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様々な想いが交差する!3rdシリーズ『真実』編!!
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憂樹がトイレから戻って来た。

「いやー、ゴメンね。
 我慢できなくなっちゃって」
「いや、俺こそ我慢できなくなるまで話させてゴメン」



・・・憂樹が戻って来たので
俺は、もう一つ聞いてみたかった事を話してみた。



「実は、もう一つ聞きたい事があるんだ」
「・・・今度は何かな」
「秋山がさ・・・
 もう自分には関わらない方が良いって言ったんだ」
「そんな事、言ったの?
 アイツの方から関わって来るくせにね」
「ただ、それは・・・
 自分達と俺とは、住む世界が違うからだって」
「・・・!」
「何でそんなやり方をするんだ、って聞いたら
 それが自分達のやり方なんだ、って。
 そしてその『自分達』って言うのは・・・」
「私も入ってるって言ったんでしょ?」
「・・・うん」
「まあ、間違ってない言い分かな」
「だから、つまり・・・
 憂樹とも関わらない方が良いって」
「・・・だと思った。
 私も同じような事を言われたからね」
「そうなんだ」
「まあね。アイツの目的の一つは、私とまさとを引き離す事だから」
「何で!?」
「そうすれば私に精神的ダメージを与えられるからだよ。
 まさとには説得、私には攻撃って形でそれをしてね」
「・・・そんな卑怯な事を・・・」
「卑怯?確かに卑怯だけど、それはある意味正解なんだよ。
 勝つ為には綺麗事なんか言ってられない。卑怯な事こそが、勝つ為の近道であるのは事実だし
 なりふり構ってられない時は、それは非常に有効な手なんだからね」
「それはそうかも知れないけど・・・」

卑怯になれる心もまた、強さの一部であるってとこか・・・。



「で、さ・・・」
「はい」
「憂樹は・・・秋山の言い分をどう思うの?」
「関わらない方が良いって話の事?」
「うん。秋山じゃなくて憂樹と、って意味で」
「・・・・・・。
 正直に言えば、それはその通りだと思うよ」
「え・・・」
「まさとが私に『強くなりたいから色々教えてくれ』って頼んだ時に
 最初、私は断ったでしょ?」
「うん」
「それは何でだったか覚えてる?」
「『私なんかを見習ったら汚れるよ』って言ってたよね」
「そう。つまりそう言う事なんだよ。
 私を見習って強くなるのは構わないし、その為には協力もしてあげようと思ってる。
 ただ、私みたいになり過ぎてもいけない、とも思ってるんだよ。
 それは、まさとに教えてあげようって決めた時から、最初から思ってた」
「そうなの・・・?」
「私とまさとでは、背負ってる物が違い過ぎるんだよ。
 悪い意味で言ってるんじゃなく、私が特別過ぎって意味でね」
「・・・・・・」
「馨が関わらない方が良いって言ってるのはその辺りの意味も含んでるの。
 まあ、気遣いとかじゃなくてただの皮肉で言ってるだけでね」
「・・・それで憂樹は」
「はい」
「秋山の言う通り、俺とは関わるべきじゃないって思うの?
 もちろん、秋山の言い分を鵜呑みにするとかじゃないけど」
「それは・・・、まさと次第かな」
「え」
「私はね、まさとと関わる上で踏み込ませて良い所と踏み込ませちゃいけない所って言うのを
 自分なりにだけど、わきまえてるつもりなの。
 そこをわきまえていれば、まさとに影響が出る事は無い筈だと。
 だから、馨の言い分を鵜呑みにする必要は無い訳です。
 感情的に、生理的に、とか、そんな理由じゃなくて
 きちんとした『理屈』をもって、そう言う答えを出したの。
 まあ、私と馨のいざこざに巻き込んじゃって、もう影響は出しちゃってるけど
 そこはこれからどうにかするし」
「うん・・・」
「ただ、まさとが馨の話や今の私の話を聞いた上で
 どう考えるのか。どんな答えを出すのか。
 私は・・・それに従うしか無い訳です」
「いや、俺は・・・」
「言っとくけどね。
 『強くなれるなら気にしない』とか『好意を持ってるし構わない』とか
 そんな感情論で片付けちゃ駄目だよ。
 そんな事を言ってたら、いつまで経っても強くなんかなれないんだから。
 前に教えたでしょ?頭で分かってるけど感情に流されちゃうのは弱い人間がやる事だってのを」
「・・・あったね」

山口さんの話の時か。

「感情論を抜きにして、答えを出してみて下さい。
 出せたら・・・私に教えて」
「教えるの?」
「答え次第では、私はまさとと縁を切らないといけないから」
「え、ちょっと待ってよ!」
「これは、まさとが言い出したんだからね。
 まさとも真剣に考えて答えを出して下さい。
 感情に流された答えしか出せなかったら・・・
 その時もサヨナラです」
「・・・!!!」
「私と一緒にいる事が、感情に流されちゃう原因になるようなら
 それはまさとの為にはならない。それじゃ、まさとは強くなれない。
 私は、まさとを強くするって約束したんだから
 それを守る為に、ね」
「・・・・・・」
「別にいつまで、とか期限は設けないから
 じっくり、しっかり考えて下さい」



・・・・・・。



何だか・・・、大変な事になっちゃった・・・。



つづく




     

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