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様々な想いが交差する!3rdシリーズ『真実』編!!
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「ねえ、まさと」
「何?」
「今度の日曜日、暇?」
「え!?日曜日?」
「うん。暇なら一緒に遊びに行こうと思ったんだけど」

・・・!!

でも・・・
今度の日曜は・・・。

「ごめん!その日は用事があるんだ」
「・・・そう」
「ホントにごめん。そのまた次の日曜日とかなら大丈夫だと・・・」
「それだと私が休めるか分からないんだ」
「・・・そっか」
「気にしなくて良いよ。いつもの事じゃん」
「まあ・・・、そうなんだけどさ・・・」



今度の日曜日は、藤井さんと会う約束をしてる。

憂樹と遊びに行けるからって、藤井さんとの約束を反故にする訳にはいかない。
藤井さんとの方が先なんだから。

せっかく憂樹が誘ってくれたのに・・・と、残念ではあるけど
そこは仕方ない。ちゃんと割り切らないといけない。



「ま、別の機会にね」
「うん・・・」

憂樹も残念そうな顔をしたのが一瞬見えたような・・・。

・・・本当にごめん、憂樹。



そして日曜日。
藤井さんとの約束の日になった。



俺達はバイト先で待ち合わせた。

しかし、これから何をするかは全く分からない。
今日に関しては藤井さんに任せてるから。

「どうも、工藤さん」
「やあ。こんにちは」

藤井さんはオシャレをしてる。
しかも、どこか緊張しているように見えるんだけど気のせいかな?

何にせよ、気合いが入ってるって事が分かる。
そうまでして貰えるなんて、何かこっちも緊張して来る。



「えーっと。いきなりだけど、これからどうするの?」
「ご飯でも食べに行きませんか。私が好きなお店があるんです」
「へー?」
「お金、私が払いますから」
「え、良いよ!」
「そうさせて下さい!そうしないと、お礼にならないですから」
「・・・まあ、そうなるか」

確かにな。
ここで割り勘とかにしちゃったら、ただのデートみたいなモノになる。
それが嫌だと言う訳では無いけど、今日は藤井さんがお礼をしたいって事なんだから
その流れで行くべきなんだろう。

「・・・じゃあ、お言葉に甘えて」
「はい!」



そして俺達は、オシャレな感じのレストランに来た。

「・・・え、ここ?」
「そうですよ」
「大丈夫なの・・・?何か高そうじゃない?」

お礼とは言え、あんまり高過ぎる物を奢って貰っても逆に困る。

「大丈夫ですよ。見た目ほど高級とかじゃないですから。
 それに高校生が高級レストランになんて、なかなか行けないですよ」
「まあ、それもそうか」

レストランの中に入り、メニューを見る。
なるほど。確かにオシャレな店だけど値段は特別高いとかじゃない。
いきなり支払いの事を考えるなんて不粋だけど
これなら一人辺り、3000円もしなさそうだ。

まあ、あまり値段を気にするのも逆に藤井さんに悪いし
食べたい物を頼む事にした。



「・・・工藤さん」
「何?」
「いきなりこんな話をして申し訳ないんですけど・・・
 どうして私が貴司と付き合う事になったと思いますか?」
「・・・さあ?考えた事も無いんだけど」
「私と貴司って、幼なじみなんですよ。幼稚園からずっと同じで」
「へー」
「だから、一緒にいるのが当たり前みたいな感覚になってたんですよね」
「なるほどね」
「それで、前に話したと思いますけど、中学の時に『付き合おう』ってなって・・・」
「それはどっちが言ったの?」
「私です」
「そうなんだ」

・・・何だかそんな気がした。

「それで『恋人』になるのは、意外とあっさりしてた、って言いますか
 特にどうこうあった訳じゃないんですよ。
 やってる事は、ほとんど変わらなかったですから」
「名目的に『恋人』じゃなかった、ってだけで
 関係としては恋人関係と言っても良いくらいだった」
「そんなとこですね」

二人は自然と恋人みたいな関係になってた、って事かな。
改めて『付き合おう』と言わなくても、既に付き合ってるも同然だった。

ただ二人の関係は、ハッキリとはしてなかった。
名目上、『恋人同士』ではなかったんだから。
言葉は悪いけど、ある意味では中途半端な関係だったんだな。

まあ、そこはただ「付き合おう」と言えば良かっただけなんだろうけど
関係が当たり前過ぎて、改めて『恋人』関係を意識するってのは
なかなか出来なかったのかも知れない。

「実はですね」
「?」
「正直・・・、貴司の性格には問題があるって事は私も分かってたんですよ」
「問題?」
「割とワガママなんですよ、貴司って。
 独占欲が強かったり、言い分が勝手だったりしてて。
 ・・・それは工藤さんも気付いてないですか?貴司のそういう所に」
「まあ・・・、一応」

憂樹が言っていた。

そいつは、独占欲が強過ぎると。
そいつは、一体何様なんだと。

俺も、貴司の言い分を直接聞いて
人間的に問題がある奴だと思ってしまった。
まあ平たく言えば大人げ無いって事なんだけど。

そして・・・
どうして藤井さんはこんな奴を好きなんだ、とも思ってしまった。

「私・・・、自分で分かってはいたんです。
 貴司とは付き合ってちゃいけないって」
「どうして?」
「私が駄目になるからです。
 貴司が問題点を改めてくれれば別ですけど、そんな気は全然無さそうじゃないですか。
 それだと・・・、そんな勝手な性格の人と付き合ってたら私も駄目になっちゃう、って事は気付いてたんです」
「じゃあ、何で別れなかったの?」
「感情に流されてた、って言うのが一番の原因ですね。
 さっきも言いましたけど、一緒にいるのが当たり前だったから
 離れるのが嫌だったんです。今思えば、それと恋愛感情を一緒にしちゃってたのかも知れません・・・。
 でも、こうして別れたおかげでそれがハッキリと分かりましたし
 間違いを正せたんですよ。
 前向きに考えれば、これが私にとっては良かった事なんでしょうね」

・・・何だか、山口さんに似てるな。
(※山口優希子。第二部『treasure』編で、まさとが片思いをした相手)

山口さんも、一人の相手に過剰にイレ込む人だった。
相手に問題があると分かっているのに、離れる事は出来なかった。

そして別れる羽目になった時は、悲しみまくってたっけな。

でも藤井さんの場合、それをしっかり受け止めている。
間違っていた事を正せなかったけど、結果的に正せる事になった。
それは自分にとっては大きなプラスであると受け止められたんだ。

山口さんはそれを受け止められず
ただ悲しみに襲われているだけだった。

ガッティと付き合っているとは言え
おそらく今もその辺りは変わっていないだろう。
別れる羽目になれば、またずっと悲しみ続けるのが目に浮かぶようだ。



意外と・・・、こう言うタイプの人って多いんだな。

考えてみれば俺だって
失恋して、めちゃくちゃ悲しんで落ち込んだ。

憂樹がいたから立ち直れたけど、もしいなかったら・・・。
俺は運が良かっただけなのかも知れない。

そして俺の場合は片思いで失恋したけど
もしも付き合っていた状況で別れたんだとしたら・・・。

まあ、俺は相手に問題があると分かっていながら付き合うとか
それはしないと思うけど・・・。

やっても、藤井さんみたいに
別れたらしっかり割り切れる、とかそんな風になれる・・・。



と、思うけど・・・・。



つづく




     

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