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様々な想いが交差する!3rdシリーズ『真実』編!!
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俺は完全にキレていた。

もう、それこそ殺していまいかねないくらいに・・・。



が、その時・・・。



「はーい、そこまで」


・・・!?

俺は誰かに押さえられ、貴司の上から降ろされた。
そして貴司は慌てて俺から離れた。

我に返り、その瞬間に
自分が何をしたのかようやく理解出来た。
ほとんど無意識にやってた・・・。

・・・後ろを見ると知らない男が俺を押さえている。



「喧嘩はよくないねえ。喧嘩は」

俺と同い年くらいか?
何か余裕のある顔で喧嘩を止めている。

「こんな白昼堂々と喧嘩なんかしてたら、警察沙汰になっちまうよ?
 くだらない事で警察の世話になんかなりたくないだろ?お互いにさ?」
「・・・喧嘩じゃねえよ!」
「喧嘩じゃない?」

・・・?

「そいつが急に俺を襲って来たんだよ!通り魔だ!
 俺はただの被害者なんだよ!!」

・・・こいつ!!
こんな嘘までつきやがって・・・!!!

「ほほう?その話がホントなら、これは大変な事件だなあ」
「そうだろ?早く警察に通報して・・・」
「ホントなら、な」
「え!?」
「くだらねえ嘘ついてんじゃねえよボーヤ。
 先に手を出したのはオメーだろ?んで、調子に乗り過ぎて余計な事を言って
 逆鱗に触れちまった為に反撃を喰らった。そんなトコじゃねーの?」
「な・・・!?」

・・・!!!

何でこの人、それが分ったんだ・・・!?

「な・・・、何を証拠にそんな事・・・!」
「証拠ならあるじゃねーか」
「え?」
「オメーの顔と、この人の顔。見てみりゃ一目瞭然だ。
 この人には殴られた痕があるけど、オメーはまっさらな無傷の顔してんじゃん。
 これ見りゃ、どっちが先に手を出したかすぐ分かるんだよ」
「・・・!!!」

・・・凄い。

者凄い洞察力って言うか・・・、推理力って言うか・・・
こんなにあっさり分かっちゃうなんて・・・。
憂樹みたいだ・・・。

「それに、この人がさっき言ってた事を聞けば
 オメーが触れちゃいけねー過去に触れたってのも分かる。
 警察を呼んでも良いけど、そうなれば面倒になるのはオメーだぜ?
 先に手を出し、この人は出してないって分かるんだから
 正当防衛は成立。逆に喧嘩両成敗は不成立。さてどうするよ?」
「・・・・・・」
「偉そうに、いっちょ前の口を叩くのは勝手だけどよ。
 だったらせめて一本筋を通してからにするんだな。
 それが無いくせにキャンキャン吠えた所で、メッキがすぐに剥がれて
 カッコわりい不様な正体があらわになっちまうんだからな」

・・・・・・。

・・・何かカッコ良い。凄い。



「・・・で、アンタだ」
「え?」
「落ち着いたかい?俺も、いつまでも男を押さえる趣味は無いから
 そろそろ離したいんだけどな」
「あ・・・、スイマセン。もう大丈夫です」

気付いたら、すっかり落ち着いていた。
頭に血が上っていたが、いつの間にかもう普通に戻ってる。

「んじゃ、離しますか」

俺は腕を離された。

「さーて、くだらねえ喧嘩なんかもう止めて解散しなよ。
 お互いもうやる気なんか無いだろ?」
「はい」

確かにさっきは怒ってたけど
もうどうでも良くなってた。喧嘩なんか全くする気は無い。



「ふざけんじゃねえよ!!!」

何と貴司は、今度は男の人に殴りかかって行った。



危ない!!!



・・・と、思った次の瞬間。



「ったく、若いせいか血の気が多いなあ」

男の人は素早く貴司の腕を取り、押さえ付けてしまった。
護身術か・・・!?



「くそ!離せよ!!」
「離しても良いけど、今の内に言っとくぜ。
 もしまた襲い掛かってみろ。次は折るぞ」
「・・・!!」

・・・・・・。

最後の一言だけ、凄みを効かせた言い方をした。

これじゃもう逆らう事は出来ないだろう・・・。

「・・・分かったよ」
「『分かりました』だろ?」
「痛ててて!!分かりました!!」
「お詫びはどうした?」
「・・・すいません!」
「ははは。素直でよろしい」
「・・・・・・」
「なあ、アンタ」
「・・・え!?」
「何か言いたい事があるなら今がチャンスだぜ」
「え・・・」

言いたい事、て・・・。

・・・!

「じゃあ・・・」
「どーぞどーぞ」
「あのさ、ちょっと聞きたいんだけど」
「何だよ!?」
「君、何で俺が東秀大学にいるって知ってたんだよ?
 知ってたから門の所で待ってられたんだろ?」
「・・・何か変な男が教えてくれたんだよ!」
「・・・変な男!?」

・・・・・・。

・・・まさか!!



「なあ!その男ってまさか『秋山』って名前じゃないだろうな!?」
「そうだけど?何だよ、やっぱ知り合いだったのかよ」
「・・・・・・。
 こないだ、俺と藤井さんが話してた時に君が来たよな。
 もしかしてあの時も・・・」
「そうだよ。その人に教えて貰ったんだよ」

・・・・・・。

秋山が・・・!!



「すいません。もう大丈夫です。ありがとうございます」
「よーし。んじゃ」

男の人は貴司を離した。
そして貴司はそのまま逃げて行ってしまった・・・。



「本当にありがとうございました。
 止めて下さって感謝してます」
「まあ、放っといたら殴り殺しかねない勢いだったからね。
 見て見ぬ振りは出来なかったからさ」

・・・確かに。
もし止められなかったらどうなってたか・・・。

「じゃ、俺はこれで」
「はい。ありがとうございました」



・・・秋山が・・・。
貴司をけしかけてこんな厄介な話にしたってのか・・・。

秋山はそれをやってない、と考えてたけど
やっぱりアイツの仕業だったなんて・・・。



でも、それならアイツの目的は一体何だって言うんだ・・・!?



確かに・・・、憂樹の言う通り
秋山の行動は全く読めない・・・。

これから何が起こるのか想像も出来ない・・・。






「ただいまー、っと」
「おかえりなさい、ジュンさん」
「おかえりー」
「・・・ユキ」
「ん?」
「さっき、まさとさんに会ったぜ」
「あら」
「喧嘩してたぞ」
「へー?珍しいなあ。そんな性格じゃないのに」
「まあ、ヤバくなる前に止めといたけどな」
「それはどうも」



つづく




     

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