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様々な想いが交差する!3rdシリーズ『真実』編!!
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憂樹と二人で考える事になったのは良いけど・・・
かと言って、簡単に答えが見つかるって訳でも無いんだよな・・・。

「さってと・・・、どうしたものかしらねえ・・・」

憂樹も困った顔をしてる。

憂樹の事だから、いくらか考えてあるのかと思ってたけど
この様子だとほとんど考えてないっぽいな。

「・・・あのさ、こんな言い方したら失礼かも知れないですが」
「何でしょう?」
「憂樹、どこまで考えてあるの?
 何かほとんど考えてないように見えるんだけど・・・」
「・・・確かにほとんど考えてないです」
「そうなの?」

やっぱりそうだったのか。

「それはどうして?」
「・・・悪い?」
「あ、いや、そんなんじゃないんだよ。考えてないって言えば俺だって同類だし。
 ただ、憂樹ならもういくらか考えてそうだって思ったから。
 普段のイメージがそんなだからさ」
「・・・雅博の事が心配で、頭が上手く働いてくれなかったんだよ」
「え」

・・・そうなのか。

「それって・・・」
「・・・うるさいわね!恥ずかしいんだから何度も言わせないでよ!
 そんな事より、ちゃんと考えなさい!!」
「すいません・・・」

・・・怒られた。

って、何で怒られなきゃいけないんだ。



でも、今の憂樹はちょっと顔を赤くして
恥ずかしいのを隠す為に怒ったような感じだった。

こんな一面が見られるなんて・・・、予想外にも程があるぞ・・・。



「うーん・・・」

とりあえず、挑戦状の問題文を読み直してみるか。



ある時ヤギが言った。

ウソがいつまでも見抜けないとき
ウソをついているのは私ですよ

次に獅子が言った。

ヤギが嘘つきならば次に龍が言うこともウソである。

最後に龍が言った。

もし私のウソを見抜いていると言う者がいたら
それは正しい。

この中で、正しい事を言っているのは誰?



「正しい事、かあ・・・。難しいなあ」
「んー、まあ、答えだけなら実は見つけてあるんだけどね」
「え!そうなの!?何?」
「獅子だよ」
「どうして?」
「まず、ヤギを嘘つきだと確定させるの。
 『嘘を見抜けない時、嘘をついてるのは私』って言ってるけど
 解く人間が、すぐに見抜ける、と仮定させる」
「そうすると嘘をついてないって事になるじゃないか」
「ヤギは最初から嘘つきなんだって事にすれば良いのよ。
 つまり『嘘を見抜けない時』じゃなく『最初から』嘘をついてる、と」
「あ、そういう事か!!」
「今度は龍を嘘つきだと確定させる。
 それには、獅子の言い分にちょっとケチをつけるの」
「ケチをつける?」
「獅子の言い分は、あくまでも『ヤギが嘘つきなら』っていう
 仮定ありきのモノなんだよね。それじゃ見抜いてる事にならない」
「あ、なるほど」
「だから、龍の言い分は獅子と関係の無い事を言っている、とする。
 獅子は見抜いてる訳じゃないんだから。
 そうすれば『見抜いてる者がいれば・・・』ってのは嘘って事に出来るでしょ」
「はー・・・」
「これで、ヤギは嘘をついてるし、龍も嘘をついてる、って事になって
 獅子の言い分が正しい事になる訳よ。結果論だけど」

・・・凄い。

俺は相当な時間を費やしたのに
そんな答えには辿り着けなかった・・・。

「でもね」
「え?」
「これは、ほとんどこじつけだから無理があって
 もうツッコミ所満載なんだよね。
 あくまでも答えを出す為に色々とこじつけた訳だし」
「そうなんだ・・・」
「これで総吉オジサンに答えを言う事は出来るけど・・・
 満足して貰えるかどうか。正直、疑問だね」
「そうか・・・」

俺ならこれで充分満足なんだけどな・・・。

「秀一達も、こんな感じの答えなら出せるだろうし
 それじゃ『勝つ』って言うのは難しいと思う」
「う〜ん・・・」

俺は頭を抱えた。

「ま、最悪の場合はこれが答えですって出すけど
 その前にもうちょっと考えてみないとね」
「でもさ・・・」
「ん?」
「いっそ、答えなんか無いって言えれば良いのに・・・」
「・・・え?」
「いや、普通に考えれば絶対に矛盾するんだし
 答えなんか無い、って事になってるんだろ?
 それならそうだって言えればそれが正解って事になると思うんだけど・・・」
「・・・!!!」

あれ?

憂樹が凄く驚いた顔になった・・・。

「憂樹・・・?」
「・・・プッ」
「え?」
「アハハハハハハハハハ!!!」
「ゆ・・・、き・・・?」

憂樹が突然、大笑いを始めた。
どうしたんだ・・・???

「アハハ・・・、ハァ・・・、ハァ・・・
 ゴメン、ちょっと大笑いしちゃった・・・」
「・・・・・・」

まさか・・・、俺がくだらない答えを出したからか・・・?

「何で・・・、そんなに笑ってるの?
 もしかして俺が馬鹿な事を言ったから・・・?」
「そんな訳無いじゃない」
「え?」
「逆だよ。雅博は物凄く良い事を言ってくれたの。
 こんな簡単な事に気付けなかった私は馬鹿だな、って言うのと
 もう、最高の答えに辿り着けて嬉しくなっちゃったの」
「最高の答え!?」

憂樹は答えを出せたのか!?

「え、何なの?俺にも教えてよ」
「内緒」
「何で!?」
「明日、解答時間の時に教えてあげます」
「それじゃ俺が答えられないじゃないか・・・」
「大丈夫だよ。私と雅博、二人で考えて出した答えって事にするから。
 まあ実際そうなんだしね。
 秀一達も、四人で考えた一つの答えを出すみたいだし」
「そうなの?何で知ってるの?」
「さっき帰って来た時、秀一と和美が歩いてて
 そこでそんな話をしてたのが聞こえたんだよ。『心配無い』って言ってたし」
「そうなんだ・・・」

じゃあ俺達が二人で一つの答えでも大丈夫か。

と言うか、和美は秀一に意見を合わせたり、一緒にいたりしてるけど
もしかして付き合ってるとかなのか?

そうだとしたら・・・、羨ましいな。
従妹と付き合うと言う、俺がやりたいと思ってる事を既にやってるって事じゃないか。

「まあ、そんな訳です。雅博のおかげで答えが出せました。
 明日は総吉オジサンを満足させられると思います」
「はあ・・・」

憂樹は自信満々な顔をしてるけど
俺は答えが分からないから不安を感じてしまう。

「憂樹を信じない訳じゃないけど・・・大丈夫なの?」
「大丈夫です。大船に乗ったつもりでいて良いよ」
「・・・分かった」



まあ、憂樹がここまで確信したような事を言ってるんだし
ここは信じてみるか・・・。

でも・・・、俺の言葉のどれで答えを見つけたんだろう・・・?



つづく

※次回、いよいよ仙台編クライマックス!憂樹の出した答えとは!?

そして重大発表もアリ!!



↓宜しければ押してやって下さい

     
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