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様々な想いが交差する!3rdシリーズ『真実』編!!
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・・・気付けばもう六時になっていた。

マズイ。あと十八時間ってとこか。
それまでに答えを出さないと・・・。



ただひたすら考え続けてみた。
気晴らしに外を歩いてみたりもした。

でも結局、まともな答えは出せなかった・・・。

まだ時間はある。十八時間も。
でも、今までずーーーっと考えてもダメだったのに
このまま考えて本当に答えが出るんだろうか。

しかも、ただ答えを出すだけじゃダメなんだ。
秀一達に、そして憂樹にも勝つ答えを出さないと・・・。



コンコン

「雅博、いる?」
「え?」

憂樹だ。

「どうしたの?」
「入って良い?」
「良いけど」

どうかしたのかな。
と言うか、憂樹はもう答えは出せたのかな。

「青葉城、見て来たの?」
「うん。綺麗だったよ」
「そう言えば、憂樹ってこっちにいたのに
 何で今更観光に行ったの?」
「こっちにいたって言っても、ずっと仕事の手伝いしてたからね。
 あんまり見て回ろうとは思えなかったの」
「そうだったんだ」

憂樹も大変だったんだな・・・。

「ところで、俺の部屋に来たのは何か用事があるって事?」
「別に。ただ話したくなって来ただけだよ」
「あ、そうなの?」
「迷惑ですか?」
「いやいや!全然そんな事無いよ!!」

むしろ、嬉しいくらいだから・・・。

でも・・・。

「もう明日には帰るんだよね」
「そうだね・・・」
「帰る前にお土産買わないとね。
 午後から買い物に行けば、新幹線も余裕で乗れて夜には東京に帰れるでしょ」
「うん・・・」

・・・ヤバイ。ちょっと余裕が無くなって来た。

憂樹は答えを出せたの?と聞きたいけど
もし出せてる、と言われたら余計に焦りそうで聞けなかった。

「・・・・・・」
「・・・・・・」

会話が止まってしまった。

本当なら憂樹と二人っきりで話せるんだし、嬉しい筈なんだけど
今はそんな余裕が無い。焦りばっかり感じてしまう・・・。

「・・・ねえ、雅博」
「え?あ、はい」
「ちょっと、目をつぶって」
「え、何で?」
「いいから」
「・・・分かった」

何だろう。とりあえず言われた通り目をつぶった。

・・・・・・。

ジャバジャバジャバ!

「うわ、冷て!!」

俺は思わず目を開けた。

そこには、立ち上がった憂樹が俺の頭の上からペットボトルの水をかけていた。
しかも、ちょっと怖い顔をしてる・・・。

「な・・・、何すんだよ!?」
「どう?ちょっとは頭が冷えた?」
「え・・・?」
「何、意固地になってるの?意固地になり過ぎて余裕が無くなってるのが明白な顔してるじゃない」
「な・・・」

意固地になってるって気付かれてたのか・・・。

「何で・・・、俺が意固地になっちゃってるって・・・」
「分かるよ。答えが出せないけど私に頼れなくって焦ってるんでしょ?
 今も言ったけど、全然余裕の無い顔してるもん。そんな顔してれば大体見当がつくよ」
「そうなんだ・・・」

そう言えば久し振りに見抜かれたな・・・。相変わらず鋭い。

「・・・確かにそうだね。答えは出せないけど憂樹にも頼れなくって・・・」
「何でそんな意固地になったか当ててあげようか」
「え」
「秀一達に勝ちたいって言うのもあるんだろうけど・・・
 一番は、私に勝ちたいからなんでしょ?」
「・・・!!」

それも見抜かれてたか・・・。

「うん・・・、そうだね。でも何で分かったの?」
「二人で考えようよ、って言ったけど断ったでしょ?
 その時に大体分かったよ。ああ、自分の力で解いて私にも勝つつもりなんだろうって。
 あと、雅博は私みたいになりたい、って言ってるし、思ってた事があるの。
 『いつか憂樹に勝たないといけない』とかそんな風に考えてない?」
「・・・考えてる」
「でしょ。大体分かるよ。そんな性格してるもん。
 だから今回はチャンスだ、って思ったんじゃないかってね。そう思ったの」
「・・・・・・」

