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様々な想いが交差する!3rdシリーズ『真実』編!!
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「ジュンさん、こっち終わりました」
「あいよ。こっちももうすぐ終わる。
 ・・・よし、完了と」
「じゃあ、保存しておきます」
「ああ、頼む」

あー・・・。

平和だねえ。

「何か最近、雑用ばっかだな」
「良いじゃないですか。平和で」
「まあカオルも何も仕掛けて来ないし、このままな方が良いんだろうけどな」
「・・・あ、もうお昼ですよ。ご飯買って来ましょうか」
「ああ・・・、いや、俺が行く」
「え?良いんですか?」
「お前にばっかり頼んじゃ悪いからな」
「じゃあお願いします。私はいつものお弁当で良いです」

・・・ユキはそろそろ仙台に着いた頃かな。

まさとさんと一緒らしいし、今回ので少しは親密になってくれれば
俺としてもありがたいんだけどな。

でもアイツ、素直じゃねえしなあ・・・。
頑固っつーか、意固地っつーか・・・。

ピピピピピ

ん?

『ジュンさん!今、どこにいますか?」
「もうすぐ店に着くとこだけど?」
『すいません、ちょっと来客なんで、戻って来てもらえますか?』
「・・・来客ね。依頼って事か。分かったすぐ戻る」

平和な日々は、そう長くは続かない、ってか。



俺は事務所に戻った。

そこには、二十代半ばくらいの女性が待っていた。この人が依頼者か。

「お待たせしました。今、お話を聞きますので少々お待ち下さい」

俺は心を仕事モードに切り替える・・・。

「初めまして。調査員の遠野です」
「私は星野と申します」
(↑ジュンとマコトです。二人とも偽名を使ってます)
「初めまして・・・。私、椎名美幸と申します」
「それでは椎名さん。依頼内容を教えて頂けますか?」
「実は・・・。私の祖父が先日亡くなりまして・・・。  
 今度、我が家で遺言状の公開が行われるんです」
「遺言状・・・?失礼ですが、財産の分配と言う事ですか?」
「はい、そうです」
「つまり、祖父は相当な財産家だったと」
「はい」
「その遺言状公開が何か?」
「実はうちの祖父が・・・、歳に似合わずコンピューターに夢中になっていまして」
「コンピューターに?」
「遺言状をあるROMに記録してあると言う事が分かったんです」
「・・・ほう?」
「まあ、それ自体は構わないんですが・・・
 そのROMを見る為にはパスワードを解かないといけないんです」
「パスがかかっているんですか?」
「はい。そのパスワードが分からないと見られないんですよ」
「そのパスワードに関する情報等は無いんですか?」
「あるにはあるんですけど・・・」
「そこには問題がある」
「・・・はい」
「それが依頼と言う事ですね?その問題をどうにか解決したいと」
「そうです。これをどうにかしないと遺産分配が出来ないので
 遺族の方々が困っているんです」
「なるほど。分かりました、やってみましょう。
 では報酬の話ですが・・・。報酬は、成功報酬。  
 値段は・・・、まあこの程度ですし3万円で。  
 なお、調査による拘束代として一日辺り1万円頂く事になりますが、これでよろしいですか?」
「大丈夫です。それでお願いします」
「では、こちらの契約書にサインをお願いします」
「・・・はい。これで」
「それではまず、その問題のある情報と言うのを見せて頂けますか?」
「はい。これなんですが・・・」

俺達は、一枚の紙を渡された。

そこには・・・



3 5 9 10 19 20 21



と、書いてあった・・・。

「・・・これだけですか?」
「はい。私達もこれがどう言う意味なのか全く分からなくて・・・」
「・・・・・・」

・・・暗号か。
パスを暗号化して簡単には見れないようにしたって事だな。

ROMにパスをかけ、そのパスを暗号にして分かりにくくするたあ、凝ったジイサンだねえ。

「・・・すいません、ちょっとお時間を頂いてもよろしいですか?」
「はい、どうぞ」

俺はマコトを連れて、別の部屋に行った。

「これって・・・、暗号ですよね」
「だろうな」
「どう言う意味でしょう・・・?」
「そうだな・・・。まあ単純に考えれば・・・、『justice』なんだけどな」
「・・・え!?ジュンさん、もう分かってたんですか!?」
「当たり前だろ。こんなの、初歩中の初歩じゃねーか」
「どう言う事ですか?」
「アルファベット変換法だよ。これは対応数字ってやつだ。  
 ・・・マコト。アルファベットは何文字ある?」
「えーっと・・・、26文字です」
「アルファベットを順番に言って行き、その時に数字に置き換えるんだ。  
 例えばAなら1、Bなら2、って具合にな。  
 で、そうやって置き換えて行くと・・・、こうなる」

↓対応表
A=1  B=2  C=3  D=4  E=5   
F=6  G=7  H=8  I=9  J=10
K=11 L=12 M=13 N=14 O=15
P=16 Q=17 R=18 S=19 T=20 
U=21 V=22 W=23 X=24 Y=25 
Z=26

「そうしたら、今度はさっきの数字を
 この表に照らし合わせて逆にアルファベットにする。  
 3がC。5がE。9がI。10がJ。19がS。20がT。21がU。
 その結果、『CEIJSTU』って言葉になるが、こんな単語はある訳が無いから
 おそらくこれはアナグラムだろうな。だからこれを上手く並べ変えれば・・・  
 『JUSTICE』って言葉が出て来る訳だ」 
「なるほど!じゃあこれが答えって事じゃないですか!」
「ああ・・・」
「あれ?どうかしたんですか?」
「いや、ちょっとな・・・」

・・・・・・。

・・・妙だな。

アルファベット変換法は暗号解読法の中じゃ初歩中の初歩だ。
おそらく、暗号を解読しようとする人間のほとんどが真っ先に試すだろう。
それだけポピュラーかつ簡単な解き方の暗号じゃ、パスをかけた意味が無い。
解読されないようにする事が目的なのに、そんな誰でも解けそうな物では・・・。

「・・・ジュンさん」
「何だ?」
「これって、初歩中の初歩なんですよね?」
「まあ、そうだな」
「だとしたら・・・、これって変じゃないですか?  
 何でそんな簡単な解読方法で解ける暗号にしたんでしょう?
 すぐに解ける暗号じゃ、パスをかける意味も暗号にした意味も無いじゃないですか」

・・・ほう?

「鋭いな。そこに気付いたか」
「あ、じゃあジュンさんもそう思ってたんですか?」
「まあな。すぐに解けちまったから尚更そう思っちまったよ。
 確かにこれは簡単過ぎる。勘の良い奴ならすぐに解けちまうぞ。  
 いくらこれを考えたのが老人とは言え、仮にもパスをかける事を考えたり
 パスをかける事が出来た人間だ。
 そんな人が、こんな簡単極まりない暗号に設定するかどうか・・・?」
「これじゃない、って事ですかね?」
「どうだかな。そうやって『簡単過ぎる→これの筈が無い』と思わせて  
 その裏をかき実は正解、ってやり方かも知れない。  
 あるいは他に解き方があるのかも知れない。それはまだ分からない。  
 とりあえず・・・、この答えを試してみるのが先決だろう」
「そうですね。じゃあ椎名さんに話してみましょうか」



さーて、正解かどうか・・・?

久々に骨のある依頼が来たじゃねえか・・・。

ユキも、こんな面白そうな依頼が入る時にいないなんて勿体無いねえ。



TO BE CONTINUED...



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