本職の警備員を呼べば良い。そいつらに任せた方が良いに決まってる。
延期を言い出したのは真壁なんだし(原因は和馬になっているが)
その責任を取る、と言う意味でも何もおかしな点は無い。むしろ当然なんだから。

しかし俺にとっては・・・、そうしてくれた方がありがたかった。

俺の策を成功させるには。そして真壁達を罠にかけるには
そうやってくれた方が都合が良いんだ。

逆に言えば、俺達が引き続き警備を行っていたら失敗に終わっていた筈だ。
まあ、そこは真壁達も然りなんだが。



何にせよ・・・、これで全ての準備は整った。

明日、遂に遺言公開が行われるが・・・
そこで全てが明らかになる!



TO BE CONTINUED...

※次回、解決編!

ジュンが辿り着いた『正解』とは?そして感じていた『陰謀』とは何か!?

another story from jun vol.10『truth』!近日公開!!



↓宜しければ押してやって下さい
     
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