確かに俺は、以前から「いつか憂樹に勝たないといけない」と考えていた。
最初の時点で相当な差がついてたし、かなり難しいと分かっていたけど
それくらいの意気込みで無いといけないと思ったからだ。

でも今は、他にも理由がある。

憂樹を好きになっちゃったから、弱いままじゃいけない。下のままじゃいけない。
いつか憂樹の力になれるくらい、憂樹に頼られるくらいにならなきゃいけない。

その為には・・・、憂樹に何かの形で勝っておかないといけない、と思ったんだ。

全ての意味じゃなくて良い。
いつまでも全てにおいて負けていたら情けない事この上無い。
だから、何かチャンスがあれば・・・。

それが、俺を意固地にさせていたんだ。

でもさすがに憂樹も、俺が恋心を持っているから、ってのが原因の一つとは考えなかったか。

「はいタオル。頭、拭きなよ」
「あ、ありがとう」
「・・・ごめんね。荒っぽい事しちゃって」
「いや・・・、おかげで頭が冷えたよ」
「あのね。確かに頑張るってのは良い事だよ。
 必死になるのも、ムキになるのも、程度によるけど悪くは無いと思う。
 ただ、余裕も無くて焦ってばっかりなのに意固地になるってのは良くないよ。
 と言うより『悪い』部類だね。
 別に出来ないなら出来ないで良いじゃない。そんなのしょうがないんだから。
 だったら、どうにかして出来るようにする事の方が大事。そう思いませんか?」
「はい・・・」
「強くなりたいのなら、頑張る事も大事ですが
 自分の弱さを認めて受け止める事も同じくらい大事です。
 そうしないと成長は出来ないんだから。自分の大きさも分からない人間は強くなれる訳が無いです」

・・・久し振りに説教された。

「・・・でもさ」
「ん?」
「何で憂樹は俺が二度も断ったのに、こんな事を言ってくれたの?
 じゃあ一人で頑張りなさいね、とか思わなかったの?」
「・・・言うのはちょっと恥ずかしいんだけど」
「え?」
「私は雅博の事は認めてるし、大事な人だと思ってます。
 結束力の強さって言うのかな。そう言うのは秀一達以上って自負もあるの」
「・・・・・・」

そう言われると、俺もちょっと恥ずかしい。
いや、恥ずかしい以上にドキッとした。

「だから、雅博が本当はどんな心境なのか、が分かったんだよ。
 分かった以上は放っておけなかった。そんなとこかな」
「ありがとう・・・。そう言ってくれると嬉しいよ・・・」

憂樹が俺の事を認めてくれてる。
それを直接聞けただけで凄く嬉しかった。

「で、結局、答えは出せたの?」
「まだ・・・」
「じゃあ・・・、今度こそ一緒にやろうか」
「え、憂樹もまだなの?」
「そうだよ」

・・・ちょっと意外だ。

「秀一達に勝ちたいんでしょ?」
「うん」
「じゃ、とりあえず私に勝つのは後回し。今はまず秀一達に勝つ事を考えましょ」
「そうだね」

・・・・・・。

「憂樹」
「ん?」
「意固地になっちゃってごめんなさい」
「ん、別に良いよ。気にしてないし」
「それと」
「はい」
「一緒に・・・、考えて下さい。お願いします」
「・・・どうしたの?改まっちゃって」
「いや、ちゃんと言っておこうと思ってさ」
「・・・分かりました。頑張りましょう」



意固地になっちゃってたけど、やっと素直になれた。

憂樹の言う通り、とりあえず今は秀一達に勝つ事に専念して
この問題をどうにかしないとな・・・。



つづく



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