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様々な想いが交差する!3rdシリーズ『真実』編!!
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・・・やはり秋山は、あの日あの場所にいた。

しかしその目的は一体何なんだろう?
偶然居合わせた、とかならまだ分かるが
何か目的があって、理由があってあそこにいたんだ。

それなら・・・何故?何の為に?



憂樹に話そうかな、と思ったけど・・・
それは止めといた。

憂樹は「馨は私の想像を越えている」と言っていた。
もし今、やっぱりあれは秋山だったんだ、と言っても理由は分からず困惑するだけだろう。
それくらい、俺にも分かる。

それなら・・・、別に困惑させる必要なんか無い。
そうなると分かっていてやると言うのはどうかと思う。



一応、俺なりに推理してみる事にした。
憂樹みたいにはいかないだろうけど
俺にしか分からない事だってあるし、まあ近付く程度なら・・・。



・・・・・・。

・・・・・・。



・・・分からない。



当たり前と言えば当たり前だ。
そんな簡単に分かったら苦労はしない。

・・・思い出せ。秋山が俺にした事は何か無かったか?



・・・・・。

ん!?



『工藤さんのおかげで、90%だったモノが100%になりましたよ』



・・・秋山は以前、そんな事を言っていた。
あの時と今回は・・・
俺が藤井さんと一緒にいた事で共通してる!

これは偶然なのか・・・?
まさか、それが関係あるのか?



秋山が言う所の『90が100になった』の
残り10が俺によって、なのは確定なんだけど
(「工藤さんのおかげ」って言ってたから)
それは藤井さんと一緒だったのが関係してるって事か・・・?


・・・いや、そこが共通してるからって
じゃあ、何があるのか、って話だ。
藤井さんが彼氏と別れるように仕向けたとでも言うのか。
そんな事をして何のメリットがあるって言うんだ。

何か話が非現実的過ぎる。
もっとリアリティのある結論にしなきゃダメだ。



そう言えば以前、憂樹に推理のコツを教わった時に言われた事がある。

「あのさ。推理して、結論に辿り着くコツみたいなのって無いかな?」
「コツ?」
「いや、結局どう言う結論を出すべきなのか、とかが分からなくなるんだよ」
「あー、なるほどね。推理の結論って、考えようによってはいくらでも出せるし」
「うん。それを一つに絞るにはどうするべきか、ってコツをね」
「そんなの簡単だよ。一番しっくり来るのを選べば良いの」
「一番しっくり?」
「結論に辿り着くまで・・・いわゆる『過程』だね。
 この時点で、どう言う方向に考えると一番しっくり来るのか。
 そう言う考え方を出来るようになれば、それによって出た結論が一番良いモノだって分かるよ」
「・・・難しいね」
「んー、じゃ例えばね。
 まさとのオヤツのケーキが無くなったとしましょう」
「はあ」
「この場合、盗んだ容疑者って言うのは二人しかいないよね。私かおばさんか。
 二人しか家にいないんだから」
「あ、まあね」
「でも、一番しっくり来る考え方でいけば、犯人は私しかいないでしょ」
「何で?」
「おばさん、ケーキとか甘い物は嫌いって言ってるじゃん」
「・・・あ!」
「まあ、おばさんが食べた、と言う可能性はゼロでは無いよ。
 ただそれは『ゼロでは無い』ってだけなの。
 私だって考えた方がしっくり来るでしょ?
 私、ケーキ大好きなんだし」
「でも憂樹は人の物なんか盗まないじゃないか」
「・・・今はそーゆー話はどうでも良いの」
「ごめん・・・」
「ま、簡単だけど、要はそう言う事。
 しっくり来る流れの推理をして、それによって辿り着いた答えこそが正解に近いの。
 それを出来るようになれれば正解に辿り着き易くなるよ。
 でも、その『しっくり』って言うのも独りよがりじゃ駄目だけどね。
 物事の筋道をしっかり理解出来てたりとか
 話を客観視出来たりしないといけないんだけど」
「ふーん・・・」



あの時に教わったやり方で行くと
この考えは『しっくり』は来ない。

秋山と藤井さんに接点があるとは思えない。
そりゃ、知らない所で会ってた、ってのは無くは無いだろう。
以前、俺に接触する為に東秀で片っ端から人に聞いたらしいし。

しかし、秋山が藤井さんと接触して何の情報が得られるんだ。
藤井さんだって、秋山に何かされれば「工藤さんの事を聞きに来た人がいましたよ」と
俺に言ってくれそうだ。

話にリアリティが無い。
しっくり来ない。

おそらく・・・、これでは無い。

じゃあ、秋山の目的は?となるが・・・
そこは分からないままだ・・・。



まあ、良いか。

今は無理して結論を出さなくても良い筈だ。
秋山が何かして来た訳でも無いんだし。

何かしてくれば・・・、自ずと謎も解けるだろうし。



しかし。



この俺の考えは、完全に間違っていた。

やっぱり・・・俺の素人推理じゃ駄目だったか・・・。

でも、言い訳になるけど・・・
秋山は狡猾な策を用意していて、既に実行に移していた。

そこまでやられたら・・・
事前に防ぐのは、ほぼ不可能だっただろう。
例え憂樹であっても。

相手が悪かった・・・、いや、悪過ぎた。

秋山がここまで恐ろしい奴だったなんて・・・。

それを痛感するのは、もう少し後になってからだけど・・・。



つづく



     

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